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2015.07.07

15/06/09 (2)仙石東北ライン(仙台→高城町)

 列車の発車1分前。色々とみどころの多い列車なので、コンデジを窓框に設置して車窓風景のハイビジョン動画撮影を開始。YouTubeにアップロードしたものを記事末尾に置いておきます。

 8時18分、定刻通りに列車は動き出しました。と、いきなりここでハイブリッド車両の特徴の一つが聴覚でもって実感できます。ディーゼルカーが出発する際に高鳴らせるはずのエンジンの音が全くしないんですね。最もエネルギー消費が大きくなる初速ゼロからの起動時は蓄電池からの電力供給でまかない、10秒ほど経ってからようやくアイドリング状態だったエンジンがうなり出しました。この辺りの挙動はハイブリッドカーと全く同じです。デビューしたての車両ということで一般の乗客の関心も高く、乗り合わせた乗客の一人の方にどういう原理で動いているのかという質問を受けたのですが、長々と説明するまでもなく「平たく言うとプリウスの電車版です」の一言でおおかた通じてしまうのが楽ですね。



 この列車は仙台を出ると、次の停車駅は塩釜(※駅名は「塩釜」ですが市名は「塩竃」)。この間の駅数は5駅ですが、並行する仙石線の場合は塩竃市の中心部に入るまでその倍以上の駅があります。東北本線を仙石線のバイパスとして活用しようというアイデアは特段目新しいものではなく、鉄道ファンならば誰もが一度は考えたものと思われますが、電化方式の違いが壁となってなかなか実現には至りませんでした。関西のように私鉄との激しい競合に晒されているといった環境があればまた話は違ってきたのかもしれませんが、この度の仙石線全線復旧を機に東松島市・石巻市および牡鹿半島一帯の復興支援という名目でもって、とうとう某川島氏ばりの夢企画が実現する運びとなりました。

 仙石東北ラインの列車の停車駅は開業時点で3パターンが存在し、私が乗車しているのは東北本線内は塩釜のみ停車、仙石線に入ると高城町・野蒜・陸前小野・矢本・陸前赤井・蛇田・陸前山下・終点石巻の順に停車する「赤快速」というタイプです。「緑快速」は仙石線内は赤快速と同じ停車駅で、東北本線内は各駅停車となるタイプ。そして途中停車駅を塩釜・高城町・矢本の3駅だけに絞った最速達タイプの「特別快速」が1往復(仙台発9時24分/石巻発20時58分)運転されています。仙台-石巻間の所要時間は1時間前後ですが、仙石線が単線なので、行き違い停車の有無の関係で緑快速よりも遅い赤快速もあったりと、列車ごとに所要時間はまちまちです。この列車の同区間の所要時間は1時間05分と、1時間を切る列車もある赤快速の中では残念ながら“鈍足”な方となっています。

 というわけで東仙台・岩切・陸前山王・国府多賀城には停まらずに、塩釜までは14分間のノンストップ区間。この区間の表定速度を算出すると57.4km/hになったのですが、実感としてもその通りで、あまりスピードは出さずに流して走っているような印象でした。運転最高速度は100km/hとのことですが、後ほど運転台を覗いてみるとスピードメーターが120km/hまでしか刻まれていないのが異色というか最新鋭車両らしからぬというか。震災前の仙石線快速(最速達タイプ)は仙台-本塩釜間を途中多賀城のみ停車で最短15分で走破していたため、現状ではバイパス線の速達効果というのはあまり発揮できていないというのが率直なところです。仙台への復路は仙石線に乗車しましたが、今回の新ルートの設定は仙台-石巻間の速達化というよりも、仙石線の都市近郊区間の等時隔化に寄与しているという側面の方が大きいと感じました。

