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2015.07.30

15/07/01 (11)ちょっとよりみち☆都電荒川線

 さて、今回の旅の目的も完遂できたのでボチボチ大阪へ帰ることにしますが、ただ単に大阪~てっぱくを往復するだけというのも趣がない、ということで、東京唯一の路面電車として知られる都電荒川線を経由して帰ることにします。実はコレ、元々は鉄道博物館見学が早めに終わってしまった際のオプションプランとして用意してあったものなのですが、いつの間にやら荒川線に乗るためにわざわざ滞在時間を短縮する、という本末転倒なことになってしまいました。



 成田空港へは最終の京成スカイライナーで向かうため、18時過ぎには上野または日暮里に着いておかなくてはならないのですが、まだ3時間近くあるので当初予定していた王子駅ではなく、もっと西の大塚駅から乗車することにしました。念のため乗り換え案内で検索してみたら、充分時間に余裕がありますね。

 往路と同形式のボロいニューシャトルで大宮駅に戻り、ここからJRで大塚駅へ移動しますが、その前に…… てっぱくでおやつの駅弁を食べそびれたので、代わりにエキナカのかにチャーハンの店で腹ごしらえ。やはり博物館見学は足と脳の両方を使うせいか、今日はお腹の減り具合が早いです。


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 まずは池袋へ。大宮から池袋へは湘南新宿ラインと埼京線の2通りのルートがあり、大宮駅の発車案内板にはどちらが池袋・新宿・渋谷に先着するかが表示されています。大宮駅では湘南新宿ラインが地上ホーム・埼京線が地下ホームと分かれるため、発車時刻が迫っていて間に合うかどうか微妙な場合は自己判断で先発列車を見送るのも手です。


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 さらに大宮駅の発車案内板の画像を。高崎線・宇都宮線の上りは従来からの上野発着列車と湘南新宿ラインに加えて今年3月から上野東京ラインが登場し、湘南新宿ラインは東海道線と横須賀線の2方向へ向かい、種別も普通・快速・特別快速が……ああ、ややこしい!! 出発ホームも3・4番ホームと6・7番ホームに分かれるのがその煩雑さに拍車をかけます。それにしたって、幾らなんでも情報詰め込みすぎだろ……


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 余談ですが上野東京ライン開業に伴って熱海-黒磯間267.9km(営業キロ)という長駆の列車が誕生し、寝過ごしたら知らないうちに温泉地or餃子の街にいる…なんて事態も起こりうると話題になりましたが、全区間乗り通すと5時間近くになるため、さすがに途中で目が覚めるでしょう、と。それよりも、姫路で寝入ってしまったらたったの3時間で北陸の敦賀まで連れて行かれる新快速(湖西線経由で営業キロ224.8km)の話する?


湘南新宿ライン快速 大宮(15:57) → 池袋(16:22)
山手線普通 池袋(16:24) → 大塚(16:26)


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 15時57分発の湘南新宿ライン快速平塚行きに乗車します。この時間なので15両編成の車内は座席が7~8割埋まる程度の乗り具合ですが、朝ラッシュ時はこの長編成でも輸送力が足りないくらいなんですよね。あなおそろしや。

 電車は池袋までは浦和と赤羽に停まるだけの快走。並走する京浜東北線の電車を次々と追い抜いていきます。ドア上のLED案内表示器をボーっと眺めていると、やはり負の意味で首都圏らしいというか、人身事故によるダイヤ乱れの情報が複数の線区で流れていますね。後刻乗車する東京メトロ日比谷線も東武線内の事故の影響を受けているようですが、頻発運転の路線なので運行そのものの心配はないでしょう。ま、世界一時間に正確な日本の鉄道!と踏ん反り返ったところで実態はこんなものですし、これからますます酷くなっていくのは間違いのないところです。

