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2009.03.27

阪神なんば線に試乗しました・その5

13時20分発の快速急行に乗車します。使用車両は阪神1000系の6両編成。若干空席が残る程度の乗り具合で到着したため、下車客の多さもあり進行方向左側の座席を確保することが出来ました。ここで注目したいのが方向幕。阪神線内は種別のカラーが水色(そら色)で表示されていましたが、近鉄線内に入ると近鉄に準拠した赤へと変わります。どうやら桜川~大阪難波間の走行中に切り替えるようですね。

近鉄日本橋、大阪上本町(昨日に上本町駅から改称)と止まり、再び青空の下に出てくると程なく鶴橋に到着。大阪環状線との乗り換え駅であり、なんば線開通後も引き続き、阪急沿線やJR神戸・京都・福知山線方面から近鉄沿線への最短ルートの結節点としての機能を担うことになります。大阪線とも同じホームでの対面乗り換えが出来るので、電車が直通している奈良線だけでなく大阪線方面、さらには奈良県の近鉄ネットワーク全体に直通効果が波及していると言えるでしょう。

というわけで大阪難波駅に並んでどっと乗車があり、6両編成、しかも近鉄車より編成長の短い車内は真っ昼間とは思えないほどの混雑に。阪神⇔近鉄間の直通運転とは言っても、鶴橋からの乗客にとっては何の関係もないハナシで、精々「見慣れない車両が来て、しかもやたら混んでる」と思うのが関の山でしょう。

立ち客を満載した電車は鶴橋を出発。次は奈良県に入った生駒まで止まりません。種別は同じ快速急行でも、阪神線内では直通特急(特急)・急行・普通の10分サイクルにイレギュラーな形で割り込むルーキー。ちょっぴり肩身の狭い思いをして走り、先行列車に頭を押さえられて徐行する場面さえ見られましたが、こなた近鉄奈良線ではこの線のヌシとも言うべき実質的な最上位種別。他の列車に邪魔をされることもなく、そこのけそこのけ・・・てな感じで東大阪を貫く高架線をブンブン飛ばしていきます。

八戸ノ里を過ぎたあたりで線路は地上に降りますが、この先も2011年度の完成を目指して高架化工事がたけなわです。東花園駅は高校ラグビーの聖地である近鉄花園ラグビー場の最寄り駅。高校野球の聖地・甲子園と一本の線路で結ばれたのには、何やら運命的なものを感じずにはいられません。

瓢箪山を通過するといよいよ生駒の山越えが始まり、30~35パーミルの勾配で山裾を駆け上がっていきます。これまで地を這うばかりであった阪神電車が、100年間走り続けた大阪平野を長い歴史の中で初めて見下ろす瞬間です。

右カーブを切って石切駅を通過すると新生駒トンネルに突入。約3分間の闇の中で県境を越え、抜けた所が生駒駅です。終点奈良までお付き合いしてもよかったのですが、なんだか阪神電車で奈良県に入ったことで満足してしまい、車内の混雑からも逃れるためにここで見送ることにしました。

生駒駅で撮影した阪神1000系電車です。まだ二度目の乗車なので、阪神電車に乗っているという実感が薄いのが何とも。同じく近鉄乗り入れ対応車両である9000系ならば話も違ってきたのですが、そちらは主に区間準急などの下位種別で運用されるようです。

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ホーム向かい側から出発する三宮行きの快速急行で兵庫県へ帰ります。3分前に同じホームから普通電車が出るのですが、次発列車は発車案内に乗車目標が表示されないため、この普通電車が出発してからでないと並ぶ位置が分かりません(案の定普通の発車後にぞろぞろと列が・・・)。しかもフルカラーLEDにも拘らず○と△がオレンジ色の単色表示なので、赤と青の2種類がある印を取り違えるなどの混乱を招きかねません。利用客は地元の人間が大多数で慣れているだろうとはいえ、いくらなんでもこれは不親切に過ぎるのではないでしょうか。

近鉄1020系が6両編成で到着。帰宅後に写真を見て気付いたのですが、西九条で下車した電車が奈良で折り返してきたものでした。この電車も車内は大混雑。一番前で前面展望を眺めていたのですが、近鉄線内で完結する急行電車がすべて8両編成で運転されているのに対し、足の長い快速急行が6両とは・・・ この混雑も鶴橋、あるいは大阪難波までかと思いきや、解消しないどころか大阪難波でドドドドっと乗車があり、とうとう今日の試乗で最も混雑した列車に。新線開通・高校野球とイベントが重なったが故というのは理解できますが、何が悲しゅうて休日に人波に揉まれなければならないのでしょうか。

