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2016.12.19

16/10/25 (7)気仙沼線BRT Part3【本吉→気仙沼(「旅」車両)】

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 本吉駅は鉄道線時代からJR東日本仙台支社と盛岡支社の境界だったため、BRTでも当駅で乗務員の交代が行われました。この先は平地が続いて沿線人口も多いので、昼間でも30分間隔で運行されるという鉄道線時代からすると激増ともいえる頻度が確保されています。「eBRT」というリチウムイオン充電池で走行する電気バスが導入されているのも、この本吉-気仙沼の区間。22kmを充電なしで走破してしまうとのことです。



 ここからは高校生がどっさりと乗り込んできて、ここまで全部空席だったロングシートが一気に埋まってしまいました。尤も、「田舎の高校生は見知らぬ他人とは絶対に相席しない」の法則はここでも発動され、立ち客がいながら私の陣取るボックス席には誰も座らないという、非合理の極みのようなシーンが展開されています。まぁ、高校生どころか何故だか大人も座ろうとしなかったので、結局気仙沼までボックスシートを独り占めできて快適な旅となりましたが。

 時間調整も兼ねた3分停車ののち、再出発。ここから3度目の専用道区間へ入りますが、次の小金沢まで半分ちょっと過ぎたところでまた専用道を下りてしまいました。

 国道を小金沢・大谷海岸(おおやかいがん)と進み、大谷海岸と陸前階上(りくぜんはしかみ)の中間あたりで4度目の専用道へ。今回の気仙沼線BRT乗車では唯一と呼んでもいい、まとまった長さの専用道区間となります。次の陸前階上は鉄道のプラットホームと跨線橋が残されたままの構内にBRTのホームを横付けで設置した駅。陸前港と蔵内の両駅が現在国道上へ移設されているため、前谷地・柳津方面から来ると初めてとなる専用道上の“中間”駅です。鉄道線時代は島式ホームでしたが、BRTは左側にしかドアが付いていないので必然的に対向式ホームに。

 本吉以北は気仙沼線全通前の1957(昭和32)年に開通した区間なので、立体化率は低く大小の踏切が随所に存在します。なかでも大きな通りと交差する部分には道路側・専用道側双方に信号が設置されており、当方のバスが接近すると即座に道路側の信号が赤に。一般車の誤進入を防ぐためにBRT通過時以外は遮断機が「専用道側」を塞ぐという、通常の踏切とはあべこべの風景となっています。信号のない踏切も五新線とは違って専用道側が優先となっている模様でしたが、さすがに全く減速しないままで駆け抜けるというわけにはいかないようで。もう一つ、山あいを走る本吉以南とは対照的にこちらは平地で基本的に見通しが良いので、行き違いのための待避所が頻繁にある代わりに信号は設置されていませんでした。

 気仙沼が近づいてくると乗客の入れ替わりも多くなり、最知(さいち)の次の松岩のすぐ手前で専用道は終わり。現在の国道はバイパスとして気仙沼市街地の西側を迂回していくので、旧道にあたる県道26号線に乗り換えて市の中心部を目指します。

 終点気仙沼までは残り3駅。ここまでは順調に走ってきましたが、市街地に入ったところでとうとう夕方の渋滞に捕まってしまいました。片側一車線のため、右折で沿道のロードサイド店舗へ入る車がさらなる悪化の原因にもなっているようです。この区間では鉄道の線路はやや東側へ迂回しており、県道沿いにはロードサイド店舗群のほか「イオン気仙沼店」のような大型商業施設もあるので現行ルートの方が集客には有利なようにも思えましたが、鉄道代替バスという原則は崩せないのか、実際に停留所が設置されているのは気仙沼市立病院近くに移設された南気仙沼駅のみとなっています。定時性の確保のためにはこの区間の鉄道線跡を専用道化してしまうのが効果的なのですが、線形の関係で利便性とのトレードオフが避けられないのが難しいところです。

 線路のガードの手前で左折。不動の沢駅からは気仙沼線BRT最後の専用道区間へ入ります。午後4時半過ぎにしてもう夜の帳が下りようとしているところで、今回はその前にどうにか終着駅まで辿り着けることになりました。とはいえ車窓の撮影については本吉の時点でもう既に無理のある明るさではありましたが…。

 16時42分、終点気仙沼駅に到着。南気仙沼付近での渋滞の影響で、定刻よりも5分遅れの到着となりました。この先は大船渡線BRTに乗り継いで陸中海岸を目指すこともできますが、今回の旅はここが終着地です。


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 それではごく簡単に気仙沼線BRTの総評を。まず「これはBRTではない」という大前提は揺るがないとして、道路が混雑する気仙沼市街地を除けばあえて専用道を通す必要性は薄いですし、システム云々よりも鉄道線と同様のフォーマットで市販の時刻表に時刻と路線図が記載され、賃率も鉄道線と変わらないという、従来のバス転換とは異なるBRTというパッケージング自体に意味があるのかなと。やはり最大の課題は専用道区間でのスピードということになるのですが、走行路をガイドウェイ化して閉塞のシステムを流用すれば100km/hくらいまでの高速化は可能と考えられるものの(e.g. アデレードのO-bahn)、広域交通については近く気仙沼まで開通予定の三陸自動車道が担うことになりますし(志津川までは訪問5日後の10月30日に開通済み)、鉄道線時代から有効活用されているとは言い難かった路線に積極的に投資を行うインセンティブもJR東日本には存在しないということで。基本的には現状維持のまま、全国津々浦々のローカル線と同様に高校生の通学輸送を中心とした地域交通としての役割が主体となりそうです。

 気仙沼駅ではBRTは鉄道線時代のプラットホームを改修した乗り場に発着しています。気仙沼線柳津-気仙沼間および大船渡線気仙沼-盛間がBRT化された一方で、大船渡線気仙沼-一ノ関間は鉄道線として存続しているため、構内北側にはいつもの線路と気動車が。


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▲大船渡線(鉄道線)が発着する4番ホーム。奥には切り欠き型の3番ホームが


 気仙沼駅の駅名標。どうしてポケモンが描かれているのかと思ったら、大船渡線(鉄道線)にポケモンとタイアップした特別車両が走っているらしいです(→参照ページ)。JR四国のアンパンマン列車のようなものでしょうかね。


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 こちらがBRTの走行路として改修された部分です。どこから見ても駅なのに線路があるはずの所がアスファルト舗装になっているという、これを奇観と呼ばずして何と言おう。ちなみに1枚目の写真には跨線橋が写っていますが、現在はBRT走行路を横切る構内踏切(…と、便宜的に)を経由して駅舎から全ての乗り場へ平面移動できるようになっているため、階段の昇り降りをする必要はありません。


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 駅舎内。発車時刻表には「BRTバス」という表現があり、Bとバスとで意味が重複するのでちょっと引っかかるのですが、同じくよく使われる「Suicaカード」もcaとカードがカブってますし、日本での横文字の運用は難しいものだなと(笑)。その奥には改札口がありますが、ここは大船渡線の鉄道線のためのもの。BRT利用の場合は車内で運賃収受を行うので、ここは素通りとなります。私もBRT下車時に仙台からの乗車券を運賃箱に放り込んできました。仙台からの通算乗車時間は3時間35分(待ち時間除く)。また死んだ子(中略)、快速<南三陸>時代の所要時間は約2時間と、現行のBRT経由のみならず競合する高速バスと比べても圧倒的なスピードを誇っていました。


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 次回は今夜のお宿へ向かいます。

(2016.10.25)


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