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2009.10.17

四国62h (0)船上の一夜

夜も更けた午後11時半、ミント神戸1Fの三宮バスターミナル。三連休を前にした週末の夜、主に西日本各地へ夜行バスで向かう人々で、決して広いとはいえないターミナル内は賑わっている。私はというと自宅から駅、そして阪急三宮駅からここまでの僅かな間に既にうっすらと汗が滲み出て、「熱帯夜」という言葉の意味を身を持って感じている次第。自宅を出る前にひとっ風呂浴びてきたとはいえ、改めてシャワーで汗を流したい気分である。

さて、ジャンボフェリーが出発する埠頭へはここから連絡バスに乗車することになる。三宮駅前からはフラワーロードをまっすぐ南下し、神戸税関の横を抜けたすぐ先にあるので歩いてでも行けない距離ではないが、多少ではあるが荷物もあることだし、ここはバスのお世話になることにする。発車バースは四国方面行きの高速バスと共用しており、「四国行きのバス」と「四国行きのフェリーの連絡バス」とが同じ場所から出るというややこしい事になっている。運賃は200円で後払い。

屋根のかかったバスターミナルを出ると雨粒がポツポツと窓を濡らし、ここまでの間に降られなくて良かったとホッとすると同時に、この先の天気のことに想いを巡らす。もっともこれは只の取り越し苦労であり、旅行中は終始灼熱の太陽に晒される事になるのだが。バスターミナルから埠頭へはものの5分程度で到着し、普段海上交通に親しむ機会が無い為に実感はあまり伴わないのだが、やはり神戸は港町なのだと認識を新たにする。

埠頭の旅客ターミナルはまるでプレハブのような簡素な造りだった。ここの窓口で「ジャンボフェリー+フットバス 共通利用券」なる3枚綴りのきっぷを購入。1枚でフェリー、2枚で高速バスの利用券となるという、至ってシンプルな仕組みである。値段は失念したが2009年10月現在は4,440円で、当時もその誤差の範囲だったはず。乗船名簿を提出するようになっており、やはりこういう慣れない“儀式”を経ると、心なしか身も引き締まる思いである。

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《三宮埠頭・チケット窓口》

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《共通利用券》

手続きを済ませた後は、待合室にて乗船開始を待つ。フェリーといえば長距離トラックの利用が主で、あまり客層が良くないというイメージだったのだが、今日は週末だけあり旅行者を中心に老若男女満遍なく揃い、子供連れも多く見られる。さすがに空港とは似ても似つかぬ庶民的な雰囲気ではあるが、ガイドブックを広げてうどん行脚の計画を練る旅行者など、旅立ちの期待感に満ちた浮ついた空気は一緒である。

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ジャンボフェリー 神戸(00:30)→高松(04:10) ※30分遅れ

日付が変わった午前0時頃、乗船開始。入り口で待ち構えるモギリのおばちゃんに共通利用券の券片を一枚渡し、船内へ足を踏み入れる。三宮駅前からの連絡バスは11時半と0時の2便が運行されており(現在は23:30に一本化/フェリーの出発時刻も0:55に変更)、もちろんどちらの便を利用してもフェリーには確実に乗船できるのだが、夜行便ということで船室で横になるスペースを確保する為には11時半の便が実質的に唯一の選択肢となる。案の定、遅れてやって来たとおぼしき乗客が廊下で横になっている様子を翌朝見かけたので、この判断は正しかったようだ。私も大部屋の片隅のスペースを無事占拠。

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《船室内》

フェリーとはいえ高松までの所要時間は3時間40分で、少しでも睡眠時間を確保するために出航を待たずして目を閉じる。アイマスクと耳栓で遮光・遮音は万全のはずだったのだが、カーペットに直に寝転がるとエンジンの振動がダイレクトに響いてくる。緊張感もあってかそう簡単には眠りには就けないもので、しばらくしてアイマスクを上げると全く気がつかない間に船は出港し、神戸の沖合いを西に針路を取っていた。

出航してだいぶ経ってからもざわついていてイマイチ落ち着かなかったが、それでも何時しか夢の中へ。どうにか一眠りしポケットに突っ込んであった携帯電話で時刻を確かめると…

4時20分。

んは~!? とうに到着時刻を過ぎてるじゃん。にも拘らず窓から外を覗き込めば、ポツポツと見える陸地の灯りがゆっくりと流れているではないか。この真相は間髪をいれずに流れた船内アナウンスで明らかに…

「潮流の影響のため、高松港には若干遅れて到着いたします。」

なるほどね。“潮流”を“気流”に置き換えれば飛行機でも通用しそうな文言だが、この潮流による遅れは珍しいものではないらしく、それならば飛行機に倣って最初から時刻表に織り込んでもらった方が、旅行計画を立てる身としては助かるのだが。今回は高松到着後のスケジュールが詰まっていないのが幸いである。

そんなわけで着岸までに余裕が出来たので、トイレに行くついでに少しだけ船内を探検。さすがに4時間弱では睡眠を取るには十分とは言えず、何とも気だるい空気に満ち満ちている。そして唐突に「♪風が恋を運ぶ~、海を遠く渡り~」と流れ出すジャンボフェリーのテーマソング。なんということはない昭和の歌謡曲調の歌なのだが、妙に耳にこびり付く曲である。

夏の夜明けは早く、目覚めた時には漆黒の闇の中だったが、着岸する頃には空は山影がはっきりと確認できるほどの濃紺に。かすかにオレンジも交ざり始めている。

午前4時40分、予定よりも約30分遅れで高松港に到着。連絡バスに乗り継いでJR高松駅へ移動する。

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《名前はジャンボフェリーですが、船体はそれほどジャンボというわけでもなく》

(2008.07.18~19)


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