 下の写真は走行中にリアルタイムでエナジーフローが表示されるモニター。流して走っているためかもしれませんが、走行中の半分以上はバッテリーからの電力のみで動いているような感じでした。ちなみにエンジンは専らモーター駆動のための電力発電に用いられ、直接の動力には使われません。つまりは電気式気動車の一種なのですが、日本国内では1950年代を最後に開発が止まっていたため、2007年のキハE200形(小海線で運用)の導入を皮切りに、半世紀ぶりにハイブリッドシステムという新機軸を伴っての復活となりました。


150609_02_01


 車窓の方に目を向けると、昨日乗車した仙山線の線路をくぐった辺りから右手に仙台地区で運用される旅客車両を主に収容する車両基地「仙台車両センター」が広がり、続いて長町~東仙台間で東北本線とは別ルートを取る貨物線が右側から合流、東仙台駅を通過すると今度は同じく右手にJR貨物の機関車が所属する「仙台総合鉄道部」…と、鉄道好きならば目が離せないスポットが連続します。これらを過ぎるとぴったり並走していた東北新幹線の高架が一旦離れていき、それを合図に市街地がぱたっと消えて車窓には伸びやかな田園風景が。後ほど乗車する仙石線の沿線に延々と市街地が続いていたのに比べると、東北本線の風景は並行路線とは思えないほどの長閑さです。仙石東北ラインの列車が緑快速となる閑散時間帯には東北本線の普通列車(塩釜以北、松島・小牛田方面へ直通)が毎時1本になる時間帯もあり、つまりはその程度の需要ということになります。

 一昨日地下鉄南北線の車窓からも眺めた七北田川を渡り、東北本線の利府支線が分岐する岩切で東北新幹線とはサヨウナラ。陸前山王では仙台港へ通じる仙台臨海鉄道の貨物線を分け、2001年に新設された国府多賀城を過ぎると、次の停車駅である塩釜。駅名標の次駅表示には東北本線の松島と仙石東北ラインの高城町が併記され、見かけ上は分岐駅となっています。

 東北本線の次駅である松島までの距離は、在来線の都市近郊区間では異例の10.0km。塩竃市の市街地を抜けると程なく左手から山が迫ってきて、単線の仙石線と絡み合いつつ海と山の狭間をトンネルを幾つもくぐりながら進んでいきます。車窓右手には日本三景のひとつ・松島の景観が広がりますが、今日は雨で煙ってしまっていてその美しさも半減です。やがて松島観光の拠点駅である仙石線松島海岸駅の横を通過していきますが、昼過ぎに下車する予定のこの駅、それまでにちょっとはこの雨もましになってくれればいいのですが。

 ここまで来れば仙石東北ラインの最大のハイライトである、東北本線から仙石線への転線地点もすぐ。列車はかなり前から減速を始めており、転線地点のすぐ手前では一旦停止。すぐに動き出し、徐行状態で東北本線の上り線路をまたいで単線の連絡線へと入っていきました。この連絡線の長さは僅かに300m。気動車しか通らないので電化はされていません…というより、この長さでは仮に交直両用車両を通すとしてもデッドセクションを設けるのは難しそうです。そしてこの連絡線内でも1分か2分か、結構長い間停車していました。何か運転上の都合があるのかもしれませんが、仙石東北ラインは震災前の仙石線快速に比べてスピードアップしたことをアピールポイントとして大きく掲げているだけに、連絡線手前~連絡線内のタイムロスは非常に勿体ないなと感じました。ちなみにここは信号場ではなく、松島駅および高城町駅の構内という扱いになっています。

 仙石線へ入ると列車は再びスピードを上げ、東北本線松島駅のすぐそばを通過。川を渡るとまもなく高城町(たかぎまち)に到着です。ここで仙台行きの仙石東北ライン緑快速と交換を行いました。この駅では高城町始発・終着の仙石線電車と仙石東北ラインの接続も行いますが、配線は従前の1面2線のままなので、単線の連絡線部分と共にダイヤ構成上のネックとなっていそうです。

 仙石線区間については次回にて。下の動画で進行方向右側の車窓をご覧下さい。〔仙台(動画開始)から高城町(25分)まで〕



(2015.06.09)


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