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2015.07.08

15/06/09 (3)仙石東北ライン/石巻線(高城町→石巻→女川)

 高城町駅を出発します。ここから陸前小野駅までの区間は海岸線近くを通っていたために津波による被害が大きく、復旧に際して一部区間の高台移転が含まれるなどで長らくバスによる代行輸送が続いていたのですが、5月30日に4年3ヶ月ぶりに運転を再開。これにてあおば通-石巻間の仙石線全線が復旧しました。
 当方の仙石東北ライン赤快速は手樽・陸前富山・陸前大塚・東名と一気に4駅通過。赤快速・緑快速の仙石線内の停車駅については震災前の仙石線快速電車の停車駅をそのまま踏襲していますが、東矢本駅のみは停車から通過に変更されています。



 陸前富山~陸前大塚間は海岸すれすれを走り、陸前大塚を通過した直後からが仙石東北ラインのもう一つのハイライト。町の高台移転のために線路が付け替えられた区間です。海岸線をトレースしながら右にカーブしていく旧線跡に対して、新線はそのまま直進していきます。切り通しの間を進み、東名(とうな)を通過して野蒜(のびる)に停車。帰りに駅周辺の様子を観察するために下車するつもりでいたのですが、この雨なのであまり気が乗りません。判断は帰りの列車の中へ先送りにすることにしましょう。

 これら2つの“新駅”を過ぎてしばらく進むと、右から近付いて来た旧線跡とふたたび合流。この付近は以前は地平を走っていましたが、復旧後は高架化されました。そのまま吉田川と鳴瀬川を渡り、地平に降りると11日前までは仮の終着駅だった陸前小野に到着。新線移設後は陸前大塚-陸前小野間の営業キロも1.2km短縮されています。ここまで車窓風景のビデオ撮影を行っていましたが、バッテリー容量の関係もあるので撮影を終了しました。〔下の動画・高城町(25分)から陸前小野(動画終了)まで〕



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▲野蒜-陸前小野間の高架化区間(帰りの列車から)


 ここから終点石巻までは東松島市の中心駅・矢本を経由し、田園風景に小さな市街地が点在する中をひたすら進みます。仙石線完全復旧を奇貨として、沿線の宅地造成も盛んに行われているようでした(車内にも広告がありました)。列車の本数については昼間時間帯で仙石東北ラインが毎時1本・あおば通発着の仙石線普通電車が毎時1本の合計2本と震災前の本数が維持されていますが、上下とも12時台に仙石東北ラインが一本間引きされるため、ここだけは1時間に1本となっています(他、特別快速が通過する快速停車駅も実質的にマイナス1本)。松島海岸・本塩釜・多賀城方面へは仙石東北ラインに置き換えられたぶん直通列車が半減していますが、こちらは高城町駅で仙石東北ラインと同駅止まりの仙石線電車が連絡を取ることによってカバーしています。


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▲蛇田-陸前赤井間にて(帰りの車窓から)


 これは余談ではありますが、最速達タイプの列車は日帰りで地方から都市に出る場合に便利な設定になっているのが通例なのですが、仙石東北ラインの特別快速の場合は逆に仙台発が朝・石巻発が夜というダイヤになっています。やはり震災復興という目的上、都市部からの入り込みによる経済効果を期待してのダイヤ設定、ということなのでしょうね。ただでさえ人とお金をストロー効果で仙台に吸い取られて経済の地盤沈下が激しい地域なので、利便性の向上は必ずしも一方的にプラスの効果のみをもたらすわけではない「諸刃の剣」なのでしょう。案の定、私の乗車している朝の下り列車はガラガラでした。

