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2015.07.16

15/07/01 (0)格安夜行バス「ブルーライナー」で彩の国へ(前編)

 というわけで、仙台の旅から1ヶ月も経たないうちにLCC体験ツアー第2弾の決行です。キャリアはジェットスターと決まっているので就航している都市から行き先を選ぶことになるのですが…。最初は福岡・熊本あたりに心が傾いていたものの、梅雨時なので屋外はウロウロしにくいだろうな、と考え直し、前々から一度は行っておかないとと思っていたさいたまの鉄道博物館に決定。来年春には京都に新しい鉄道博物館が開館するため、比較のためにもまずさいたまの方を体験しておかなければ、という腹積もりもありました。

 で、最初は成田往復かなと考えていたのですが、さすがに成田と大宮の間はかなりの距離があり、始発便で発っても到着は昼前と遅くなりそう。かといって新幹線は高いですし……と悩んでいましたが、調べていくうちに大阪と大宮を直結する夜行バスがあるのを見つけたので、往路は久々に夜行バスを使ってみることにしました。ということで日帰りではなく0泊2日というプランになったため、「III その他国内の旅」カテゴリーにアップしていくことにします。このカテゴリー、作ったはいいものの全然使ってないので(笑)。



 さて、午後9時半の梅田茶屋町。乗車するバスはホテル阪急インターナショナルと道をはさんで北側に隣接する、「プラザモータープール」という駐車場から発車します。JRの大阪駅・北新地駅や阪神・地下鉄の梅田駅からはちょっと遠いのですが、阪急梅田駅の茶屋町口からは近いので私には好都合。地下鉄御堂筋線の場合は梅田駅よりも中津駅が便利です。今回利用する会社はツアーバスが前身の路線バス新規参入組のようで、この駐車場もツアーバス時代から大阪梅田の発着地の定番だったそうです。入り口にはバス事情に明るくない私は聞いたこともないようなブランド名がずらずらっと羅列してあり、まさに夜行バス群雄割拠の様相。


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 プラザモータープールの様子。本当にただの駐車場です。昼間は普通の駐車場として使われていそうに見えるのですが、検索してもバスの発着場としての情報以外何一つ出てきませんでした。バスターミナルと違って歩行者とバスの動線がまったく分離されていないので、通行には神経を使います。


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 今日と明日はあいにくの雨天。バスを待つ乗客は駐車場奥にあるトタン屋根がかかった狭いスペースに肩を寄せ合っていました。ベンチは一脚もないので全員立ちんぼう。エコノミーな4列シート車の利用客もちょっと豪華な3列シート車の利用客もここでは呉越同舟?です。すぐ横ではバスの発着状況を知らせるスタッフがスピーカーどころか拡声器も使わずに声を張り上げて案内しており、混沌オブ混沌の雰囲気です。こういった徹底的なコストカットこそが旧ツアーバス組の安さの秘訣なのでしょうが、バスターミナルを自前で抱えるWILLERのような最大手はともかく、大阪駅や阪急三番街のようなマトモなバスターミナルを発着するレガシー組とは依然として別次元の乗り物なのだと心得ておくのが無難ですね。このショボすぎる施設からみれば、LCCの安普請ターミナルでさえ天国に思えます。


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▲乗客の待機スペース。どこかの発展途上国ではありません……


 こちらは発着路線の一覧表。旅客自動車運送事業運輸規則(昭和三十一年八月一日運輸省令第四十四号)第五条第二項でバス停留所に事業者及び停留所の名称・運行系統・発車時刻を掲出することが定められているため、それに準拠した形ですね。わずかに昼行便があるほかはすべて夜行便で、そのうち9割は東京都内とその近郊および東京ディズニーリゾート行きで占められており、東阪間の昼夜を問わない太い流動を実感します。


