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2013.04.07

『KIRINJI TOUR 2013(Zepp Namba)』に行ってきました

4月5日金曜日、大阪のZepp Nambaで開催されたキリンジのコンサートを観に行ってきました。デビュー当初の初期からCDでは結構ちょくちょく聴いていたのですが、実はキリンジのみならず、ポップスのコンサートに行くというのは今回が初めて(ウチの家庭は気持ちだけハイソサエティだったので、クラシックのコンサートは何度かあるのですが)。人が高密度に集まる場所は苦手だからなのですが、弟の泰行さんが脱退されるとのことで、「孤高のポップス職人」「邦楽界の良心」とも形容したくなるような2人編成のキリンジを生で体験できるのは最後のチャンスということで思い切って。先週のアイドルの握手会共々、二週続けての「初体験」となりました。

開演が18時30分、開場はその30分前の18時だったので、それまでなんばパークスをうろついたり軽く食事を摂っておいたりし、Zepp Nambaには17時40分頃に到着。既にかなりの入場待ちの列が出来ていましたが、客層をざっと観察したところ、さすがに高齢者は少ないものの20代から50代まで、ごくごくノーマルな風采も含めて日本の人口構成の縮図のような感じ。小学生くらいの子供もちらほら見掛けます。情操教育にもぜひぜひキリンジを!

チケットのモギリとドリンク引き換え用のコイン購入(別途500円)を経て、ロビー内へ(手荷物チェックはなし)。終演後は混雑するので先にドリンクの引き換えを済ませることにしますが、残念ながらカクテルがなかったため、ジンジャーエールをチョイス。ペットボトルを首からぶら下げるためのドリンクストラップが付いてきますが、今回のライブは全席指定で激しい内容でもないため、そのまま鞄の中へしまいます。ロビー内にも行列が出来ていたので何だろうと思ったのですが、どうやらツアーグッズの販売コーナーのよう。今治タオルとコラボした特製タオルハンカチは早々に売り切れていたようです。

開演まで10分を切ったところでホールに入ります。1階席は基本スタンディング用に設計されているため、傾斜はなくステージは前の人の頭越しにギリギリ見えるくらいですが、始まってしまえばどうせみんな立つのであまり関係なかったです。今回の席はほとんど最後列に近い場所でしたが、位置はほぼセンター。ステージ全体が見渡せますし2階の最前列よりは近いので、まぁそこそこのポジションじゃないでしょうか。チケットは即日SOLD OUTだったようですし(私はプレイガイドの先行予約で取りました)、行けるだけでもありがたや、ってことで。N列以降は前方ブロックよりも一段高くなっているので、N列に当たった人はラッキーでしたね。

<以降、内容に言及した記述があります>




















18時30分から10分ほど押して、いよいよ開演。3時間以上の長丁場になると聞いているので、朝から水分断ちして準備は万端です。

キリンジの堀込兄弟率いるバンドメンバーが万雷の拍手とともに登場し、一曲目の「グッデイ・グッバイ」のイントロが始まったところで客席全員が一斉にスタンドアップ。私の左が空席なので、空間をノビノビ使えて良いです。バンドは弟の泰行さん・兄の高樹さん含めて6人の比較的シンプルな構成ですが、多種多様な楽器が登場して決して飽きさせることはありませんでした。泰行さんの声は音程が不安定な時がしばしばあると耳にしていたのですが、今日聴いた限りでは全く危なっかしいところはなく、あの決して派手ではないけれども優しく包み込んでくれるような歌声を生で存分に堪能させていただきました。2曲目・3曲目は「双子座グラフィティ」「風を撃て」と初期のシングル曲が続き、一気に会場のエンジンがかかります。

メモを取っていたわけではないので、これ以降も含めて間違っていたら申し訳ないのですが、この辺りで最初のMC。泰行さんの歓迎のご挨拶に続き、「今日は椅子がありますので疲れたら座っていただいて。リラックスして楽しんで下さい」と。ホスト直々にこう言ってもらえると気が楽ですね。去る2月の神戸公演がオールスタンディングだったので大阪とどっちにしようか迷ったのですが、結果的にはコチラの方が断然良かったです。ライブ初心者がいきなりスタンディングはキツいですし。

