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2009.02.05

ドイツ (2-5)ドイツのディーゼルカー

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《ノイシュタット駅ホームにて》

ノイシュタット(Neustadt (Schwarzw) - 標高805m)は直訳すると「新しい町」となる通り、ほとんど普通名詞に近いありふれた地名。ドイツ全土には大小合わせて20のNeustadtが存在する為、DBの駅名にも重複(それも2,3個どころではなさそう)があるのだろう、後ろに括弧書きで「シュヴァルツヴァルトの」と記されている。

RE3213 Neustadt (Schwarzw)(12:32)→Donaueschingen(13:10)

ここから先は非電化区間となるので、ホーム向かい側に停車中の2両編成のディーゼルカーに乗り換え(接続時間は7分)。この車両、えらく上部が窄まっていて(前から見ると六角形)、妙なデザインだなぁと不思議がっていたのだが、その理由は程なく明らかとなる。

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フライブルクからここまで足を延ばす1時間に1本の列車は、深夜を除いて必ずこの非電化区間の列車に接続するダイヤが組まれているが、ティティゼーまでは30分間隔なので、ティティゼー~ノイシュタットの一駅間のみが1時間間隔で取り残された格好となっている。

この列車の種別は「RE」。これはRegionalExpress(レギオナルエクスプレス)の略称で、日本語訳すると「地域急行」。運行区間内に通過駅が存在し、特別料金は不要・・・ということでJRの快速に相当する種別なのだが、文字通りの各駅停車であるRBとは対照的に、2,3駅飛ばす程度の極めて各駅停車に近い列車から、ICE・ICに伍して都市間輸送の一角を担うスピード自慢の列車まで、ひとくくりにREと言ってもその性格は様々。一昔前まではInterRegio(インターレギオ)という、まさにJRの急行に相当する種別の列車が多数運行されていたそうだが、最近になってICへの格上げとREへの格下げによって整理され、殆ど消滅寸前なのだとか。日本の特急と快速への二本化と同じ経緯をここドイツも辿っているわけだ。

ダブルデッカーの4両編成から平屋の2両編成と収容力は半分以下となったが、車内は全員が余裕で着席出来る程度の乗車率。私も(今更遅いが)右の進行方向窓側の席を確保することが出来た。先程のダブルデッカー客車の座席は硬くて長時間の乗車には向いていなさそうだったが、こちらのディーゼルカーの座席はクッションが効いていて柔らかく、座り心地も上々である。

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エンジンが高鳴り、黒い森の更に奥地へ向けて出発。やはりディーゼルカーはより一層旅情を掻き立ててくれる。耳慣れない甲高いエンジン音を響かせながら、列車は再び谷筋へ。それにしても「黒い森」と呼ばれているからにはもっとモミの木の密度が高く黒々としているのでは・・・?と想像していたのだが、確かに針葉樹の比率は高いものの、これなら普通の日本の山林と然程変わらないかも、という印象を抱いた。線路の横には伐採された木材が無造作に積み上げられ、眼下の谷間には雪解け水で水量を増した小川が白く飛沫を上げながら流れている。民家もポツポツと建っており、スイスのような隅々まで人の手が入った自然、ということなのだろう。

次駅のRötenbach (Baden)までは谷に沿ってUの字を描く線形になっており、一直線に抜ける国道31号線とは道のりに大差が生じている。この間に途中駅は一つもなく、技術面あるいは費用面の制約による産物のようだ。

そういえば先程からカーブへ差し掛かる度に、振り子列車に乗っていて感じる頭がフワッと持っていかれるような感覚が。意識しているとやはりカーブで車体が内側に傾いているようだ。なるほど、車両の上部が窄まっていたのもトンネルなどの建築限界に抵触しないようにする為というわけか。日本の振り子車両といえばほぼ全てが特急型車両で、一般型車両ではJR北海道のキハ201系が唯一の存在なのだが、ドイツではREにも振り子車両が導入されているということで、なかなかスピードアップには熱心なようだ。座席の設計にもみられるように、比較的長距離の運用を想定しているのかも。

Rötenbach (Baden)からは開けた景色となり、鬱蒼とした森はぱったりと消え失せ、なだらかに起伏を繰り返す高原地帯を進んでいく。

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LöffingenとUnadingenの間ではまたしてもU字を描く線形が。この間にはBachheimという駅があるものの、この列車はUnadingenも含めて通過となる(ちなみにUnadingenはフライブルク地域交通連合(RVF)のゾーンの東端)。この無意味にカーブを繰り返す線形は、ドナウエッシンゲンへ向けて真っ直ぐに黒い森を貫いていく国道の前ではどうにも旗色が悪い。最新の土木技術と資金が惜しみなく投入される道路整備に対し、過去のインフラに頼らなくてはならないのが鉄道の泣き所で、日本のローカル線や亜幹線が抱える問題と全く同質のようである。

茫漠とした高原風景から次第に町の密度が濃くなってくると、ドナウエッシンゲンはすぐそこ。シュヴァルツヴァルト鉄道の線路と合流すると、13時10分、ドナウエッシンゲンに到着。私は一旦ここで途中下車することにする。フライブルクからはぴったり1時間半の旅だった。

(2008.04.10)


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