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2013.04.27

無記名式OV-chipkaart(オーフェイ・チップカールト)の利用について

Anonieme_ovchipkaart

先日オランダを旅行してきまして、国内での移動の際、オランダの公共交通における共通ICカードシステム、『OV-chipkaart(オーフェイ・チップカールト)』を利用しました。
カードには様々な種類がありますが、今回利用したのは無記名タイプの積み増しカード、「Anonieme OV-chipkaart」。
要するにオランダ版のSuica/ICOCAなのですが、ガイドブックの解説は簡単なもので情報が不十分なうえ、Web上の記述も断片的、かつ不正確なものが散見されるため、今回の使用経験で得た情報を一元的にまとめてみました。
皆さんの訪蘭の際の参考にして頂ければ幸いです。



§1. 購入

カードの使用を開始するのは大抵の場合、入国ポイントとなるスキポール空港駅や、フランス・パリおよびベルギーからのThalysやドイツからのICE Internationalといった国際列車の発着するターミナル駅(アムステルダム中央駅・ロッテルダム中央駅etc.)となるので、これらの駅構内にあるオランダ鉄道(以下、NSと略します)の窓口で入手することになると思われます。

●カードの価格
カード本体は買い取り式となり、一枚7.5ユーロ
有効期限は裏面に印刷されており、発行日から4~5年となります。

●初回の積み増し
カードの発行時点では残額は0ユーロの状態なので、最初に旅行中に必ず使う分(詳細は後述)の積み増しを行います。
上限額は150ユーロとなり、支払いは現金かクレジットカードで。
ここで注意が必要なのが、アムステルダム中央駅およびスキポール空港駅の窓口・自動券売機以外ではクレジットカードが使えないという点。
そのうえカード使用の場合は手数料が上乗せされるようなので(0.5~1ユーロほど)、NSの窓口に於けるカードでの積み増しは初回のみに留めておき、2回目以降は後述する市内交通の自動券売機での積み増しがお奨めです。

●NS利用の手続き
メトロやトラム・バスといった市内交通の場合は以上のステップで使用が可能になりますが、NSを利用する場合は更に有効化(Activation)という手続きが必要となります
NSの乗車券は1等と2等に分かれているからなのですが、カード発行時に依頼すれば同時にやってもらえます。
普通は2等となるでしょうが、私の場合は「Activation for NS, 2nd(1st) class」で通じました。


§2. 利用

カードを入手したら、早速使ってみましょう。
乗車時と降車時に二度、カードリーダーにタッチすることになりますが、以降乗車時のタッチをチェックイン、降車時のタッチをチェックアウトと記述します。

●NSに乗車する場合
20130422083312s乗車駅と下車駅でチェックイン/チェックアウトを行います。
乗り継ぎがある場合、乗り換え駅でのタッチを行う必要はありません。
カードリーダーは駅の出入口付近に複数立っているほか(右の画像はハーレム駅のカードリーダー)、アムステルダム中央駅やロッテルダム中央駅のような大きな駅では、日本のようなゲート式の改札機も設置されています(カードをタッチしなくても自由に通行可能)。
駅には改札が無い代わりに列車内で頻繁に検札があり、有効な乗車券を所持していない場合は罰金が請求されるため、くれぐれも乗車時のチェックインを忘れずに。

●メトロに乗車する場合
駅構内出入口に自動改札機が設置されているため、日本と同じ要領で利用すればOKです。
一部の駅では、ホーム上にカードリーダーが設置されている場合もあります。

●トラムに乗車する場合
トラム車両の出入口にカードリーダーが設置されているので、乗車時と下車時にタッチしてください。
複数の系統を乗り継ぐ場合も、乗り換えの度にチェックイン/チェックアウトが必要です。
乗車・下車はどのドアからでもOK。
カードをタッチするタイミングですが、必ずしも停車時に行う必要はなく、停留所の間を走っている時でも問題なく受け付けてくれます。

●バスに乗車する場合
こちらもトラムと同様に乗り換えの度にチェックイン/チェックアウトが必要です。
降車はどのドアからでもOKですが、乗車は前側の扉からのみとなります。

●水上バスに乗船する場合
トラムと同じで、船内のカードリーダーにて乗船時と下船時にタッチします。

●デポジットについて
チェックインの際、乗車区間の運賃に関係なく一定の残額が必要となります。
NSの場合は20ユーロ、メトロ・トラム・バス・水上バスの場合は4ユーロです(記名式のOV-chipkaartだとNSのデポジットは10ユーロに緩和されますが、外国人旅行者には無関係です)。
チェックイン時にこれらの額が一律で差し引かれたのち、チェックアウトの際に差額が精算されるようになっているため、チェックイン時に残額が足りない場合はエラーとなります。