ここからは流れを無視した雑感、ということで。ちょくちょく挿入されるMCですが、客席を煽るなんてことは一切ない、終始まったりとしたユルいトークがなかなか面白かったです。覚えている範囲でダイジェストにすると、

●コンサートが始まって間もなく、さっそくカーディガンを着用する泰行さん。空調の調節って難しいよね、という話題になり、鹿児島の公演で風が高樹さんをピンポイントで直撃していたというエピソードを。「空調にうるさいキリンジ」ということで、なぜかメーカーのダイキンまで槍玉に挙げられ?たり(笑)。

●本番前に炭水化物中心の食事を摂ったという泰行さん。ケータリングがあるのに、サイドメニュー?として学生が好むようなBIGカップヌードルを食ったのだとか。スポーツマンみたいに、という喩えに対し、「あれ、今はスポーツマンとは言わない?」「アスリートか」と、呼称についての議論に。まあ、今はスポーツマンタイプみたいな紋切り型の人物像・理想像を公言するような人自体があまり居ないような気がしますが。

●トーク中に手前左のサポートメンバーの方(田村玄一さん、だったかな)が勝手にアコギでBGMを奏で出し、「それ要らないから!気が散る!」と兄弟に揃って突っ込まれたり。他にも腰掛けているスツールをクルクルと回して高樹さんに「(ギターに繋いでいるコードの)断線の原因になりますから」と叱られたり、演奏中にコッソリ腰を振り出したりと、とてもお茶目でステキな方でした。

●高樹さんだったか泰行さんだったか、シャワートイレ(ウォシュレット)の操作パネルに付いている時計の必要性についてツッコミを。そして返す刀でシャワーの「強」モードの必要性についても。確かに私も「中」以上のモードを使ったことはありませんねー。しいて考えるとすれば、こっそり強にしておいて痔の人がトラップに引っ掛かり、中から慟哭が聞こえてくるのを待つとか(悪魔)。

●今回のツアー中、北海道で大雪に遭遇し、高速が通行止めになって下道を延々と走ったり、列車が間引き運転されて予約していた列車に乗れなくなったり…という災難が降りかかったそうな。そういえば私も、同じく北海道で大雪のために列車のダイヤがグチャグチャになり、大混雑した列車に乗り合わせるハメになった経験が。本来、指定席車には当該列車の指定券を所持していない人は立ち入ってはいけないのですが、あのカオス状態では流石に杓子定規に規則を適用するわけにはいきませんからね。そして帰りの飛行機もとんでもなく揺れて、サポートメンバーの方の一人が周囲の人間まで恐怖のどん底に陥れるほどの、尋常じゃない怯え方をしていたとか(笑)。奇しくもこの記事を書いている今、“爆弾低気圧”が日本列島を直撃中なのですが、大阪から福岡への移動と公演、果たして無事なのでしょうか?

●プログラムの途中でダブルネックのギターに持ち替えた高樹さん。事務所のスタッフに薦められたそうで、「これ、いいでしょ?」と自慢するのですが、その薦められた理由というのが「体が大きいから」というもの。お前キーパーやれよ、みたいなノリとは言い得て妙です。まるでオモチャを買ってもらった子供のように嬉々として操作の仕方を説明しだし、ロックヲタクっぷりを披瀝するお兄さん。とはいえ音楽に限らずどんな分野でも、ヲタクだからこそその道を極めて第一人者になれるんですよね。日本ほど本来の意味での“個性”に対する風当たりが強い国もなさそうな気がしますが、そんな土壌をせっせと作ってきたお役人さんたちが、まるで上澄みを掻っ攫うかのようにクールジャパンを声高に喧伝し始めるというのも噴飯モノの話ですね…なんて横道に逸れました済みません。


さて曲の方ですが、『エイリアンズ』『ムラサキ☆サンセット』『Drifter』のような初期の代表曲は勿論のこと、ノリのいい曲を中心にアルバムの人気曲も満遍なく網羅し、まさしくキャリアの集大成といえるベスト盤のような構成。というより、ひょっとしてマイiPodのキリンジプレイリストを覗き見されたのでは?と勘違いしてしまうほどに、私好みのチョイスが嬉しかったです。いくつか特に印象に残ったナンバーをご紹介すると、

