香港 (2-4)錦田
駅から続く細道を進む。あれだけ街中を席巻していた高層住宅がここには影も形も見当たらず、まるで別世界。
程なく駅名の由来にもなっている錦上路に出てくる。周辺には「○○花園」と称する3階建て程度の団地が幾つかあり、香港も高層住宅ばかりじゃないんだなぁ・・・と、印象を新たにした。
更に路地の奥へ入っていくと、アパートの合間に古ぼけた一戸建ても並び、所々からテレビの音が漏れている。電車に10分足らず乗っただけで、中国の何処かの田舎町にワープして来たかのよう。
小さな食堂があったり、
朝から賑やかな生鮮市場。
鄧氏宗祠というほこら。そばには集会所があり、爺さん達が集ってボードゲームに興じていた。
街中をあてもなくブラブラと歩き、
錦田のメインストリートである錦田公路へ。郵便局が建っており、ここが町の中心ということらしい。
《錦田郵政局》
また、バスターミナル(といってもバス停が立っているだけ)もここにあり、鉄道および大欖トンネル(道路トンネル。鉄道のトンネルも同名)の開通前、中心部から錦田へはツェン湾から峠越えの山道を辿るしかなかったというから、ここが九龍・香港島への唯一の玄関口だったということか。
郵便局の向かい側、商店の並びの一角に飲茶の店があり、店先でせいろがいくつもホカホカと湯気を立てている。時刻は10時を過ぎ、おばちゃんが一つ一つ蓋を開けて中身を見せてくれたので、おやつとして2種類ばかり買って店の中で頂く。各種10ドルで計20ドル(約300円)。
店は地元の人たちの社交場となっており、よそ者は私だけ。異国の生活の場にちょっとだけ溶け込む快感。
さて、これから元朗へ向かうのだが、目の前のバス停からは元朗行きのバスが出発しており、対して錦上路の駅はちょっと遠い。錦上路~元朗間が歯抜けになってしまうが、せっかくバス停がすぐ側にありながら駅までわざわざ歩くのもバカバカしいので、バスに乗ることにした。ちなみに本数は時刻表が要らない位に多い。
そういえば、錦田には客家(中国北部をルーツとする少数民族)の人々が住む「吉慶圍」という城壁で囲まれた村があるらしいが、観光地化されているのはまだいいとして、新しい建物が増えて風情がなくなっているらしい。それを承知で見に行っても良かったが、早くLRTに乗りたかった(笑)ので先を急ぐことに。
次回へ続きます。
(2006.12.13)
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