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2008.01.27

北播磨ぶらり旅 (4)三木鉄道・前編(厄神駅にて)

三木鉄道の発車時刻まで少々時間があるので、一旦駅の外へ出てみます。厄神駅は1999年に新築された橋上駅。周囲は住宅地が中心の集落となっており、加古川線の加古川からの電車は、日中は半数がここで折り返します。

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《厄神駅駅舎》

かつて三木鉄道(元・国鉄三木線)の線路は加古川線と繋がっていましたが、現在は車止めが置かれて分断されており、伸び放題の草が線路を覆っています。

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列車を出迎えるため、ちょっと早めにホームへ戻ります。三木鉄道の列車は3番ホームから発車しますが、ホームは20m車がぎりぎり1両停車出来るかどうか程度の長さです。

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ここで三木鉄道の沿革について触れておきます。加古川線は全線に渡って加古川と並行していますが、これは加古川の水運を代替する目的で敷設された為。加古川は勾配が緩く、明治時代までは重要な物流ルートとしての役割を担っており、河口から氷上町本郷にかけて高瀬舟が頻繁に往来していました。

加古川には多くの支流があり、これらもまた物流ルートとして利用されていましたが、美嚢川(みのうがわ)もその一つ。この川の水運も鉄道で代替されるようになり、それが現在の三木鉄道、三セク化前の国鉄三木線です。

この鉄道を敷設したのが播州鉄道。後に播丹鉄道へと譲渡されますが、かつては加古川線を軸に、高砂線・三木線・北条線・鍛冶屋線と、加古川流域に広大なネットワークを築いていました。しかし、これらの路線は貨物輸送を第一義に敷設された為、既存の集落からは外れている場所が多く、物流の主役が自動車へと移行するにつれて翳りを見せ始めます。沿線最大の拠点である西脇市も、中国自動車道の開通により大きくシェアを奪われる結果となりました。モータリゼーションの進展により、現在まで命脈を保っているのは加古川線・三木線・北条線のみです。

自動車の台頭による衰退という、あくまでも類型的な経緯を辿ってきた播州鉄道一門ですが、三木鉄道だけは他の路線と趣を異にしています。高砂線・北条線・鍛冶屋線が他の路線を介して、必ずしも最短ルートでないにしろ大阪・神戸への実用的なルートを形成していたのに対し、三木線は美嚢川に沿って三木から西へ向かっており、これは大阪・神戸方面とは全くの逆方向。旅客流動のベクトルにそっぽを向いてしまっています。1974年に貨物輸送が廃止されてからは完全に存在意義を失い、1985年に第三セクターに転換された後も凋落の一途を辿っています。

1916年に播州鉄道の一路線として開業した当初から旅客輸送は微々たるものでしたが、神戸電鉄粟生線の開業によって命運は完全に尽きてしまいます。粟生線でさえ神戸都心へ直通するバスの攻勢により苦戦を強いられているというのに、半世紀以上前から既に青息吐息だった路線がどうして生き長らえる事が出来ましょうか。

・・・と、どうしても救いの無い結論に達してしまうのですが、とりあえず乗車してみる事にしましょう。入線してきた列車は北条鉄道のフラワ2000形と同形式の車両ですが、車内はセミクロスシートになっています。クロスシート部分はボックスシートで、弥が上にも旅気分が盛り上がるというものです。

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次回は三木へ向けて出発します。

(2006.05.31)


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コメント

 こんにちわ、はじめまして。
 わたしのブログにコメントありがとうございました。初めて訪れたのですが、ほぼ毎日書かれてるし、内容も充実しているので驚きです。全部読むのにかなり時間がかかりそうです。
 海外の鉄道にも興味はあるのですが、時間がなかなかとれないのでご近所中心のブログを、やってますのでまた遊びに来てください。

廃線間近の三木の住民です。3月末で終わりになるということで、三木でもようやく話題になっています。遅すぎるのですが・・・・。
三木鉄道について、丹念に冷静な目で書かれていて、参考になります。もはや決定してしまい、その後をどうするかの話題にうつりつつあります。廃線のあと、をご存知のところがあれば教えてください。

らびぃ様

こんばんは。ようこそお越し下さいました。

特に毎日更新を目標に据えているわけでもないのですが、今の所は何とか続いていますね。このままモチベーションを維持しようと意気込んでおります。

私もかつて名古屋に住んでいた事があり、らびぃ様のブログを懐かしみながら拝読しました。またお邪魔させて頂きます。

===

moteki様

初めまして。コメント頂き有難うございます。

よそ者が偉そうに語るのは憚られるのですが、やはり7kmのミニ路線ということで、大方の市民には無縁の存在であった事は確かでしょう。ただ、路線維持には連綿と市民の税金が投入されていたわけで、議論が遅きに失したという感は拭えませんが。

廃止後については、神姫バスが代替路線を運行するようです。運転本数と運賃は現状維持、所要時間は延びますが、市の中心まで直接乗り入れる上、停留所も増設されるので、利便性はアップするとみて良さそうです。蓋を開けてみなければ何とも言えませんが、当分は大きな動きは無いものと私は踏んでいます。以下の記事も参考にして頂ければ幸いです。

『三木鉄道廃止後 神姫バス、代替路線計画を申請』

三月末の三木鉄道廃止を前に、神姫バス(姫路市)は十八日、鉄道の代替分を含むバス路線の新たな運行計画を近畿運輸局に申請した。三木市の計画に基づき、鉄道の厄神-三木駅と、三木-神戸電鉄恵比須駅までの計一〇・三キロを結ぶ。運行は四月一日から。

厄神-三木駅では、九カ所ある鉄道駅の近くにバス停を設置。「別所中学校前」など七つの停留所を新たに設ける。一日十九往復(土日祝日は十七往復)で鉄道と同じ二百五十円。片道の所要時間は、鉄道のほぼ二倍の二十五分程度。

三木駅以東は「市役所前」など四カ所を経て、神鉄恵比須駅まで。恵比須駅からの料金は初乗り百六十円(三木駅までを含む)、厄神まで三百円。所要時間は三木駅まで十分ほど。

同社は、四十人乗りの小型バスを使う計画で、赤字は市と加古川市が補てんする。市交通政策課は「バスの運賃は当面、鉄道と同じ水準に据え置く。鉄道からの乗り換えが増えるようPRに努めたい」と話している。(佐伯竜一)

(神戸新聞・2008年1月19日)

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