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 時刻はそろそろ午後10時を迎えようかという頃。この決して広くはない駐車場を埋め尽くさんばかりに各社のバスがひっきりなしに入ってきます。22時00分には一挙に7台ものバスが出発していきますが、私の乗車するバスもその到着ラッシュに交じって始発の天王寺からやって来ました。液晶やLEDの発車案内板なんてありませんので、乗車するバスを発見するのは自分の目とスタッフによる肉声の案内だけが頼り。見つけたら見つけたで、今日のような雨天の日には「自分の」傘を差してバスまで向かわなければなりません。飛行機ならタラップ搭乗の場合はLCCでも傘を貸してくれますからねぇ。そういえば中国系の観光客も乗り合わせていましたが、中国語どころか英語での案内もほぼ皆無なのによく見つけられたなぁ、と。


ブルーライナーA便 大阪梅田プラザモータープール(22:00) → 大宮ソニックシティ(翌07:05)

 そんなわけで、今宵の宿の入線です(○番のりば?そんなものはない!)。運行するのは広栄交通バスという埼玉県坂戸市(あ、キリンジの堀込兄弟のふるさとだ)に本社を置く会社で、愛称は「ブルーライナー」。ナンバープレートは川越のものでした。下の写真は終点の大宮に到着した際に撮影したバスですが、他の会社がセンスのないデザインを競い合う中でメタリックグレー一色という潔すぎるカラーリングです。ちなみに外国語による案内は、側面LEDの「OMIYA」表示ただ一つ。ああ、クールなおもてなしジャパンだねえ!! 私が外国人の立場ならば不安でたまらんよ…。


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 運転手さんによる乗車受付で私が告げる名前と乗客名簿を照合し、チェックを終えたらバスの中へ。夜行便なのでカーテンは全席ぴっちりと閉まっています。予約時に確約ではないものの窓側・通路側の希望が可能で、私の席も希望どおり窓側になっていました。昨年乗車したWILLERの昼行便と同様に、異性が隣同士にならないような配慮がなされているのが現代風。車内全体でも前方と後方で性別がキッパリと分けられていました。車内の写真も添付したいところなのですが、列車と違って狭い車内ではカメラを向けにくいので、着座視点のものでご勘弁下さい。


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▲ブルーライナーA便 車内


 ここまで伏せていましたがこのバス、4列席です。3列シートでさえ寝床としては窮屈なのに4列なんて本来はもっての外なのですが、なにしろこのバスの運賃、


2,300円


という破格値なのです。JRの幹線運賃ならば121~140kmのところを、600km近く離れた大宮までこの運賃。正直3千円台ならば迷わず3列席にしていたのですが、2千円台前半という爆安ぶりにはある種の怖いもの見たさも含めてその魔力には勝てませんでした。ま、腐っても21世紀の日本の乗り物なので最低限度の快適性は担保されているだろうと、わりと躊躇なく予約を入れてしまいました。ツラかったらツラかったでその時はBlogのネタにすればいいですし。いや、寧ろそちらの方が「オイシイ」かな?

 客層はやはり10~20代が中心。自分が最年長でもおかしくないかなと思っていましたが、意外にもそうではないようです。最近は若者よりも熟年以上のジジイババアの方がタチの悪い人間が多いので、若い人に囲まれていた方が安心したりもして。夜行バスなんてろくに寝られないのは分かっているので、少しでも睡眠時間を確保するために乗車してすぐに座席をフルリクライニングさせ、スリッパ・耳栓・アイマスクの座席夜行三点セットで万全の睡眠体制に入ります。

