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2008.12.07

フランス (4-10)TGV東ヨーロッパ線(パリ東駅にて)

15時50分、パリ東駅。私の乗車する列車の発車時刻までには30分以上あり、LCDの発車案内にホームの番号はまだ表示されていない。というわけで、TGV東ヨーロッパ線の開業にあたって大改装工事が行われたパリ東駅構内を少しうろついてみることに。2日前にもプロヴァンへ向かう際に訪れた駅だが、今日は遥か遠方のアルザス地方へ旅立つ日。やはり気分は全然違う。

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パリの東の玄関口らしく長距離列車の発着も頻繁で、TGVだけを取り出してみても15時57分にランス行き、16時09分にメス経由ルクセンブルク行き、16時12分にナンシー行き・・・と、フランス東部の主要都市への列車が続々と出発していく。目指すストラスブール行きの列車はそれらに続く16時24分の発車となり、出発20分前に発車案内に「7番線」の表示が現れたので、他の乗客と共にぞろぞろとホームへ進む。

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TGVには正規運賃のほかに様々な割引運賃が設定されており、今回は最も割引率の高い「Prem's」と呼ばれるチケットを購入した。購入後の変更・払い戻しは一切不可となっていて(TGVは完全予約制)、もし乗り遅れでもしたらタダの紙切れと化してしまうという非常にリスクの高いチケットだが、そのリスクを補って余りある高い割引率が魅力。今回は初めてのTGV試乗ということもあって1等車を奮発したのだが、パリ~ストラスブール間の1等正規運賃が112ユーロなのに対して、私の購入したチケットは50ユーロ。実に55%という大幅割引となっている。割引率は空席状況によって変動するらしく、この前後の列車は更にお安い45ユーロという値段が付いていた。2等車ならば35ユーロ~と更にお値打ちで、パリ~ストラスブール間の直線距離が400km(東京~大阪間とほぼ同じ)もあるということから考えるとウソみたいな出血大サービスである。

もっとも、このような大胆な価格設定を行っている理由はもちろんあり、その筆頭が日本では格安航空会社と呼ばれているローコスト・キャリア(LCC)の台頭である。日本にはLCCは事実上存在しないため、パイが大きく参入余地の広い東京~大阪間でさえ東海道新幹線と大手航空会社2社の寡占状態となっており、運賃の高止まりが続いているが、こちらではフランス国内は勿論、周辺諸国をも巻き込んだ高速鉄道vs大手航空会社vsLCCの熾烈なシェア戦争が繰り広げられている。過当競争により消耗戦に陥ってしまっては安全性を脅かされる事態を招きかねないが、適度な競争原理がより良いサービスを生むという当たり前の事実を再認識させられた。

「Prem's」の乗車券はセルフプリントが可能で、「Voyages-sncf.com」というフランス国鉄直営の旅行案内サイトでフランス語と格闘しつつ、予約を確定すると直ぐにメールでPDFファイル(の置かれたアドレス)が送られてくるので、自宅のプリンタで文書を印刷してそのまま駅へ向かえばOK。窓口や自動券売機で発券するチケットの場合、駅構内のそこかしこに設置された「Compostage(コンポスタージュ)」という刻印機でのヴァリデーションが義務付けられているが(怠ると罰金)、セルフプリント乗車券の場合は不要なので、一度も切符を取り出すことなく車内へ入れてしまう。ちなみにこれは余談だが、「Prem's」は購入者本人しか使えない記名式のチケットとなっており、変更も払い戻しも不可なので、もし印刷した紙を紛失しても再印刷すれば無限に再発行が可能という副次的効果もある。

TGV02443 Paris Est(16:24)→Strasbourg(18:43)

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《ストラスブール行き列車の発車標》

TGV02443列車は両端の機関車を含めて10両編成。時間帯によっては2編成をつなげた重連で運転されるそうだが、この列車は1編成での運転である。前から18号車、17号車の順で一番後ろが11号車。前4両が2等車、後3両が1等車で、中間の1両はビュッフェ車となっている。

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《機関車の新旧揃い踏み》

当方の列車を牽引する機関車は第三世代と称される、本来はオール二階建ての「TGV Duplex」に使用される最新型の車両だが、中間に挟み込まれる客車は見慣れた平屋の車両である。子供の頃に絵本で見たTGVの車両はオレンジ色に塗装されていたが、近年になってシルバーに塗色が変更になったそうな。確かにこちらの方がよりシャープな印象を受けるかも。

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ホームの向かい側には16時11分発の「Corail Intercités(中距離急行列車)」が停車中。一昨日訪問したプロヴァンの少し手前、ロングヴィルから更に本線を進み、シャンパーニュ地方の主要都市・トロワ(Troyes)へ向かう列車である。ひたすらスピードを追求するTGVもそれはそれで機能美に溢れていて魅力的だが、昔ながらにトコトコ走る客車列車というのも味があっていいもの。ま、客車列車は後日ドイツでじっくり楽しむことにしましょう。

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後から3両目、ビュッフェ車の隣となる指定された13号車へ。

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《13号車入り口》

こちらが1等車の車内。東ヨーロッパ線の開業を機にインテリアがリニューアルされ、デザインはフランス人デザイナーのクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が手掛けている。この人、本業は服飾デザイナーだそうだが、折りしも2010年に登場する京成新スカイライナーのデザインも山本寛斎氏が担当していたりと、鉄道車両のデザインに新風を吹き込む動きが洋の東西で活発化しているということなのだろうか。

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《車内全景》

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《一人掛け席》

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《二人掛け席》

ヨーロッパではよくあることなのだが、この車両でも座席の配置と窓割りが一致しておらず、あろうことか私の指定された席は太い桟のすぐ横という景色を楽しむのには最悪の席。しかし前列の席が空いており、発車1分前になっても乗客は現れず。そしてこの列車はパリを出るとストラスブールまでノンストップである。ということで、発車寸前にそちらの席にサッと移動。こちらはそれこそ天国と地獄の差とでも言えそうなベストポジションで、ホッと一安心。幸運に感謝である。

16時24分、定刻通りに列車はゆっくりと動き出した。ストラスブールまでは2時間20分の旅である。

(2008.04.07)

〔関連記事〕
パリ北駅(Thalys・Eurostar) / パリ・リヨン駅(TGV南東線)


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