« フランス (5-1)こんにちはトラム | トップページ | フランス (5-3)ストラスブールトラム・北東部2 »

2008.12.18

フランス (5-2)ストラスブールトラム・北東部1

Faubourg National[tramB]Hoenheim Gare

Faubourg Nationalを出発した電車は、旧市街の狭い通りを身をくねらせながら縫うようにして進んでいく。走行音も極めて静かで、氷の上を滑るような乗り心地だ。

程なくHomme de Fer(鉄の男広場)に到着。東西方向と南北方向の路線が十字にクロスし、E線以外の系統がすべて集結する運行上の要である。ストラスブールのヘソであるクレベール広場はすぐ近くで、A・D線のホームにはストラスブールのトラムを紹介するメディアでは必ず登場する、あのドーナツ型の屋根がかかっている。

トランジットモールとなっている商店街を抜け、イル川を渡って国立劇場・国立図書館・県庁といった重厚な建物が建ち並ぶレピュブリック広場(République)へ。円形の広場になっており、B線はこの広場の東側を半周して北へと向かう。

イル川に囲まれた旧市街を抜けると、途端に広がりのある風景となり早くも郊外の気配が。WackenでE線と分かれると、いよいよB線の単独区間へ入る。新市街や郊外では多くの区間で専用軌道となっており、足取りは軽やか。パリのトラムもそうだったのだが軌道部分に芝生が敷かれた場所もあり、騒音の低減と美観の向上に一役買っている。


【動画】ストラスブールトラムの車窓から(Wacken→Rives de l'Aar/進行方向右側)

スムーズな運行のもう一つの秘訣は優先信号の存在。交差点に電車が接近すると連動してトラム側の信号が「進行」に変わるようになっており、基本的に信号待ちで足止めされることはない。前面展望を眺めていると、行く手の信号が次々に変化していく様子が分かり、王様にもなったような気分でなかなか痛快である。

Futura Glaciereの駅前にはオフィスビルやIbis(フランスを本拠地とし、グローバル展開を行う低価格ビジネスホテルチェーン)があり、ちょっとしたニュータウンのような雰囲気だったが、基本的には終始郊外の住宅地が続く。

Faubourg Nationalから20分少々、B線の終点・Hoenheim Gareに到着。大きな屋根のかかったターミナルで、路線バスと結節しているほかパークアンドライド用の大規模な駐車場も設けられており、郊外の一大交通拠点が築かれている。

20080408082437
《Hoenheim Gareに到着した1000系電車》

20080408083039
《先頭車両の横顔》

20080408082743
《Hoenheim Gareのターミナル全景》

電車の側面を撮影。真ん中の小さなユニットに車輪が付いており、これでメインの客室部分を吊っている構造のためタイヤハウスは不要。よって車内には一切段差のない完全低床化を実現している。

20080408083111

駅名にGareと付いているように、ここにはフランス国鉄の列車も発着しているのだが、この駅に停車する旅客列車は日に数えるほどだとか(偶然にも私がこの駅に到着した直後に列車がやって来ましたが)。実際に時刻表をチェックしたわけではないものの、三々五々に人が集まるトラムの駅とは対照的にSNCFのホームには人影もなく、まるで廃駅のようにひっそりとしている。線路は非電化ながら複線の重軌条となっており、もしここがドイツならばS-Bahn化して集客に努めそうなものだが・・・ せっかくの好インフラを持ち腐れているようで何とも勿体無い。

20080408083430
《SNCFの駅名は「Hoenheim Tram」》

20080408083413
《SNCFのホームは土手の上》

20080408083511

20080408083518
《(上2枚)無人のホームと立派な複線》

しばらくホームに佇んでいると、真っ直ぐに続く線路の彼方からヘッドライトの光が徐々に近づいてくる。おっ、何だかんだ言っても結構来るものだねぇと胸をときめかせるが、列車は列車でもこれは貨物列車でした。


【動画】Hoenheim Tramを通過する貨物列車

ホーム上からは駅に併設されたパークアンドライドの駐車場を一望できる。下の写真は平日の朝8時半のものだが既にかなりのスペースが自家用車で埋まっており、所期の効果を存分に発揮しているようだ。

ターミナルの施設はSNCFの線路の南側に集中しており、じゃあ線路を挟んだ北側はというと、こちらは一面の荒れ野原。築堤沿いのぬかるむ道を歩いていると、すぐそばにターミナル駅があるとは信じられないほどの辺鄙な場所のように思えてくる。地面には霜柱が立っており、4月に入ったとはいえ高緯度のヨーロッパの冷え込みの厳しさを雄弁に物語っているが、枯れ枝の合間に咲く白い花が春の訪れを告げていた。

20080408083917

20080408085256

トラムの駅へ戻ります。

20080408083322
《出発・到着ホームの奥の折り返し線。最新型の2000系電車が停車中》

こちらは2006年に営業を開始した第二世代の2000系電車。1000系よりも編成長が長く、立客スペースを増やすなど混雑緩和を念頭に置いた設計となっている。折りしも編成番号は今年の年号である「2008」だった。

20080408083142

20080408083154

20080408083202

こちらは刻印機。従来の磁気券を挿入するスロットのほかに、ICカードの読み取り部も併設されている。実際に供用されているかどうかは未調査である。

20080408085554

券売機・刻印機・LED発車案内板・インフォメーションボードがセットになったユニット。微妙な形状の違いはあれど、ほぼ全ての駅に設置されているようだ。

20080408085613

券売機。タッチパネルではなくモニタの下のドラムを回して項目を選択するタイプで、パリで導入されているものと同仕様のようである。クレジットカードも使用可。

20080408085624

次回はE線に乗車します。

(2008.04.08)


« フランス (5-1)こんにちはトラム | トップページ | フランス (5-3)ストラスブールトラム・北東部2 »

コメント

 いよいよストラスブールですね。わたしが旅したのはルクセンブルクからバーゼルに向かう途中で半日ほど滞在しただけです。そんなわけで時間があまりなくて、EU議会を見に行った以外は、トラムから街を眺めた程度であり、ゆっくり待ち歩きはできませんでした。それでも雰囲気がとても気に入った街なので、じっくりと訪れてみたい・・・パリからずいぶん近くなったことだし・・・・

こんにちは。私もストラスブールをじっくり歩けたのは実質この一日だけだったのですが、もう少し日程に余裕があればあと一泊しても良かったなと思っています。2、3年後にはフランス国鉄の鉄道線と直通するトラム系統が誕生する予定のようですし、LGV東ヨーロッパ線と絡めて次回は是非ともゆっくりと滞在していただきたいですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224041/43440091

この記事へのトラックバック一覧です: フランス (5-2)ストラスブールトラム・北東部1:

« フランス (5-1)こんにちはトラム | トップページ | フランス (5-3)ストラスブールトラム・北東部2 »

スポンサーリンク

Blog内検索

Amazonでお買い物しませんか?

無料ブログはココログ