●『僕の心のありったけ』 → いきなりコレです(笑)。ツアーもいよいよ佳境に入った今回の大阪公演で急遽追加されたナンバーです。泰行さんがMC終わりで「今日は珍しい曲が聴けるかも」と発言し、客席からどよめきが起こったその直後。この曲のイントロが流れてきた瞬間、本当に「キターーー!」と心の中で叫んでましたね。『For Beautiful Human Life』の 僕の心のありったけ → 愛のCoda(※これも今回演奏してくれました) → 繁華街 の流れが大好きで。流麗なメロディとお子様には説明できないメタファーの調和が素晴らしい一曲ですが、多分桜の季節だから、ってことでしょうね。なんて粋。

●『さよならデイジーチェイン』 → ベスト盤『Archives』のみに収録の曲からもセレクト。泰行さんの声ってカントリー調の曲にジャストフィットするような気がしませんか? とはいえご本人はあくまで都会志向?らしく、今回の公演でも「アーバンな感じの」と銘打ったコーナーがありましたが。

●『ホライゾン! ホライゾン!』『都市鉱山』 → アルバム『BUOYANCY』より。ノレる曲ならばシングルだろうがアルバムだろうがお構いなし、ってことで、なんだかセットリストを通してファンのリクエストが高度に反映されているな、という印象を受けました。

●『アルカディア』 → こちらも初期の代表曲。イントロで旋律が狂うというハプニングがあったものの、すぐにリカバーしました。この曲だったか泰行さんがカッコイイエレキギターソロを披露してくれ、「メインヴォーカルなのに、お兄ちゃん立つ瀬ないやん」なんて思ったり(笑)。

●『祈れ呪うな』『TREKKING SONG』 → アルバム『SUPER VIEW』からのリードトラック。私のプレイリストでこの2曲を並べているのですが、絶望という闇のトンネルを抜けた先に射す希望の光…というイメージで、神がかったカップリングだなぁ、と常々。そして次に並べてあるのは…

●『ナイーヴな人々』 → 2人編成のキリンジ最後のアルバム、『Ten』からのリードトラック。しばしば「歌詞が難解」と評されるキリンジの楽曲ですが(それでもメロディに乗せると不思議とピタッとハマるのがやはり職人芸)、16年という長い長い旅路の帰趨となったのは、こんなシンプルで暖かい、そっと背中を押してくれるような優しい応援歌でした。「頑張れ」というフレーズは何処にもないというのにね。まさしく自分がナイーヴな人なので、余計にグッと来るのですが。

●『悪玉』 → 他の会場ではやったりやらなかったりと、アンコールに入るまで気になっていたのですが… やってくれました! 子無しでもプロレスファンでなくても泣ける、珠玉の名曲。演奏して下さって本当にありがとうございました。

●『茜色したあの空は』と『もしもの時は』のメドレー → アンコールの最後はやっぱり賑やかな曲で。『もしもの時は』Cメロの「僕らはきっと 地下水のように 通じ合っているのだから…」のくだりは、堀込兄弟からファンへの静かで、そして凛とした最後のメッセージなのかな、と感じました。


というわけで全31曲(だったはず)、終演は午後10時を回るという、実に3時間半にも渡った超ロング公演。にもかかわらず長さを全く感じさせない、とても充実した内容でした。なにぶん今回が初めてのライブ体験なので比較対象がないのですが、演奏技術も高く、音楽の醍醐味を心行くまで楽しむことが出来ました。このような良質な音楽がAKBの1/100も売れていないのですから、世の中本当に理不尽ですね。この日会場に集まった方々も予想通りオトナばかりでとても行儀がよく、キリンジとサポートメンバー、そして客席が一丸となってライブを盛り上げようという、とても温かな空気に満ちた会場。初めて体験するコンサートがこんなに素晴らしいものだった私は、きっと果報者ですね。堀込兄弟としてのキリンジに会うのはこれが最初で最後となりますが、まぁ、泰行さんも「一度脱退しましたが、やっぱり戻ってきちゃいました」なんてこともあるかもしれないですしね(笑)。いや~、ホンマに楽しかった。


さてさて、次は誰のライブに行こうかなぁー。東京女子流かな(エ
(Zeppでポスターが目立ってたので)


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【追記】
今回のツアーの最終公演(4月12日・NHKホール/東京)の模様を収録したBlu-ray/DVDがリリースされます。キリンジのオールタイムベストのようなセットリストなので、残念ながら行けなかった…という方も是非こちらで。

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