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2015.07.03

15/06/08 (7)文翔館(山形県郷土館)で“集中講義”を受けるでござる、の巻

 山形市郷土館の館内をさらっと一回りしたら、次はもう一つの近代建築の傑作・文翔館を訪れてみます。霞城公園の東大手門からは山形市立病院済生館の正面を経由して、自転車で10分足らず。狙ったわけではありませんが、途中で昨日の仙台市道路元標に続いてまた山形市の道路元標を発見しました。江戸日本橋からの道のりは92里(約360km)。イザベラ・バードが従者の伊藤鶴吉とともに歩いた長い旅路に思いを馳せます。


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▲山形市道路元標



 山形一の繁華街・七日町の真ん中にある七日町交差点を左折して市中心部を南北に貫くメインストリートへ入ると、正面向こう側に文翔館の堂々とした姿が視認できます。市役所や裁判所のある官庁街を抜け、文翔館前に到着。1916(大正5)年築のイギリス・ルネッサンス様式の建物で、1975(昭和50)年まで山形県庁として使われていました。


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 近寄って少し斜めに撮影した写真(下1枚目)と、車寄せ(下2枚目)、その車寄せの柱(下3枚目)。地元大阪の中之島にある日本銀行大阪支店を連想しましたが、文翔館は「山形県郷土館」として内部が一般公開されています(入館は無料)。先刻電話で本日開館しているかどうかを問い合わせたのはここでした。中央てっぺんにはこの建物の大きな特徴である時計台が載っています。


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 ちなみにイザベラ・バードも訪問当時に山形県庁を目にしており、その建物について好意的な感想を旅行記に残していますが、こちらは1911(明治44)年に起きた市街地の大火によって焼失してしまい、現在残っているのはその後再建された2代目の県庁となります。


 内部もまた絢爛豪華。思わずエルガーの『威風堂々』をBGMとして流したくなるくらいに。で、いつもならば写真つきでじっくりご紹介するところなのですが、実は今回はそれが出来ない「とある」事情がありまして…。
 というのも、入館と同時にボランティアガイドの方が話しかけてきて、もしよろしければご案内しましょうか?との申し出を頂いたのでお願いすることに。これまで全国様々な場所でこういったボランティアガイドの説明を受ける機会があり、ガイドブックにない情報がふんだんに得られるなど理解も深まるので積極的に案内をしてもらうことにしているのですが、私の経験上こういった建物のガイドは30分程度で終わることが多く、今回もそんなものかなと思っていたのですが…… とんでもない。


 みっちりガイドしていただきました。1時間40分も。


 いやですね、部屋が10数室あって他にもバルコニーや中庭などといったポイントもあるのですが、その見学ポイントすべてを事細かに説明してもらいまして。終わった頃には掛け値なしにすっかり文翔館通に変身しておりました。その一方で、ガイド中は説明を聞くのに専念していたため内部の写真を一枚も撮れなかったという、旅ブロガーとしては致命的な事態も…。ここで文章にして全部解説してもよいのですが、やっぱりビジュアルがないと読者の皆さんも退屈でしょうし、遺憾ながらまるっと省略することにします。ガイド終了後に改めて写真を撮影するという手もあったのですが、朝早くからの活動でここまでにかなり歩いていたのと脳みそフル回転のコンボでヘロヘロになってしまい、そんな気力も絞り出せませんでした。美術館・博物館巡りが好きな方ならこの感覚、きっと理解してもらえるかと。
 それにしても思わぬ場所でエラい目(?)に遭ってしまいましたが、ガイドして頂いたお洒落なご婦人にはこの場を借りて改めてお礼を。やっぱり深い教養をお持ちの方との会話は楽しいですね。こちらも持てる知識を総動員して話を噛み合わせる必要があるので、脳の糖分消費も激しいですが。

 最後に一枚だけ中庭の写真を貼っておきます。この建物、正面からだと石造りに見えるのですが、実際には表面が石張りで建物そのものはレンガ造りとなっており、中庭からだと地のレンガが見えるようになっています。レンガ造りの西洋風建築にスレート葺きの屋根…とくれば、昨年開業100周年をお祝いしたばかりの東京駅。実は文翔館と東京駅駅舎、どちらも屋根には宮城県石巻市の雄勝町(おがつちょう)で産出される「雄勝石」のスレートを使用しています。同町は東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けて雄勝石の生産が一時的にストップしたため、東京駅駅舎の復原工事の際に必要になったスレートを、文翔館が屋根の補修のためにストックしていたものから融通したりもしたそうです。――ああ、写真さえあれば俺もバーチャル・ボランティアガイドをこなせるのに!!(笑)


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 来年には竣工から100周年を迎える文翔館。建物自体の文化的価値も高いですが、現在でも館内の部屋は会議室やギャラリーとして現役で使われており、隣接する旧山形県会議事堂(こちらもまた見事なデザイン)も地元の交響楽団をはじめとしたコンサートやライブの会場として活用されています。ただ保存されているだけに留まらずに今も市民の文化の発信基地として生き生きと輝き続けているからこそ、その姿もまた一層美しく映えるのもしれません。
 なお、何故今日は月曜日なのに開館していたかという謎についてですが、これもガイド中の雑談で氷解。月曜日に山形市内の文化施設が一斉に休館してしまうと観光客が街の中で何も出来なくなるという、苦情があったのかどうかはいざ知らず割と身も蓋もない理由でもって、第2・第4月曜日については開館することにしたのだそうです。今日がまさにその第2月曜日に該当していたというわけで、これも普段の行いのよさのお蔭かな。

 山形編はもう一回続きます。

(2015.06.08)


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