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2008.11.10

フランス (3-12)オランジュリー美術館

オランジュリー美術館の入り口へ。間もなく午後5時、閉館まであと2時間という遅い時刻ではあるが、やはり無料開放デーということで入場待ちの列は未だに長く延びている。私も最後尾につき、列が流れるのをじっと待っていたのだが・・・

寒いぃぃ~ッ!

シャンゼリゼを歩いている時に少々降られた雨はすっかり上がってしまったのだが、どんよりと立ち込める雲は相変わらず。しかもここへ来て風が強くなり、気温もぐっと下がって急に寒波が押し寄せてきたかのよう。カバンに忍ばせておいた手袋を取り出してはめたのだが、それでも身震いが止まらない。とても2時間前にチュイルリー公園のベンチで日向ぼっこをしていた時と同じ日、同じ季節とは思えないほどの変わり様である。手荷物チェックを経て15分程度で入場することが出来たのだが、まるで生きた心地がしなかった。


《入場待ち中に撮影したオランジュリー美術館の外観。なんだか寒そうでしょ?》

この美術館の目玉は何といってもクロード・モネの『睡蓮(Nymphéas)』の連作。ここは元々この作品の為に1927年にチュイルリー宮殿の温室を改造して整備された美術館で、2000年から2006年にかけて行われた二度目の大改装工事を終えて生まれ変わったばかり。『睡蓮』の展示室の手前には、この美術館のレイアウトの変遷を再現する模型が置かれていた。

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《睡蓮の間・入り口》

『睡蓮』の連作は8点で構成されており、これらは2つの楕円形の広間に4点ずつに分けて展示されている。一歩足を踏み入れた瞬間から伝わる、独特の空気に満たされた展示室の天窓からは柔らかな自然光が降り注ぎ、なんだか繭に包まれているかのようなフワフワとした感覚と安らぎをおぼえる。

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モネの別名は「光の画家」だそうで、この作品群も同じモチーフの時間や季節、天候による色彩の変化を追っていったもの。主張やインパクトとはまるで無縁の作風だが、写真でも写実でもない、光そのものを描くということがどういうことか。言葉だけでは想像し得ない、作品を実際に目の前にして初めて伝わってくる迫力というものがやはりあるようだ。

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睡蓮の間でベンチに腰掛け、じっくりモネの世界に浸った後は、ジャン・ワルターとポール・ギョームのコレクションルームへ。作品数は150点弱と小規模ではあるが、それでも丸一日歩き疲れてヘトヘトなので、サッと眺めて回る程度が精一杯だった。

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《ルノワールの『ピアノを弾く少女』。オルセー美術館にも微妙に構図の異なる同名の作品があります》

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《同じくルノワールの『ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル』》

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《素朴派の画家・アンリ・ルソーによる『ジュニエ爺さんの二輪馬車』。なんだかすご~く和みます》

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《同じくアンリ・ルソーの『田舎の結婚式』。なんで黒い犬が決まって描かれているのでしょうねぇ》

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《アンドレ・ドランの『アルルカンとピエロ』。何とも奇妙な後味を残す作品です》

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《シャイム・スーティンの『村』。彼の作品はぐにゃりとねじれて歪んだ空間が大きな特徴》

1時間ほど滞在し、館外へ。あまりの疲労にそろそろホテルへ戻ることも考慮に入れ始めていたが、なんせたった3日間+αのパリ滞在。もう少し頑張ってみようと思い、コンコルド広場の北にあるマドレーヌ寺院へと足を向けた。

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《オランジュリー美術館入り口》

(2008.04.06)


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コメント

ご無沙汰していますsun

『水と反映の風景』にとりつかれた画家・モネの、
終わりのない楕円形の中の無限世界。
この『睡蓮』こそ、美術館で見たときに初めて
その素晴らしさ・迫力が感じられるのでしょうね。

ご無沙汰しております。旅行記の執筆が遅々として進まず申し訳ありません。なんだか今年中にフランスを脱出する出来るかどうかも怪しくなってきてしまいました。
改装前の『睡蓮』の展示室がどんな様子だったのかは知る由も無いのですが、「自然光のもとで見てもらいたい」というモネの遺志が受け継がれた素晴らしい空間でした。絵そのものの力も然ることながら、その魅力を引き出せるかどうかは舞台次第ということなのでしょうね。モチーフとなったモネの庭も見に行ってみたくなりました。

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