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2009.11.29

四国62h (3-8)四国縦断特急リレー(アンカー編)

特急剣山8号 阿波池田(13:34) → 穴吹(14:06)

《剣山8号》に使用される車両はキハ185系。国鉄民営化直前の1986年に導入された車両で、車内の艤装にバスと共通の部品を使用したりと徹底的なコスト削減を図っているが、その一方で投入当初から普通車でもフリーストップリクライニングシートを採用するなど、JR化後の飛躍的なアコモデーション改善への先鞭をつけた形式とも呼べる。「剣山」は全区間徳島県内を走るローカル特急で、運転間隔も2~3時間に一本のペース。徳島線はJR化後も結構長い期間、「よしの川」という急行列車が一大勢力を維持していた路線でもある。かつては「しおかぜ」や「南風」として四国全土を駆け巡っていたキハ185系だが、2000系の登場後は急速に活躍の場を縮小し、今では特急運用としてはここ徳島線と牟岐線、そして高徳線のごく一部に残っているのみ。余剰車は九州に渡って第二の人生を歩み始めたり、島内に残った車両も一部が普通列車用に格下げになったりと、登場後20余年という鉄道車両としては決して長いとはいえないライフサイクルの中で、何かと数奇な運命を辿る兄弟の多い形式である。

さて、この列車は2度目の邂逅となってしまったアンパンマン列車。2000系の方はフツーに特急列車の一員として運用に混じって運転される列車であるが、キハ185系は土・日・祝日や学休期間中に通常編成に増結という形で連結されるバージョン。従って当該車両以外はカラーリングもノーマルなのだが、ヘッドマークはアンパンマンが描かれた専用のものに交換されるという結構手の込んだ仕様となっている。

で、こちらがその増結車両の車内。指定席区画とプレイルームに半室ずつ分かれており、下の写真はプレイルームである。揺れる車内でも子供が体をぶつけないように角という角、壁という壁にクッションが設置されており、もし誰も居なければ私も童心に返って「ビヨーン」とクッションに体当たりしてみたいところだ(笑)。

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そしてこちらが指定席区画。さしずめ保護者の控え室といった趣ではあるが、それでも室内はアンパンマン一色である。定員は20名(横4名×5列)となっており、実はココ、元グリーン席区画を転用したもの。シートピッチはグリーン席時代そのままの1,160mmが確保されていて、車番もキロハのまま。とはいえ、室内には耳にタコができそうなほどに延々と音楽が流れているので、大の大人にとっては「乗り得車両」ならぬ「乗り毒車両」なわけだが…。

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プレイルームはこの車両の指定席利用者しか立ち入ることが出来ず、私が座った1号車の指定席では「アンパンマンカー」の席が取れなかった子供が「あ゛ーーんばーーんまーーーん!!!」と泣き喚いていた。あの狭いプレイルームに何十人も押しかけてはエラいことになるわけである意味当然の措置ではあるが、実際にアンパンマンカーを目の前にしてこの仕打ちとは、確かに子供のトラウマにもなりかねない事ではある。それにしてもアンパンマンのアニメが放映開始されたのが私が幼稚園年長だった1988年だから、かれこれ20年。もう既に親子二代で親しんでいてもおかしくないわけである(私自身は諸事情あって子供を持つつもりはありませんが)。

こちらは一転して落ち着いた雰囲気の1号車。この列車には「アンパンマンカー」以外にも指定席が設置されており、私も一応無料なので席を押さえておいたのだが、車両前寄りの12番から15番の16席がブルーの枕カバーで区別されているだけ。車内はガラガラなので敢えて詰めて座ることもないと思い、権利を放棄して後方部の空席に腰掛けた。先の子供も今日は空いているので、お目こぼしというわけでも無かろうがどうやら目出度くプレイルームに収まったようである。

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私のような生来の乗り鉄にとって、アンパンマンに現を抜かして車窓にろくに目を向けないとは、子供相手とはいえ神をも畏れぬ冒涜行為であると指弾したくもなるが、まあそれはそれとして。徳島線は全区間で吉野川の右岸沿いに走るため、徳島方面へ向かう際には進行方向左側を確保するとよい。悠々と流れる四国きっての大河・吉野川をトレースする旅路は、スペクタクルこそ無くとも情趣に富んだ車窓であることは疑いない所であるが、沿線には2000年に全通した徳島自動車道が完全に並行し、徳島線も高速化工事で対抗してはいるものの、やはり自動車交通のネットワークにはとても歯が立たないのが現実。徳島都市圏の近郊輸送こそ堅調なものの、長距離輸送を担っていた時代の輝きを今一度…というのがファンとしての偽らざる気持ちである。

東みよし町の中心駅である阿波加茂、続いてつるぎ町の中心駅かつ、列車の愛称に採られている四国第二の高峰・剣山(標高1,955m)の登山口である貞光――とほぼ10分おきに停まり、阿波池田から32分で下車駅の穴吹に到着。松山から3時間46分、流石にひと旅終えたという肩の荷が下りたような感情が微かに湧き上がって来たのだった。

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《(上2枚)アンパンマンカー・外観》

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《穴吹駅を出発する<剣山8号>》

(2008.07.21)


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