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2008.02.20

台湾一周の旅5日目 (9)台東線(玉里~花蓮)

玉里駅への到着と前後して隣のおじさんが引率者に弁当を配り、自分も食べ始めたので私も包みを開くことにした。やはり座席にテーブルは無く、手で持たなければならないのが不便だ。

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《弁当の包み紙》

憶測ではあるが、どうも一昔前の台湾人には列車の中で飲食すると散らかし放題にする悪習があったらしく、台湾映画の『冬冬の夏休み』でも、車内へ持ち込んだ手羽先らしきモノの食べカスの骨を、そのまま床にポイ捨てにするシーンが描かれている。これは極端な例ではあるが、台鉄もそれを見越して車内での飲食を歓迎しない姿勢を示唆していたのではないか。台北MRTの駅の入り口には「ここから内側で飲食すると罰金」という意味の黄色い線が床に引かれており、白い目で見られて当然の弁当やパン、スナック菓子はおろか、日本の都市鉄道では事実上容認されているペットボトルの飲料やガム、キャンデー類までもが処罰の対象になるほど厳格だ。もっとも近代化の流れの中で、台湾人の衛生観念にも変化が現れたようで、マナーの向上を追認する形で台湾新幹線や太魯閣号のシートにはテーブルが設置されるようになった。(重ねて申し上げますが、これはあくまで私の当て推量に過ぎません)

閑話休題。弁当の中身はというと、下の写真のようにごくありきたりの食材がおかずとしてご飯の上に無造作に散りばめられており、これが台湾の駅弁の唯一のフォーマット。大同小異で選択の余地は無く、日本の駅弁のように土地の名産品を用いた風土色あふれる構成にはなっていない。池上産の米を使っていれば「池上弁当」と名乗れるわけで、実のところ池上郷の周辺地域のみならず台湾全土で容易に手に入る、有り難味の無い“名物弁当”である。

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何だか貶したような物言いではあるが、駅弁の宿命で出来たてではない事を除けば、味自体は上々。加えて値段もたったの70元(260円)でこのボリュームとくれば、コストパフォーマンスの面では大満足だ。日本では馴染みは薄いが中華料理ではポピュラーな香辛料である八角の風味も、異国人にとっては旅の情緒を醸し出す一要素となっている。

仲良く弁当を食べ終わり、車窓に目を向けると、中央山脈の峰々の頂を恨めしくもすっぽりと覆い隠している雲が、我々の頭上にまでその版図を拡げていた。玉里駅から15kmほど北、三民~瑞穂駅間で北回帰線を通過し、亜熱帯へ戻って来る。心なしか車窓にも変化が現れたように思えるのは、植生のせいか、はたまた陽が蔭って風景が精彩を失った所為か。

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花東縦谷には台湾で最大勢力を誇る原住民であるアミ族(阿美族)が多く暮らし、瑞穂郷は彼らの発祥の地とされていることから、今も昔もアミ族の本拠地である地域である。また、日本統治時代には本土から開拓者が入植してきた土地でもあり、北海道やブラジルさながらに開発の手が入った。沿線に点在する昔ながらの日本家屋が残る集落は、日本人の郷愁を誘ってやまないそうだ。

列車の行き違いのために停車した豊田(フォンティエン)駅がある豊田集落もその一つで、ガイドブックには立ち込める雲の下に鈍色(にびいろ)の鳥居がすっくと立つ、寂寥感を湛えながらもどこか惹き付けられるような情景が切り取られている。豊田駅には一日2往復の普快車と一部の呂光号が停車するのみで、公共交通機関でのアクセスは花蓮からの路線バスが主流となっている。

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《志学~吉安》

12時50分、屏東以来の町らしい町の中へ入って行くと(台東駅は町外れにあったので)、終点花蓮に到着。ここから先は電化区間となり、ホームの向かい側では14分で接続する、台北を経由してはるばる屏東にまで足を延ばすプッシュプルタイプの自強号が乗客を迎え入れている。途中停車駅は玉里と寿豊の2駅のみで、台東~花蓮間の表定速度は66.7km/hと算出される。非電化単線にしては自強号の名に恥じない快走ぶりであった。

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(2007.10.17)

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コメント

花蓮に電車の旅もいいかもしれない!
そういえば電車というか汽車には乗っていない!
MRTくらいかな?

オーゴンカープさま

東海岸の路線は風光明媚な車窓が目白押しで、鉄道好きでなくとも楽しめること請け合いです。日本の鉄道とほぼ同じ感覚で乗車出来るので、次回の訪台の折には是非どうぞ。

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