 京浜東北線の上中里駅を過ぎた辺りで右へ急カーブを切り、その先は山手線の線路に沿っていきます。どこで東北本線(宇都宮線)の線路と分岐するのかなとキョロキョロしていましたが、実はとっくに大宮駅の時点で分かれて貨物線へ入っていたんですね。このように上野東京ライン(+上野発着列車)と湘南新宿ラインは別線のため、タイミングによっては大宮~王子間でぴったり並走するシーンが見られたりするようです。

 池袋に到着。所要時間は25分でした。埼京線の快速より停車駅はずっと少ないですが、湘南新宿ラインは赤羽~池袋間でルートが東へ大きくふくらんで遠回りなので、あまり所要時間に差はなかったりします(埼京線快速の大宮-池袋間は29分)。

 池袋から山手線で一駅、数分前に横を通り過ぎたばかりの大塚駅で下車します。


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 階段を下りていくと、「都電の走る街 大塚駅へようこそ!」の歓迎メッセージ。その下には大塚娘ファクトリーとして知られる美容形成外科の広告があります。アレ、某高須(←あのオッサンも中高の先輩なんだな…)のように創業者の苗字から来ているのかと思っていましたが、ホントにここ大塚が発祥だったんですね。


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 改札を出て、都電の乗り場へ向かいます。池袋の隣駅ですが、やっぱり繁華街とは全然空気が違います。


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 都電の線路をクロスする歩道の踏切。駅前だけに通行量が非常に多いにも拘らず、遮断機も警報機も信号もありません。ヨーロッパでは自己責任の精神が根付いているだけに珍しくも何ともないですが、日本だと意外と見ないのでは。


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 停留所到着。都電の停留所名は「大塚駅前」です。


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 反対側のホームでは早稲田行きの電車が時間調整のために停車していました。本当は始発の早稲田から乗車してみたかったのですが、同停留所は鉄道・地下鉄各線の駅からは少々離れており(東京メトロ東西線の早稲田駅からは徒歩で10数分掛かるとか)、手っ取り早くJRと接続するこの停留所を選びました。


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都電荒川線 大塚駅前(16:34) → 三ノ輪橋(17:16)

 さて、荒川線の車種は4種類あるようですが、私が乗車したのは――


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(三ノ輪橋停留所降車ホームで撮影)


 現役最古参の7000形でございました。この形式、荒川線唯一の吊り掛け駆動で、しかも発車の際に「チンチン」とベル(電子音ではなく本物!)を鳴らしてくれるため、趣味的には大当たりの車両です。ちなみに運賃は全線均一で現金170円・ICカード165円となっています。

 ノスタルジックなチンチン電車に乗って、一路東の終点である三ノ輪橋へ。この荒川線、路面電車とは言いながらもほぼ全区間が専用軌道またはセンターリザベーションとなっています(まさにそれが都電の路線として現在まで存続した理由)。「とげぬき地蔵」で有名な巣鴨を通るだけあって、沿線はステレオタイプなトーキョーのイメージとは180度違う、庶民的な街並みが続きます。それでも所々でタワーマンションが望めるのはやはりメガシティといったところ。大都会でひっそりと走る路面電車といえばやはり大阪の阪堺電車を思い浮かべるのですが、あちらが3編成の超低床式車両『堺トラム』以外の車両はすべてステップ付きなのに対し、荒川線は最古参から最新型まで高床タイプの車両なので、乗り降りが楽だという利点があります。


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 飛鳥山停留所までは専用軌道が続いていましたが、ここから次停留所の王子駅前までが東京都内で唯一残った併用軌道区間。この区間が現存しているからこそ、全線専用軌道の東急世田谷線とは一線を画す存在であり続けるとも言えます。この明治通りを走る区間、ほんのわずかの距離なのですが相当な急勾配で、電車はそろそろと慎重に坂を下りて行きます。数値にすると66パーミルとのことですが、体感的にはもっとあるような印象でした。昔乗ったリスボンやシュトゥットガルトのトラムを思い返してみたり。