●追加チャージ
残額はチェックアウト時に表示されるほか、NSや市内交通の券売機で確認が可能ですが、足りなくなってきたら追加で積み増し(英語ではReload、Add value、Top-upなど)を行ってください。
NSの窓口や券売機では基本的に現金のみの取り扱いとなるため(オランダの銀行発行のキャッシュカードは使えますが、これまた外国人旅行者には無関係)、上述したようにお奨めは各都市市内交通の自動券売機での積み増し。
これならばクレジットカードが使用できるうえ、手数料も不要。
メトロの走っている都市(アムステルダム、デン・ハーグ、ロッテルダム)ならば確実に設置されています。
画面表示は事業者によって異なるようですが、「LoadまたはReload」→「クレジットの積み増し」→「プリセット額を選択、または希望の金額を入力」→「支払い手段の選択(硬貨またはクレジットカード)」という流れになります(英語表示が可能です)。
ちなみに自動券売機では紙幣は使えない(NS・市内交通共)のでご注意を。

※私はロッテルダム中央駅でOV-chipkaartの使用を開始したため、NSの窓口では現金でのカード本体の購入と有効化のみを行い、初回チャージは地下のメトロ駅の自動券売機で行ったため、手数料は一切不要でした。


§3. 使用終了

オランダ旅行を終え、カードが不要になったら払い戻しの手続きを行います。

●払い戻しについて
残額の払い戻しはNSや市内交通の窓口で可能。
その際手数料として、1ユーロが差し引かれます。
カード自体は有効期限内ならば次回以降の訪蘭の際にそのまま再利用出来ますが、ここで一つ注意していただきたいのが…

●現金での払い戻しの上限額について
現金で払い戻しを受ける場合、残額が30ユーロ以下である必要があります
30ユーロを超えてしまうと、国内の銀行口座への入金となるので、我々外国人旅行者には事実上払い戻しが受けられなくなってしまいます。
そういう理由でチャージのし過ぎはリスクが大きいため、旅の終盤に差し掛かる頃には常に残額を意識するようにしましょう。
チャージは1ユーロ単位で行えるとはいえ、上述のようにNS利用の場合は、20ユーロ以上30ユーロ以下、というなかなか際どい運用を強いられることになるため、いっそのこと終盤は市内交通のみ(NSは紙の乗車券で)と割り切ってしまうのも一つの手です。

※チェックインした状態でもチャージが可能ですが、その際表示される残額はデポジットが差し引かれた額なので、30ユーロ以下に調整する場合にはご注意を。
このようなミスを避けるため、チャージはチェックインをしていない状態で行うのが無難ですね。

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以上、使用の流れについて説明しました。
NSのシステムは外国人にとって使いづらいほか、市内交通でも多くの都市で一回券が廃止されて時間単位の乗車券(1時間・2時間・1日・2日…)に統一されているため、Anonieme OV-chipkaartの有無では大きく利便性が変わってきます。
上述したように利用の際には実質的な手数料として計8.5ユーロが必要になるのが難点ではありますが、この際利便性への対価ということで、カードを片手にオランダ中を自由自在にホッピングしてみては如何でしょうか。

というわけで、旅行記本編は次回からです。


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コメント

オランダの旅、お疲れ様でした。
OV-chipkaartは僕が行った際は日本人向けの情報が少なく、
最初は面くらいましたが、
自販機でのチャージが日本人から見て少し違和感を感じたのを除くと、
慣れてくるとことのほか便利でした。
(チャージ方法は各国によりけりですね。ロンドンのオイスターカードよりはずっとマシだと思いました)

オランダは国じゅうどこでも同じ1枚で対応できるのが便利ですね。
ポルトガルのICカードはリスボンとポルトで異なり、
台湾も台北と高雄で異なるカードでした。
・・・そういえば、日本も東京と大阪は違ってましたっけ。

ken さん

どうもありがとうございます。一昨年末のマレー縦断は散々な目に遭いましたが、今回は大きなトラブルもなく、快適に旅を進めることが出来ました。

日本では先月ようやく、全国の主要な交通系ICカードの共通利用が始まりましたが、まぁ日本とオランダとでは国の広さが全然違いますし、やはりシステムの洗練度では日本や香港などの足元には到底及ばないという印象でしたね。お話を伺っていると、ロンドンなんかはどんだけヒドいんだという、怖いもの見たさの興味が湧いてきます(笑)。まずはフランス編からの執筆となりますが、色々ある文句なんかも交えて書いていくつもりですので、気軽にツッコミなど入れていただけると嬉しいです。

9月に2泊ですがAmsterdamに行ってきました。5年前まで重宝したnationale strippenkaartは既に廃止されov-chinkaartに一本化。strippenkaartの頃と比べるとシステム切り換えで運賃がかなり高くなった気がするのですが無い物を懐かしんでも仕方ないので、到着早々SchipholのNSカウンターでchipkaartを買いました。

気になる手数料ですが、カウンターで手数料が要ると言われたら券売機で買うつもりで硬貨をたくさん用意していましたが、chipkaart購入も加金もすべて手数料無料と言われ、ついでにNS用のアクティヴェーも済ませてしまいました。

今回は空港から市内までのバス(197系統)往復だけだったのでさらに加金する必要はなかったのですが、練習を兼て地下鉄駅の券売機で加金してみました。中央駅の地下鉄駅でしたが紙幣も使えました。

