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2015.06.25

15/06/08 (2)頭文字S…其の名は仙山線(後編)

 愛子駅を出発。車内はつい20分ほど前に学生を満載していたのがウソのようにガラガラとなっています。ほどなく沿線にずっと続いていた住宅地は途絶えがちになり、のどかな田園風景が主体となりますが、代わりに企業の工場や事業所が目立つようになってきました。愛子盆地から都心部へはバイパス道が整備されており、東北自動車道のインターチェンジもすぐという交通至便な地域。企業が目を付けるのも必然なのでしょう。仙台の副都心の候補地とされていた時期もあったそうですが、もし実現していれば鉄道の輸送力強化は必要不可欠であり、仙山線の複線化か、それとも地下鉄の新設か…と、妄想は膨らむばかりです。


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▲愛子-陸前白沢間にて



 愛子から快速運転が始まったため、ぐんぐんスピードを上げた電車は次の陸前白沢駅では対向列車の普通仙台行きを待たせ、一線スルー側の線路を全速力で駆け抜けていきます。さっきまでのノンビリペースからこの豹変振り。秋になってようやくお尻に火がついた受験生のようです。

 次の停車駅は作並(さくなみ)ですが、通過駅は陸前白沢と熊ケ根の二つだけではあるものの、駅間距離が長くなったので所要時間は10分と長め。2014年までは熊ケ根と作並の間に「西仙台ハイランド」という臨時駅があったのですが、車窓から眺めた限りでは既にホームは撤去されてしまったようです。『仙台ハイランド遊園地』の最寄り駅だったのですが、この遊園地も8月末をもって閉園となることが発表されました。私が当シリーズの予告編をアップした日に…(苦笑)。

 作並は仙台の奥座敷・作並温泉の下車駅。仙山線は仙台市内と山形市内しか通過しないのですが、この作並温泉も青葉区内です。とはいえ有馬温泉も神戸市内(神戸市北区)に所在するので、今更驚くほどのことではないですが。仙台駅から作並温泉までは市バスの路線もあり、運賃も所要時間もかなり差があるので直接のライバル関係にはなっていませんが、こんな山奥まで都心を走るあのバスがやって来るというのもなかなかの違和感です。
 また1957(昭和32)年、仙台-作並間で日本初の交流電化による営業運転が始まったことから(作並-山形間は1968年に直流から交流へ切り替え)、ホームには交流電化発祥の地であることを示す石碑が立っています。


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▲作並駅ホーム


 電車はさらに山奥へ。行く手には33パーミルの勾配も現れ、本格的な山岳路線の様相を呈してきています。もちろんカーブも多いのですが、振子列車でもないのにすこぶるアグレッシブに曲線へ突っ込んでいく様子には驚愕しました。まさか列車で「峠を攻めている」感覚を味わえるなんて。そういえば前半の仙台-愛子間も各駅停車なりに意外と飛ばしていたっけなぁ。極めつけは、窓框に置いておいたコンデジが遠心力で吹っ飛んで床に落ちるという悲劇。カメラ自体にダメージは無かったのですが、普通に走っていたのでは体感するはずのない横Gに、「…今、絶対スピードオーバーしてたよね…?」という疑念を拭い去ることが出来ませんでした。

 そして仙山線は「よく止まる」ことでも有名だそうで、その原因は強風や大雨、積雪によるスリップや動物との接触など実に様々。なかでも線路に積もった落ち葉によるスリップは秋の風物詩ともいえるもので、ある程度対策が施されたE721系の投入によって頻度は減ったものの、その“鉄道界のスペランカー”ぶりは沿線住民の間でも語り草になっているようです。

 八ツ森駅跡(2014年に廃止)と奥新川駅を過ぎ、延長約5.4kmの仙山トンネルの中で宮城県仙台市青葉区から山形県山形市へ入ります。他に県庁所在地同士が隣接する例としては京都市と大津市、そして平成の大合併によって生まれた福岡市と佐賀市の計3ヶ所となっていますが、市街地として連続している京都市/大津市はともかく、奥羽山脈をはさむ仙台と山形が隣同士というのはやはり釈然としないものが。もっとも上高地が松本市内になったり、3,000m峰を抱える赤石山脈の一部が政令指定都市の区部(静岡市葵区/浜松市天竜区)になってしまうような時代なので、こちらも今更驚くべきことではないのかもしれません。

 騒々しい走行音を立てつつ仙山トンネルを抜けると、電車でしか来られないスキー場・『スノーパーク面白山』の下車駅である面白山高原駅。スキーシーズンには一部の快速列車も停車していましたが、今年のダイヤ改正でシーズン中も全列車通過となったそうです。もちろんこの列車も華麗に通過。

 山形県側に出ると、こちらも最大33パーミルの急勾配区間を転がり落ちるように進んでいきます。やがて谷の向こうに冠雪した出羽山地の峰々が姿を現すと、下車駅の山寺はまもなく。一粒で二度おいしい仙山線の短い旅を終え(欲を言えば455系のような重厚な国鉄型車両で通ってみたかったものですが)、9時13分、定刻どおりに山寺駅に到着しました。


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▲山寺駅ホーム


(2015.06.08)


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