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2009.01.24

ドイツ (1-3)フライブルク旧市街その1

私の宿泊するホテルは旧市街エリアの東の端にあり、すぐ裏手には丘が迫っている。フライブルクは夕景の美しい街としても知られているらしく、この丘の上から眺める夕暮れの街は絶品だというが、この今にも雲が丘を覆い隠してしまいそうな空模様の下では望むべくもなく・・・である。

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《Schuster Straße》

旧市街の東の入り口であるシュヴァーベン門(Schwabentor)にやって来た。かつて中世の時代、この街が北ヨーロッパの交易の十字路として栄えていた頃、塩の取引で巨万の富を築いたシュヴァーベン地方の商人が寄贈したものだとか。第二次世界大戦の終戦の少し前、この街はイギリス空軍による爆撃を受け旧市街は灰燼と帰したのだが、この門だけは破壊を乗り越えてここに立ち続けていたという。自由と繁栄、そしてそれを勝ち取るための不屈の精神。まさにこの街を象徴するかのような重厚な歴史を内に秘めたこの門だが、時計の下の2つの窓が目のようにも見えて、このとぼけた表情が妙に愛くるしく映る。

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《旧市街の中から眺めるシュヴァーベン門》

門の2つの開口部には1系統のトラムの線路がそれぞれ一本ずつ敷かれており、時折電車がスルスルと走ってきては旧市街の内外を行き来している。と同時に門から少し入った広場より先はトランジットモールとなっており、特別に許可された車以外は進入禁止となっている。現代でもこの門が一種の街の関所として機能しているわけだ。

シュヴァーベン門を背に、トラムの走るSalz Straße(ザルツ・シュトラーセ)を西へ。ずばり「塩の通り」と名付けられたこの通りは現代では商店街となっており、狭い通りに辛うじて敷かれた複線の線路をトラムの車両が窮屈そうに通過していく。フライブルクは14世紀から18世紀までハプスブルク家の支配下にあり、1770年、当時弱冠14歳のマリー・アントワネットがウィーンからパリへ嫁いで行く際にこの町に立ち寄ったそうだ。

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《シュヴァーベン門前の広場から。左の通りがSalz Straße、正面の塔は大聖堂の尖塔》

この町では優雅な家並みと共に、街を彩る美しい石畳も見もの。通りの商店の前にはその店の業種を視覚化したモザイク敷石のアートが施されている。当然時代が下ると共にテナントも次々と入れ替わるわけで、殆どの場合現状とは齟齬が生じているのだが、まぁそれはご愛嬌ということで。

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Salz Straßeから一歩入った裏通り。

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フライブルクではちょっと幅の広い通りになると、歩道と車道との間に「ベッヒレ」という水路が張り巡らされている。一見ドブのようにも見えるがそれはとんでもない誤解で、シュヴァルツヴァルトに源を発する清流をそのまま町に引き入れてきたもの。元々家畜の水飲み場や防火用水として使われていたものだが、現代ではもっぱら町に美観を添える役割である。恐らく夏になると町の気温を和らげる天然のクーラーとしても機能するのだろう。フライブルクは環境政策の先進性もさることながら、ドイツで「住んでみたい町ベスト10」のようなランキングを企画すると常に上位につける位に国内でも非常に人気の高い都市だというが、刺激には物足りないものの、確かにゆったりのんびりと暮らすのにはうってつけの町なのかもしれない。

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《右下の小川がベッヒレ》

大聖堂前の前の広場に出てきたところで時計に目をやると、午後1時をまわったところ。そろそろランチにしようと思い、広場に面したレストランの中からホテルが併設された『Oberkirchs Weinstuben』という店を選択。中へ一歩足を踏み入れるや否や、クラシカルで重厚なインテリアに一瞬圧倒されてしまった。とはいえ決して堅苦しい雰囲気でもなく、寧ろ家庭的な暖かみを醸す居心地のよさに満ちている。お昼時で混んでいたのでドイツ人の熟年夫婦のテーブルに相席させてもらったが、これまた「おしどり夫婦」という言葉がこれほど似合う夫婦もいないのではないかという仲睦まじさ。ドイツ人は日本人と並んで旅好きの国民として有名だが、何処へ行ってもドイツ人が夫婦で仲良く旅をしている光景によく出会う。定年まで馬車馬のように働かされ一週間程度の休暇さえもままならない日本では、子供優先という事情もありなかなか真似の出来ないライフスタイルなのかもしれないが、一度きりの人生、やはり人間らしく生きたいものである。

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《(上2枚)ランチコースのスープとメインディッシュ》

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《ビールの本場ドイツでは、アルコールに弱い人のためにノンアルコールビールも普及している》

のんびりと1時間程かけて昼食を楽しみ、お腹も気持ちも満たされたところで店を出ると、いよいよ雨は本降りと化していた。

次回は大聖堂からスタート。

(2008.04.09)



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