 陸前赤井駅では再び仙台行きの仙石東北ライン緑快速と交換。まだ石巻を出発して間もないのですが、座席は大体埋まっているという好乗車率です。石巻市は宮城県下第二の都市ということで、こうして再び仙台と(最短経路の)鉄路で結ばれる日を石巻市民一同、一日千秋の思いで待ち続けていたのでしょう。そして私の方は人知れず下痢さんとの壮絶なる闘いを繰り広げている最中なのですが、ここでの停車中にトイレへGO。仙石東北ラインは2両編成を2編成つないでいるために編成中のトイレも2ヶ所あり、仙石線205系の1ヶ所に比べるとピンチの時に塞がっていて駆け込めない危険性が少なくなっています。これだけでも仙石東北ラインを選ぶ価値があるかもしれません。切実に。

 9時23分、石巻駅へ到着しました。仙石東北ラインの列車は島式ホームの1番線に発着。向かいの2番線には仙石線の普通電車が発着し、仙石線が出発するまでの間、しばしの顔合わせとなります。


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 ホームからは、旧さくら野百貨店の店舗へ「居抜き出店」したことで話題になった石巻市役所も見えます。仙石線の205系電車をセットにしてみましたが、103系が仙石線から予備車一編成のみを残して撤退してからもう10年以上になるんですね。我が関西では京阪神地区でさえ未だに103系が幅を利かせているというのに。


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 女川行きの列車が出発する3番線へ移動します。下の写真はその通路で撮影したもので、何だかこの風景、如何にも東北の地方の駅っぽいなぁ、と。どうしてか?というのはちょっと説明が難しいのですが…。


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 石巻市は「萬画(まんが)の町」として売り出しており、駅構内には石ノ森章太郎氏の生み出したキャラクターが至るところに。てっきり氏は石巻市出身だと誤解してしまったのですが、実際には隣町の宮城県登米市出身なのだそうです。


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 こちらは同じく駅構内に掲示されている、女川町への観光客誘致のPRポスター。添えられたキャッチコピーが個性的というかどこか突き抜けた感じで、どっかで見覚えのある作風だと思ったら、やはりそう。以前大阪市にある文の里商店街というシャッター通り化しつつある商店街を活性化させようと、電通関西支社の若手社員グループが制作したポスターが話題となり、こちらもその同じスタッフが手掛けたものでした。


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 改札口。使用中のきっぷは途中下車不可なので、今回は往復とも改札内にとどまります。


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石巻線普通 石巻(09:33) → 女川(10:02)

 10分の待ち時間を終え、小牛田始発の普通1629Dに乗って一路女川へ。車両はおなじみキハ110形です。JR東日本の車両ではもっともお世話になっているこの形式。管内全域で走ルンですシリーズが跳梁跋扈する中、フカフカと座り心地のいいシートを装備して一人気を吐いています。特急・急行運用を経験した僚友も存在する、地味ではありますが堅実な設計が光る“優等生”、といったところでしょうか。仙石東北ラインからの乗り継ぎは十数名程度。ボックスシートはふさがっていたので最前方のロングシートに腰掛けます。


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▲キハ110形(女川駅にて)


 この石巻線、乗車前は田園地帯の中をトコトコと走る感じなのかなとイメージしていましたが、石巻-女川間に関しては沿線の6~7割くらいが石巻中心部から続く市街地になっているのが意外でした。

 沢田駅手前からは右手に万石浦(まんごくうら)という潟湖が広がります。外海の石巻湾につながる湾口が幅150m程度の水路状になっているために潟湖内への津波の侵入がある程度食い止められ、牡蠣などの養殖の被害も他の地域ほど甚大ではなかったようです。実際に列車で通ってみても湖岸には古い建物が多く残っており、すぐ先の女川町中心部とは被害状況に大きく差があったことが見て取れました。


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 沢田駅と浦宿駅の中間あたりで石巻市から女川町へ入ります。万石浦に面した女川町内の市街地にある浦宿を出るとトンネルを一本抜け、高所移転した終着駅の女川に到着。石巻からの所要時間は29分、仙台からは待ち時間を含めて1時間44分の旅でした。(つづく)

(2015.06.09)


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