 王子駅前では時間調整の停車を行い、ここからは荒川線東半分の区間へ。当初は王子駅前から乗車する予定だったのですが、それだとあの併用軌道&急勾配区間を体験できなかったため、大塚駅前から乗って大正解でした。

 荒川線の車庫がある荒川車庫前停留所では、三ノ輪橋行き電車は降車ホームと乗車ホームに二度停車するという珍しい光景が。その後も日暮里・舎人ライナーや京成本線・東京メトロ千代田線と接続を取りつつ、下町を貫く専用軌道を東へ進んでいきます。そろそろ夕方なので車内は立ち客も多数。他線との接続駅を中心に入れ替わりは激しいですが、都心から放射状に延びる各線とのフィーダー輸送に徹しているかと思いきや、意外にも長距離を乗り通す乗客も少なくないようです。乗客の顔ぶれは老若男女まんべんなく揃って活気があり、気取らない東京の素顔を味わえるとても楽しい路線でした。博物館の歴史ある車両を愛でるのもいいけれど、やっぱり現役の列車で乗り鉄するのが一番だね!


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▲終点近くでは正面に東京スカイツリーが


 大塚駅前から40分ちょっと、21の停留所を経由して終点三ノ輪橋に到着。この停留所も降車ホームと乗車ホームが分離されていました。

 三ノ輪橋停留所は「関東の駅百選」第1回の選定駅となっています。荒川線の荒川区内沿線はバラの植栽で彩られていることで有名らしく、この停留所も小さなバラ園になっていました。


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 三ノ輪橋停留所の乗車ホーム。2007年に停留所がリニューアルされた際にレトロ風の演出がなされ、懐かしのホーロー看板も設置されていました。


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 しばらく佇んでいる間に次の電車が入線。この黄色に赤帯のカラーリングは、都電の旧塗色の復刻カラーなのだとか。


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 停留所の入り口には緑のアーチがかかっています。


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 日比谷線の三ノ輪駅までは徒歩3分。道順は簡単ですが、親切な案内地図も掲示されていました。


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 駅前商店街は悲愴なるシャッター通り。旧来の商店街の衰退は何も地方だけでなくこのような大都市でも顕著ですが、専門家によるこのような見解もあり、最近は昔ほど問題意識を感じなくなってきました。基本的に人間(ここでは商店主のこと)は自分のことしか考えないものなので、だからこそインセンティブの付与という点で行政の手腕が問われるわけですが、大体衰退の理由というのはいくつかの類型パターンに集約されて地域固有の事情が占めるファクターというのは小さいもの。従って全国レベルでのスキームの共有およびモジュール化が必要なわけですが、それを怠って個々の自治体における属人的な職人芸に頼っているうちは、衰退に歯止めをかけるなんて無理でしょう。つまりは経産省は何をしとんねん、という話ですが。


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 レトロ調にリニューアルされた停留所ですが、それでなくとも駅周辺の風景は素のままでものっそいレトロ。21世紀であることを一瞬忘れさせる、ちょっとした異次元体験です。下2枚目の写真の建物は、荒川線の前身である「王子電気軌道(1942年に東京市が買収)」の元本社ビルなのだとか。


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 三ノ輪駅へ向けて日光街道(国道4号線)を歩いていきます。荒川線の停留所名となっている「三の輪橋」はかつて日光街道と石神井用水が交差する場所に架かっていた橋の名前で、昭和初期に用水は暗渠化されたために現在は停留所にその名が残るのみなのだそうです。なお、現在もこの場所が荒川区と台東区の区境となっています。


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 前方には東京スカイツリー。もうとっくに雨は止んでいるものの、今日は一日中ずっと曇り空のようです。


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 無事に三ノ輪駅に到着。ここまで来ればスカイライナーの始発駅である上野までは日比谷線で2駅です。


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 というわけで、スカイライナーの発車40分前に余裕で上野到着。我ながら充実した寄り道プランでありました。


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 次回は新型スカイライナーに乗って成田空港へ向かいます。

(2015.07.01)


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