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2012.07.11

シンガポール (1-1)とりあえず、フィニッシュ

さて、今回の旅の最終目的地であるシンガポール。ここまでの文中でチラッと触れた通り、私は10年前に飛行機の乗り継ぎついでに2日間滞在した履歴がある。この時は未成年、そして生涯で3度目の海外旅行ということもあり、まだまだ見る物全てが新鮮だったのだが、その頃の私でも「街並みは綺麗だけど無味無臭でつまらない」と感じ、帰りの機中で恐らくもう二度と来ないだろうな、と考えていた。今回にしても自分の中ではバンコクからの鉄道の旅の終着駅としてのみの存在意義であって、KLからの列車に乗り損なった時点で訪問する動機が完全に消滅してしまったのだが、ホテルを予約してあるし日本へ帰る飛行機もシンガポール発だし…、と、この上なく消極的な理由でもっての再訪となったのだった。一応ひとつだけ明確な目的があることはあるのだが、当時よりも感性は鋭くなっているとはいえ(一般的には思春期前後が最も多感な時期というのが通念ではありますが、私の場合は年を経る毎に感情の振り幅が大きくなっているように思えます)、今回もまたきっとその印象は覆ることはなく、度々「つまんねぇー」と独りごちながら歩く自分の姿が瞼に浮かぶようである。

「麻薬の持ち込みは極刑に処す」と赤文字で大書きされたおどろおどろしい入国カードを手に、イミグレーションへ。記入欄の滞在先には今夜宿泊するホテル名を書いたのだが、『Goodwood Park』という文字を見て、「これ、ホテルですよね?」と想定外の質問。シンガポーリアンならば誰でも知っている、この国を代表する名門ホテルなのだが、まさか公園に野宿するわけでもあるまいて。そんな彼は私に確認を取った上で、わざわざ後ろにHotelと書き足したのだった。

イミグレーションの列に10分弱並んでいたためか、バゲージクレームへ荷物のピックアップに向かうと、既に数個の荷物を残すのみ。私の愛しいキャスターバッグも孤独かつ健気にクルクルと回っていた。ターミナル1から都心方面行きの地下鉄の駅があるターミナル3へ、「Skytrain」という新交通システムで移動(運賃は無料)。ターミナルビル内にはKLIAと異なり随所にクリスマスデコレーションが施されており、やはりイスラム圏とは明らかに雰囲気が異なるようだ。
(KLIAはLCC-Tを利用したので、メインターミナルにはそれなりに飾り付けがあるのかもしれませんが)

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《ターミナル3にて》

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《地下鉄駅入り口》

シンガポールの地下鉄はMRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれている。前回の旅で使い残した60シンガポール・ドル(以下、単純にドルと記述します)ほどの紙幣を持参してきたので、空港で両替はせずにそのまま街へ向かうことにした。ホテル最寄りのオーチャード(Orchard)駅までの切符を購入し、プラットホームへ。近未来的というか、かなり凝った壮大なデザインのホームである。

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《MRTチャンギ空港駅・プラットホーム》

電車は空港敷地内を地下線で抜け、次のエキスポ駅付近からは高架線に。その次のタナ・メラ(Tanah Merah)駅で都心方面行きの電車へ乗り換えとなる。チャンギ空港~タナ・メラ間は東西線(East West Line)の支線となっており、現在は支線内の折り返し列車のみの運転となっているとのこと。

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《タナ・メラ駅 ホームにて》

やや混雑した電車に乗って西進。高架上からは国じゅう何処を切り取っても同じような、整然とした街並みが眺められる。このMRT、10代~20代前半の方はご存じないかもしれないが、20年ほど前、明電舎のTVCMで沖縄の由布島(浅瀬を水牛車で渡る風景が有名)と共に映像が頻繁に流されていたのが懐かしい。私の好きな数少ない著名人である逸見政孝さんがまだご存命の頃で、あの時代のクイズ番組は本当に楽しかったよねぇ…。今じゃ地上波のラインナップを見るにつけ、一億総白痴化も極まれり、というところですが。

再び地下へ潜り、シティ・ホール(City Hall)駅で南北線(North South Line)に乗り換え。ラインカラーは赤で、東京メトロや大阪市交のように最初期に開通した最重要路線に充てられている。4駅で下車駅のオーチャードに到着し地上へ出ると、小降りながらも雨が来ていた。巧みに屋根の下に陣取りながら歩道を進んでいき、途中のショッピングセンター内の両替所で80ドル分を両替しておく。レートは1シンガポール・ドル=62円。

更にスコッツ・ロード(Scotts Road)を北上していき、駅からきびきび歩けば5~6分程度だろうか、今宵の宿となるグッドウッド・パーク・ホテル(Goodwood Park Hotel)に到着。シンガポールを代表するコロニアルホテルで、圧倒的な知名度を誇るラッフルズ・ホテル(Raffles Hotel)に比べればやや影が薄いものの、その伝統と格式では決して劣るものではない。このホテルのシンボルであるとんがり屋根をもつタワー・ウイングは、ライン川沿いの古城をイメージしているのだとか。

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《グッドウッド・パーク・ホテル タワー・ウイング外観》

タワー・ウイングの奥の建物にあるメインロビーでチェックイン。MRTの駅から歩いて来る宿泊客はあまり居ないような気がするが、私は永遠のバジェット・トラベラーなので。

明るくて気さくなベルマンさんに、館内のガイドを兼ねて部屋へと案内してもらう。大きく3つの建物に分かれる館内のうち、最も北側に位置する「メイフェア・ウイング」の2階にあるツインルームだ。「長期滞在されるのですか?」などと聞かれてしまい、即座にいや1泊だけと答えつつ、「破産してまうわ!」と心の中でツッコんだのは秘密である。

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《(上2枚)メイフェア・ウイング 462号室》

この部屋はモダンな内装だが、他にプールのある中庭に面した部屋もあり、そちらは100年以上前の開業当初を髣髴とさせるクラシカルなインテリア。私もそちらの方が良かったのだが、格安プランなので仕方ないか。格安とはいってもクラスがクラスなのでそれなりに値段は張るのだが、元々シンガポールのホテルは非常に高めで、今回は長い旅の締めくくりということで思い切って選んでみたのだった。ベルマンさんが去った後に部屋でくつろいでいると、朝からハプニングに次ぐハプニングに襲われた一日の緊張がみるみるうちにほぐれていくのが実感できる。もうマレー鉄道のことなんかどうでもいいやーい。

ベランダから見えるのは下の写真のような風景。オーチャードは「シンガポールの銀座」とも称される繁華街で、このホテルもその中心に位置するのだが、6haにも及ぶ広大なガーデンの真ん中に立っているだけあり、窓を開けても大通りの騒音は僅か。鳥のさえずる声が聞こえてくるばかりの、立地からは信じられない静寂の中である。国土の狭いシンガポール、しかも市の中心部で3階建ての低層建築というのも、贅沢な土地の使い方だ。

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ゆったりとした部屋ではあるが、まだ明るいうちから中でじっとしているのは性に合わない。少し休憩したのち、早速街なかへと出掛けることにした。

(2011.12.16)

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コメント

シンガポール、一回行った時を思い出しましたが、ずいぶん変わってるんでしょうね。

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