地上に上がってNSの中央駅を見てみると改札機風のゲートができていてびっくりしましたが、今のところまだ切符やカードがなくても通過できそうな雰囲気でした。

カードの期限は2018年の6月までとなっています。それまでにまた、今度はゆっくりオランダを訪問したいものです。

PPM 様

初めまして。コメントいただき有難うございます。また、OV-chipkaartの利用レポートをお寄せくださり感謝いたします。私一人の体験だけですと情報収集の精度にはどうしても限界があるので、貴重な生の体験談は何物にも代え難いです。

strippenkaartからOV-chipkaartへ完全移行され、NSとの共通利用が出来るようになったり市内交通でもゾーンを意識する必要がなくなったりといったメリットもあるのでしょうが、その一方で運賃の頻繁な値上がりはデフレの国からやってくると頭痛の種ですね。私も5年前に比べてNSの運賃がかなり上がっているのに少々驚きました。

NSやメトロの自動券売機のごく一部で紙幣が使えるという話は耳にしてはいたのですが、なにせごく一部なのでアテには出来ないだろうと思い、私の場合はOV-chipkaartのチャージはすべてクレジットカードで通してしまいました。

現在は信用乗車方式を採用しているNSですが、いずれオランダ国内の乗車券がOV-chipkaartに統一された段階で、日本と同じ駅改札方式に移行するのかもしれませんね。ただ国際列車も多数発着しているので、完全に一本化というのは無さそうですが。

私のカードは2017年5月まで有効となっていますが、それまでに再訪する可能性はちょっと低そうですね。もしオランダを個人旅行で回るという友人・知人がいたら、引き出しの肥やしにしていても仕方がないので餞別代わりにプレゼントしようかな、と考えていますが。体験談ありがとうございました。

はじめまして。OV-chipkaartあ、アムスで購入した場合、ロッテやハーグなどその他の都市でも遣えるのですか? (無記名式のものは一都市でしかつかえない、という説明があったので) どうぞよろしくお願いいたします。

suzuka さま

 初めまして。金額をチャージして使用する無記名式(=積み増しタイプ)のOV-chipkaartの場合は、アムステルダムやロッテルダム・ハーグといった大都市だけでなく、オランダ全国どの地域の公共交通機関でも共通利用が可能です。一方、時間単位で使用する使い捨てタイプのOV-chipkaartの場合は、購入したその都市でしか使えません。東京で例えるならば無記名式はSuica・PASMO、使い捨てタイプは地下鉄・バスの一日乗車券のようなものとお考えください。

さっそくありがとうございました。
空港か中央駅で購入することにします。

今月オランダを旅行しました。無記名式のOVチップカードを使い、最終日に計算して20ユーロちょっと残ったのでスキポール空港のGWKカウンターで払い戻しを申し出たところ、拒否され誰かにあげてくれと言われました。ネットで払い戻し出来ると書いてあったので苦労して20~30ユーロ以内に抑えたのに、今年から出来なくなったのでしょうか?なんという殿様商売だろうと、腹が立ちました。これから行く人は確認してから購入してください。

名無し さま(恐れ入りますが、次回からお名前の入力をお願い致します)

 情報いただきありがとうございます。それは災難でしたね…。今、OV-chipkaartの公式サイトにて払い戻しについての項目を確認したところ(→こちらのページ)、従前と変わらず残額0ユーロ~30ユーロの範囲ならば現金での払い戻しが可能との記述がありました。フォームへの記入とIDの確認(外国人の場合はパスポート?)については私は要求されなかったのですが。こう言っては何ですが、日本の鉄道の職員は世界でも群を抜いて優秀ですので、彼らにその水準の対応を求めるのは最初から諦めた方が宜しいかと思われます(接客態度もそうですが、簡単な足し算・引き算も満足に出来ないような職員も珍しくないので)。今回のケースではウェブサイトにルールが明記されていますので、そういった非常識な対応を受けた場合、該当ページを見せた上で強く主張するということになるのでしょうね。

 ちなみにですが―― GWKカウンターとは両替所のことでしょうか? スキポール空港で払い戻しを行う場合、NSのカウンターでの対応となりますので念のため…。

腹立ちまぎれの投稿に対して、確認して頂いたんですね。ありがとうございます。
確かに両替所のGWK でした。NS窓口なら払い戻しできたんですね。残念なことをしました。
しかしそれならNS窓口へ行けと言ってくれたらよっかったのにと、又又悔しくなりました。
そもそも購入申し込みの時点で、首を振り顎を指してあっちで買えと言われました。書店で購入したのですが、そこの店員さんも払い戻しは出来ないと言ってました。その時は、このカードの払い戻しは出来ないという事だと思ったのですが、GWKで拒否されて、ああ、このことかと思い起こしてしまいました。それに20ユーロ以上でなくても払い戻しできるという事なんですね。返す返すも残念!

名無しのゴッホ さま

 なるほど、そういう事情だったんですね。OV-chipkaartは駅で購入するものという意識しかなかったので、一般の店舗で入手するという発想そのものが欠落していました。オランダに限らずですが、親切だったり気が利く店員さんは少ないわけではないものの、私の場合は海外では基本的に仕事は雑なものと割り切っていますね。

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