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2014.04.28

甦りし、古都のチンチン電車。京都梅小路公園・市電ひろば(後編)

 『市電ひろば』から更に公園の奥へ歩いていくと、こちらも3月8日に新規オープンしたばかりの『すざくゆめ広場』へ出てきます。大型遊具やカフェが設置された約5,700平方mの大きな広場ですが、私の目的はその最奥にある『市電展示室』です。



 その前に、市電展示室の建物に隣接しているチンチン電車の駅からご紹介。
 車両は明治時代後期に製作された「狭軌1型」と呼ばれる形式で、路面電車の草創期ということで不慣れな歩行者との接触事故が後を絶たず、衝突の被害を軽減するための「カウ・キャッチャー」という網状の装置が前面下部に取り付けられているのが特徴となっています。同型の車両は愛知県の『博物館明治村』でも動態保存されています(→参考リンク)。


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《チンチン電車・すざくゆめ広場駅》

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《狭軌1型・27号電車》


 実はこの電車、1994(平成6)年からこの梅小路公園内を走っていたのですが、今回の市電関連施設のオープンに際して線路を移設。と同時に、車両の電力供給もトロリーポールによる架線集電から、リチウムイオン電池を使った蓄電池駆動方式に改修されています。ちなみにこの電池は、京都市に本社を置きボーイング787のバッテリーのサプライヤーとしても知られる、GSユアサから寄贈されたとのこと。

 昨年秋まで、このチンチン電車は梅小路蒸気機関車館の周囲を走っていました(下3枚の写真)。


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 現在の線路(下の写真)は『すざくゆめ広場』と『市電ひろば』の間を結んでいます。頭上の架線がなくなっているのがお分かりでしょうか。歩いても2~3分程度の短い距離です。


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 電車の運行は、土・日・祝日および夏休み期間中の月曜日を除く毎日。10時から16時まで20分間隔となっていますが、蓄電池駆動なのでバッテリーの充電のために13時頃に2本間引きされるのでご注意下さい。乗車料金は片道150円(小学生未満は無料)、往復は一日乗車券という扱いになり300円です。


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 それでは市電展示室へ。チンチン電車の運行日に合わせ、土・日・祝日と夏休み期間中のみの開館となっています。


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《市電展示室・外観》

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《市電展示室・内部》


 こちらには「広軌1型」と呼ばれる形式の車両が展示されています。
 京都市電は1895(明治28)年に創業した民営の京都電気鉄道と、その後1912(明治45)年に設立された京都市営の路線を1918(大正7)年に併合して形成されたもので、先の狭軌1型は京都電気鉄道が製作した車両、対してこの広軌1型は京都市が製作した車両となっています。形式名の由来は、元・京都電気鉄道の路線の軌間が1067mmの狭軌、京都市開設の路線が1435mmの広軌(国際的には標準軌)で敷設されたことに拠り、1912年から1918年まで一時的に両者は競合関係にありました。この頃になると路面電車も道路交通に溶け込んだためか、カウ・キャッチャーも簡略化されています。


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《(上2枚)広軌1型・29号電車》


 広軌1型の車内の様子。先月訪問した『リニア・鉄道館』に展示されていた車両もそうだったのですが、屋根が二重で明かり取りの窓を設けるのが当時のトレンドだったようです。


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 室内では現役時代の京都市電の様子が、映像の放映と写真の展示(下の写真)で紹介されています。


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 展示室の東側は、チンチン電車の車庫 兼 整備基地となっています。下の写真右奥にあるのが、リチウムイオン電池の充電スタンドです。


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 車両の保存状態は良好なのですが、チンチン電車を除いては市電ひろばの4両も含め、車両のそばに解説板が設置されていないのが気になるところ。マニアックな解説は不要なので、製造年と主な諸元・特徴くらいは説明を記しておいてもらいたいものです。
 あと一つ、広軌1型の車内でしつけの悪いガキがつり革にぶら下がって遊んでいたのが目に余りました。市電ひろばの車両についてはこういった行為の防止のためにつり革が支え棒にくくり付けられていたのですが、部品が用意できない古い車両ということで、破損してしまう前に早急に対策を講じるべきでしょう。
 しかし斜陽の国のくせに、少子化と喧伝されているのがウソのように子供がウジャウジャといますね…。尤も、斜陽の国「だから」、なのかもしれませんが。
【追記】
 その後、広軌1型のつり革も紐で支え棒に固定されたようです。見栄えは悪くなってしまいますが、見学者(保護者)のモラルに期待できない以上、保全のためには致し方ないことでしょう。


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 『市電ひろば』『すざくゆめ広場』のほか、京都水族館手前にも梅小路公園の総合案内所として車番「935」の車両が置かれています。七条通側の入口にも同様に案内所として使われている車両があるようですが、今回の訪問では気付かずに見逃してしまいました。


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 これからますます注目度が上がっていくであろう梅小路エリアに誕生した新スポット。老いも若きも、ここで悠久の都をチンチン電車が縦横無尽に駆け巡っていた時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

(2014.04.27)


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〔関連記事〕
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<おまけ>
 すざくゆめ広場の南側にある、「朱雀の庭」「いのちの森」にも立ち寄ってみました。有料で200円かかりますが、そのぶん静かでリラックスできるのが良かったです。


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