 で、このバス、4列シートなので確かに横方向は狭いのですが、座席の下が空間になっているのでちゃんと足が伸ばせますし、リクライニング角度も予想していたよりずっと深く倒れます。しかも格安なのにブランケットつき。使い古しのオンボロバスではなく2014年度投入の新車ということで、各席にコンセントもついています。東京-大阪間の格安移動の定番といえばやはり青春18きっぷ+ムーンライトながらですが、あちらは (1)直通では行けないので乗り換えが必要、(2)深夜も消灯・減光しない、(3)深夜にもトイレ等で車内を移動する人が多々いる、(4)座席のリクライニング角度が小さい、(5)アメニティ類は一切なし、(6)真夜中にも検札がある、(7)車内に不特定多数の人間が出入りできるので治安に不安 …と、安眠を取る環境としてはかなりの難があるため、座席の狭ささえ許容できれば移動環境としては相対的に優れています。とはいえ2,300円というのはオフシーズン平日の底値なので、学校が長期休暇に入る青春18シーズンには大幅に上がってしまい、直接の比較にはならないのですが。思えば4列席の座席夜行って、11年前の冬に乗車した韓国の夜行ムグンファ号以来です。そもそも青春18きっぷ自体、中学生以来20年近く御無沙汰ですし。

 アイマスク装着の闇の中で梅田を出発し、エンジン音・加速度・横Gといった体感だけで新御堂筋→名神高速の定石ルートに乗ったことを確認。22時45分発の高速長岡京バスストップ(阪急西山天王山駅)でも何人か乗せ、ここまで空席だった私の隣もふさがりました(もちろんこの間も目を閉じたまま)。高速長岡京BSの供用開始から1年半、当初は期待もあればまた先行きを不安視する声もありと結構賛否が分かれていたように記憶していますが、半可通の批判もなんのその、定着するに従って順調に発着便も増えているようで大慶至極ですね。大阪行きの便ならば新御堂筋の渋滞回避ルートとしても使えますし。

 高速長岡京BSで乗車側の停車を終え、乗務員による案内放送が入ります(私は耳栓越しで)。もちろん2人乗務なのですが、ちょうどこの記事を執筆している最中にWILLERの夜行便が東名阪道で事故を起こしたというニュースが。当該便はWILLERの自社運行ではなく委託会社による運行だったようで、業界トップのくせにまだ下請けの小間使い続けとったんかい!と慄然としました。こちらも当然2人乗務のはずなのに、あの法改正は一体なんだったのか。結局WILLERの体質は全く変わっていなかったんでしょうね。典型的な労働集約型の産業ですし、そう簡単に改革なんて無理でしょう。私も昨年の大阪-名古屋便の利用が最初で最後になりそうです。こうなるとWILLERに移管された京都丹後鉄道も色眼鏡で見てしまうな。そういえば当時の乗車レポートを書いた時も、宮交の夜行バスがサービスエリアで死亡事故を起こした直後だったっけなぁ。もちろん安く快適に旅が出来るのは有難いことではありますが、その一方で依然としてこの業界にまかり通っている苛酷な労働環境が解決されてないままでいるという闇に目を向けると、無邪気に喜んではいられないという神妙な気持ちにもなります。海外のLCCなんかも結構酷いと聞きますしね…。

 話が横道に逸れてしまったので乗車レポに戻ります。高速長岡京BS出発直後の放送にあった通りに、30分後の23時15分頃、草津パーキングエリアで最初の休憩が入りました。車内にはトイレが設置されていないので(トイレさえあればムーンライトながらに完勝なのに)、2~3時間に一回の割合で15分程度のトイレ休憩が設けられています。私も乗車前に水分断ちしてトイレ回数を減らす努力はしておいたのですが、とりあえず行っておくことに。草津PAで止まった駐車スペースはトイレの真ん前で、よくこんな所空いていたなと感心してしまいました。


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 ちなみに「ブルーライナー」ではセルフサービスで使い捨ての歯ブラシ・マスク・アイマスクの無料配布もあります。たった2,300円でここまでしてもらって申し訳ないな。尤も、最安値の2,300円から最繁忙期の8,000円台までと結構変動幅は大きいのですが。

 トイレ休憩を終え、バスは名神高速を更に東へ。長くなったので続きは分割します。

(2015.06.30)


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