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2012.02.09

タイ (2-4)ワット・アルンにて

ワット・ポーを後に、チャオプラヤー川の対岸にあるワット・アルン(Wat Arun)へ向かう。向こう岸へ渡る渡し船の乗り場はエクスプレス・ボートの船着場に隣接しており、船賃はたったの3B(8円)。こちら側の船着場に窓口があり、行きも帰りもこちらで船賃を支払うことになる。

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《渡し船の船内の様子》

特に~分間隔といったダイヤが設定されているわけではなく、ある程度乗客が集まったところで出発するようだ。今回は着岸から5分弱で出発。向こう岸までの所要時間は3分程で、ワット・アルンの仏塔がぐんぐんと近づいてくる。

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ワット・アルンの入り口へはこれまた船着場からすぐであるが、この僅かな距離の参道には悪名高き“詐欺師”がいる。というのも日本でもよく見掛ける、ボードの顔の部分をくり抜いた記念撮影用の書き割りが多数置かれており、下の隅の方に目立たない大きさで「40B」と書かれている。これに気付かずうっかり使ってしまうと、どこからともなく人がやって来て使用料を徴収される…という手口である。よほど被害者が多いのか『地球の歩き方』にも写真つきで警告があるのだが、丁度目の前で西洋人のカップルが嬉々として写真撮影を行う所を目撃。「あ~、やっちゃったな~」と思っていたら、狙いすましたようにバアさんがつかつかとやって来て、「フォーティーバーツ!!」。そしてポカンとするカップル。まったく、事も有ろうにお寺の真ん前でこんな詐欺行為を平然と行うなんて、何と罰当たりな。

アンタ、いい死に方しないよ…と蔑みつつ、寺の入り口へ。両脇を固めるのは「ヤック」というインド神話由来の鬼神(夜叉)で、日本では金剛力士像に相当する守り神。金剛力士の方は恐ろしい表情をしているが、こちらの風貌はどことなくユーモラスである。入場料はこちらも50B。

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《ワット・アルンの入場券。50Bahtの「0」の部分は、このワット・アルンの仏塔がデザインされている10バーツ硬貨》

仏塔へ向かう前に、お堂の中をのぞいてみる。ワット・ポーでも見てきたような外観の煌びやかさは勿論の事、内部もまたカラフルな壁画が描かれていたり、シャンデリアが幾つもぶら下がっていたりと、日本の寺院とのイメージの落差に愕然としてしまう。

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そしてこのお寺の目玉である大仏塔へ。高さは75m、19世紀前半に建立されて以来、チャオプラヤー川を行き交う王族や市民、商人や旅人たちを見守ってきた、バンコクのシンボル的存在である。この寺の英名は「Temple of Dawn」、三島由紀夫の小説『豊饒の海』の第三部の舞台ともなり、タイトルにその「暁の寺」が採られている。

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この大仏塔には中腹まで登れるようになっているのだが、階段が垂直に近いほどの急勾配。高所恐怖症でなくともスリリングではあるが、登山家が「そこに山があるから登る」のと同様に、旅人ならば階段があれば登らないわけにはいかないのである。

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恐怖との戦いに打ち勝ち(オーバー)、展望台からチャオプラヤー川沿いの景色を眺める。あの茶色く濁った川も、快晴の夏空の下ではなんと見栄えのすることか。そして南方向の高層ビル群の中からまたしてもルブアを発見し、悦に入るのであった。

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この塔に登ったのならば、景色だけではなく表面を彩る陶片による装飾にも注目したい。

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仏塔にはまた無数の小さな鐘(鈴)が取り付けられていて、耳を澄ませばそよ風を受けて絶えずシャランシャランと音を立てている。タイにも風鈴に似たものがあるそうで、このような音を愛でるような文化は西洋人には理解し難いかもしれないが、この感覚はやはり同じアジアの仲間である。

こちらの敷地はワット・ポーほど広くはなく、1時間足らずで隅から隅まで歩き終えてしまう。至近距離で眺めたり展望台からの眺望を楽しむのも良いが、やはり大仏塔は川を渡る船の上から眺める姿が最も美しいのかもしれない。

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プミポン国王の肖像画がここにも。バックには花火が上がってます。

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「見ざる」「言わざる」「聞かざる」。こっちにもあるんですねえ。

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ちょいと歩き足りないので、敷地を出て寺周辺を少し散策。チャオプラヤー川の西岸一帯はトンブリー地区と呼ばれ、18世紀にアユタヤから遷都した王朝が最初に都を置いたのがこの地区。かつてバンコク中に張り巡らされていた運河や水路は殆どが埋め立てられてしまったが、こちらの西岸地区にはまだ嘗ての名残が色濃く残っているという。

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再び渡し船に乗り、東岸側へ戻ってきた。時刻は午後1時半、いくら朝食バイキングをたっぷり堪能したとはいえ、そろそろお腹も空いてくる。船着場には食堂があり、英語メニューも用意されていたのでふらっと入ってみた。

タイ風の焼きそば(50B)とドリンク(スプライト/20B)を注文。デフォルトではかなり薄味なのだが、ナンプラーや酢、塩、唐辛子といった調味料がついてくるのでこれで調節してみると、驚くほどに美味い!! 様々な風味が混ざり合い、日本のソース焼きそばとは格が違うという感じである。黙ってても客が入りそうな立地ではあるが、期待していなかった分、味のレベルにびっくり。対岸にワット・アルンの大仏塔を望むロケーションも二重丸である。もう一度食べに行きたいなぁ。

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さて、今日この後の予定をガイドブックをめくりながら考える。王宮エリアの観光ポイントとしてはワット・プラケオ(エメラルド寺院)&王宮という大物が控えているが、なんでも外国人の入場料が400B(1000円)という、タイの物価からするととんでもないボッタクリ価格らしい(京都の寺でもこんなに取らないよ!)。しかも当のタイ人は無料で入場できるらしく、あまりに外国人をナメた態度に行く気を無くしてしまう。とはいえそれ以前にキンキラキンの寺はもういいよと早くも食傷気味になっていたのと、ツーリストの顔、特に西洋人のそれを見るのもいい加減にうんざりしてきたため、ワット・アルンの観光を終えた時点で既に方針は決まっていた。

というわけでメジャーな観光スポットに背を向け、王宮地区の東側、バンコクの旧市街と呼ばれる地区を適当に散策することにする。いよいよ私の天邪鬼精神の本領発揮といったところだ。

(2011.12.10)


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