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2009.01.21

ドイツ (1-1)ICEチョイ乗り

オッフェンブルク(Offenburg)はフランクフルト・アム・マインからマンハイム・カールスルーエ・フライブルクを経てスイスのバーゼルへ至る幹線上にあり、フランスのアルザス・ロレーヌ地方からの路線が合流してくるほか、シュヴァルツヴァルトの山中を縦断してボーデン湖畔のコンスタンツへ抜けるシュヴァルツヴァルト鉄道(Schwarzwaldbahn)の始発駅であるなど、鉄道交通の要衝駅のひとつとなっている。実のところ、当初はシュヴァルツヴァルト鉄道沿線にあるゲンゲンバッハ(Gengenbach)という街を訪問する予定だったのだが、オッフェンブルクから10分足らずの距離にも拘らず、ここに停車する列車は1時間に1本程度とやや不便だという事実が判明し、パリに日程を取られてしまったのもあって今回の所はパスすることに。とはいえ、いずれ又の機会に訪れることになりそうだ。

ICE503 Offenburg(11:29)→Freiburg (Breisgau) Hbf(11:59) ※5分遅れ

フライブルク方面へ向かうICEは1番線からの発車。時刻表上での接続時間は7分と絶妙の接続である。一応指定席を取ってあるので、31号車の乗車位置付近へと移動。ドイツでは日本のように「1号車乗車位置」という風なプレートが天井からぶら下がっているわけではなく、A・B・C・D・・・と大まかなブロックが表示してあるだけ。ホーム上の数ヶ所に、そのホームから出発する全ての優等列車の編成表とだいたいの停車位置が記された表が貼り出されているので、それを見て見当をつけることになる。

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《これはシュトゥットガルト中央駅16番ホームのもの》

指定を取っておらず、1等車や2等車といった編成中の大雑把な区分のみを知りたいならば、ホームの発車案内板にも簡略化された編成表が表示されている。

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《一番右下の部分に1等車/2等車/食堂車の区分が表示されている》

この青地に白文字で表示される液晶の発車案内はドイツ鉄道の共通デザインのようで、急速に普及が進んでいるのだろう、この後も表示領域を削った簡易バージョンを含めて至る所で目にした。つい先頃まではパタパタパタ・・・と板が回転するソラリー式のものが主流だったそうだが、今回の旅ではボン中央駅で見掛けた他はほぼ全滅状態だった。

電車の到着を待っていると、「ガンゴーン」という重々しい鐘のような電子音に続き、自動放送が。フランス国鉄だと「(タララララ)トゥントゥントゥーン」とお洒落なジングルが流れたのだが、こちらは如何にもゲルマン的な質実剛健さを感じさせる音色である。こんな所にもお国柄が感じられてなかなか興味深い。

さて電車のほうはというと・・・ 発車時刻になっても未だ姿を見せず。かつては日本やスイスと並んで世界トップレベルの定時性を誇ったドイツの鉄道だが、なんでも民営化後は列車の遅延が頻発するようになり(それも5分や10分どころか時として30分~1時間単位で)、昔日の栄光は何処へやら、当地でも非難轟々だとか。「ドイツの新幹線」と呼ばれるICEだが、秒単位でダイヤが組まれている新幹線並みの正確性を期待するのははなから無駄なようである。

それでも私の乗車するICE503列車は5分程度の遅れに収まり、遅れを取り戻すためギリギリまで制動距離を詰めるようなスピードでホームへ滑り込んできた。ICEシリーズの最新バージョンであるICE3で、8両編成が2編成併結された16両編成である。過去のヨーロッパ旅行ではICEは外観を眺めるのみに終わってしまっていたので、実際に乗車するのは今回が初めてとなる。

車内へ入るとやはりと言うか何と言うか、16両の長編成を持て余すかのようにガラガラである。一応指定された座席も見に行ってみたが、真ん中にテーブルが置かれた4人掛けの向かい合わせ席には、みるからにバリバリ仕事に燃えてます!というオーラを漂わせたビジネスウーマンのおばさんがPCに向き合い熱心に作業中。席は選び放題なので、眺望のよい進行方向を向いた窓側席に腰掛ける。

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《車内全景(2等車)》

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《2等車の座席》

さて座席のファーストインプレッションだが、2等車ながらも隣の座席とは独立しており、柔らかい枕が付いている・肘掛けが布張り・床がカーペット敷き・・・と優れた部分も多いものの、いかんせんシートピッチの狭さに加え、なんと背もたれの角度の微調整が出来ない簡易リクライニングシートだったのには意表を衝かれた。輸送力を確保するためにシートピッチを詰めるというのは営業施策上望ましくはないにせよまだ理解できるが、何故こんな前時代的な簡易リクライニングシートを導入する必要があったのか、デザイナーに真意を問いたいところだ。暖色系の照明と木目パネルが落ち着きを演出するモダンインテリア調の車内空間は出色なだけあって、肝心の座席でケチがついてしまうのは実に惜しい。

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《デッキから客室入り口を眺める。右側の扉はトイレ》

ドイツ鉄道のフラッグシップトレインとしてはやや期待を裏切られる結果となってしまったが、それはそれとして車窓に目をやってみる。ICE3は新幹線と同様の動力分散方式となっており、加速に伴い床下で音階を奏でるVVVFインバーター音が新鮮だ。オッフェンブルクからバーゼルにかけては在来線上を走行するため、最高速度は目測で160km/h前後といったところ。もちろん330km/h走行も可能な車両の160km/h走行なので、余裕綽々の走りっぷり。線形も極めてよいので快走に次ぐ快走である。やはり古くからの幹線沿いということで平地の広がる沿線には中小の町が点在し、農村地域と工業地域が交互に現れるという感じ。そろそろ左手遠くにはシュヴァルツヴァルトのなだらかな山々が迫ってくるはずなのだが、この空模様の下では風景は白く煙りがちではっきりとはしない。

結局5分の遅れを引きずったままフライブルク中央駅(Freiburg (Breisgau) Hbf。HbfはHauptbahnhof=中央駅の略)に到着。オッフェンブルク~フライブルク間62kmをノンストップ30分で表定速度は124km/hと算出される。とりあえず今回はインテリアのチェックということで、後日の高速新線区間の試乗でICEのお手並み拝見といきたい。

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《(上2枚)フライブルク中央駅にて》

(2008.04.09)


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コメント

ついにドイツ突入ですねshine
ゲンゲンバッハは、私もchikoさん同様、時間があれば訪れてみたかったです。
フライブルクも、時間があれば訪れてみたかった都市!

なかなか日本語サイトでフライブルクやドナウエッシンゲンなどの
旅行記にはお目にかかれないですよね。ストラスブールの旅行記が
非常に読み応えがあって面白かったので、ドイツ編も期待しています!

こんばんは。やっと、とも言うべきかドイツ編に突入しました。ゲンゲンバッハは市庁舎を使った世界一大きなアドヴェント・カレンダーで有名ですが、日本では話題に上る機会もごく僅かで、たまたま愛読書で紹介されていて目を付けた町です。ゲンゲンバッハもそうなんですけど、行きたい所を全部周っていると1ヶ月あっても足りないので、今回は南ドイツに絞って一筆書きのコースで巡ってみることにしました。この先も日本語検索では殆ど出てこないような知られざる小都市が続々登場しますので、どうぞご期待くださいwink

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