それでもなんだかんだで前面展望を堪能し、尼崎で下車。近鉄車が三宮行きの方向幕を表示している場面を是非ともデジカメに収めたかったのですが、ここ尼崎の停車中に無事押さえる事ができました。

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梅田に用事があったので、西宮始発の本線急行に乗車。なんば線の賑わいが嘘のように落ち着いた車内でホッと一息つき、今回の試乗を終えました。

昨年から今年にかけて関西では新線の開業が相次ぎましたが、新大阪~放出間の開業後に本領を発揮すると思われるJRおおさか東線、そして中之島再開発事業の先行投資的な京阪中之島線とは対照的に、阪神なんば線はそれこそ「即戦力」ともいえる華々しいスタートを切りました。開業日の3月20日というのは高校野球のスケジュールに合わせたことは明らかで、目論見どおり大阪東部や奈良県方面からの潜在需要を掘り起こし、観客輸送に沸いていた様子が尚更その印象を強くしたようです。

その一方で気になったのが輸送力不足。尼崎以西ではホーム長の関係から6両編成を超える列車は入線できないのですが、尼崎駅での増解結作業を嫌ってか、多くの列車が全区間6両編成のままで運転されていました。平日の様子はまだ見ていないので何とも言えないのですが、土・日・祝日は奈良線の快速急行・急行電車は8両編成での運転が常態化しており、実際それだけの長編成が必要な位によく乗っています。増解結作業はダイヤの乱れの原因にもなり、省けるものならなるべく省きたいという考えも一理あるのですが、利便性を高めるはずの直通運転が従来の利用者に不便を強いるような事になっては本末転倒もいいとこ。若干所要時間が延びるようなことになっても、尼崎駅での増解結作業を前提としたゆとりを持たせたダイヤに再編成して欲しいと思います。

快速急行のスピードについてですが、近鉄線区間は申し分ないですね。しかし尼崎以西から奈良県方面へ直通するとなると、最低でも西九条~鶴橋間、平日の昼間に至っては尼崎~鶴橋間の13駅が各駅停車となるわけで、JR東西線の尼崎~京橋間(8駅)でさえ長いと感じるのに、これはそろそろ苦痛を感じ始めるレベルかもしれません。本線に入っても尼崎~三宮間は6駅停車で25分という、お世辞にも速いとは言えないスピード。ただ、出来るだけ多くの駅で直通効果を享受できるようにという考えならば、いたずらに停車駅を減らすことは得策ではありません(本来は御影駅も停車駅にしたかったはず)。第一、幾つか停車駅を削ったところで時間短縮はせいぜい5~10分程度と思われるので、最大利益という観点ではこのダイヤも限りなく完成形に近いのではないでしょうか。従来の遠距離優等・近距離優等・各駅停車の三本体制を崩さずに(これ以上増やすのは線路容量からして不可能でしょう)新たなパターンをねじ込んだわけで、落とし所としてはなかなかのものだと思います。
(ちなみにJRも神戸線~東西線~学研都市線~おおさか東線~大和路線というルートで今すぐにでも三ノ宮~奈良間の直通列車を設定できるのですが、今年の春の改正ではなにも手を打って来なかったですね。従って今のところ快速急行がスピードアップに迫られる必然性はないわけです)

毎時平日6本、土・日・祝日9本(いずれも昼間時)でスタートしたなんば線ですが、順調に利用が増えていけばそう遠くないうちに新たな展開も期待できるでしょう。ファンならばやはり姫路~名古屋や姫路~伊勢志摩を直通する特急列車の運行を待ちわびてしまいますが、まずは何よりも地域の足として愛される存在になることが肝要。私は北阪神地域の住民なので、例によって日常的に利用する機会があまり無さそうなのが残念ですが、近年のJRの攻勢の前にいまひとつ元気のない関西私鉄が一矢報いる大チャンスでもあり、ワクワクしながら今後の発展を祈りたいと思います。

(2009.03.21)

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コメント

乗車及び記事作成お疲れ様です。
初っ端からなかなか華々しい直通運転が行われている様子がよくわかりました。
直通6連と平日の尼崎~鶴橋間(特に尼崎~西九条など)連続停車はやや残念にも感じましたが
量が減少するであろう将来や投資の抑制を考慮すると停車駅は多め、両数は少なめにせざるを得ないのでしょうね。

こんばんは。
車両規格を揃えない相互直通運転、尼崎駅での頻繁な増解結・・・と、鉄道趣味的には大変面白く映るのですが、それだけに現場の苦労は相当なもののようです。今のところは若干混乱気味ですが、そのうち慣れて落ち着いて来る頃にもう一度様子を見に行ってもいいなと考えています。

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