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2017.03.20

17/01/23 (5)伊勢神宮外宮 その2

 手水舎の横にある休憩所の奥からせんぐう館へ入館(入館料は個人一般で300円)。その前にここから眺めた「まがたま池」の写真を載せておきます(1枚目の写真左側の建物がせんぐう館)。この屋内にいる間が降雪のピークだったので、“雪宿り”も兼ねられるという丁度いいタイミングでした。



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 もう一つ丁度いいタイミングだったのは、偶然にも一日2回実施される学芸員によるガイドツアー(10時20分と14時20分/定員約20名)の開始まであと15分という時間にやって来たということ。きっとこれもアマテラスはんの思し召しなのでしょう。ありがたやありがたや。因みにこちらのガイドツアーは日本語のみではありますが、外国人向けのサービスとして主要7言語に対応した音声ガイドの貸し出しが行われています。どちらも参加・利用料金は無料。

 ガイドツアーの所要時間は30~40分ほど。なお、館内の展示品の撮影は不可なので写真はありません。退館の際にいただいた38ページのパンフレットに綺麗な写真を交えて展示内容が詳しく記載されているので、私については見返すことが出来るのですが…。一応せんぐう館の公式サイトにリンクしておきますが(→こちらから)、HTML5を存分に駆使した激重ページなうえに何処を探しても軽量版がないので(誰もが高性能マシン+高速回線でアクセスしているわけではないのに。かつての「インパク」を髣髴とさせるお役所仕事っぷりです、残念ながら)、その点はご留意ください。

 ここは個人ブログですので、折り目正しく纏めるのではなく飽くまでも脱線だらけの雑感ということで。

◆最初の展示コーナーは「瑞穂の国」と銘打たれており(ああ、なんてタイムリーな“時事”ワード!)、ここのイメージ写真として使われている「神服織機殿神社(かんはとりはたどのじんじゃ)」の鎮守の森の全景が物凄いインパクト。松阪市にある伊勢神宮の125社の一つで(伊勢神宮は総称。内宮・外宮の正宮・別宮もこれらの構成要素として個別に数える)、神へ奉納する絹の御衣を織る神社なのですが、日本の原風景そのものというかトトロの森を具現化(実写化?)したような感じです。そのファンタジックな情景に魅せられて実際に現地へ足を運ぶ人も多いようなのですが、そのわずか500mほど東には巨大なイオンのショッピングモールがデデーンと構えているようで。夢がないな……。
ストリートビューで見る神服織機殿神社 / …のそばのイオンモール

◆この御衣を含めたお供え物を「御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう)」といい、日本の持てる技法の粋を結集して作り上げられる究極の工芸品。実物は一般の人が目にすることは出来ないのですが、せんぐう館にはまったく同一の工程を踏んで作られたレプリカが展示されています。こちらも伝統工芸の例に漏れず、後継者不足の問題が常に付き纏っているそうで。確かに資本主義、より精密に言えば国民皆労働制の下では真っ先に犠牲になる分野ではありますが、消費財の供給量が飽和点を迎えてすべての国民に無条件で衣食住が保証されるという環境が整った現代ならば、これまでマッチポンプ的なビジネスでリソースを浪費していた人材が適材適所を地で行くかのようにして自然に集まり、芸術・文化振興などと大上段に構えて特別な庇護を与えるまでもなく問題ごと霧消してしまうはずなのですけれどもね。

◆御装束神宝は20年に一度の式年遷宮の際に新調されるものですが、「神饌(しんせん)」という一日二度欠かさず神に献上する食事もあり、こちらの見本も見学できるようになっています。単に生の食材を膳に乗せただけで終わりではなく、人力で火を起こしての加熱調理も行うというのですから結構本格的です。伊勢神宮の神饌に用いられる食材は伊勢周辺の御料地で生産されており、食料自給率は100%なのだとか。素晴らしいですね、じゃあ我々国民は…?というと、こちらも上の話と同様に農業・漁業から「生活のためのビジネス」という腫瘍を切除して純粋に内発的な意欲および適性のみを基準として従事者数の適正化を図る、つまりは機械化・自動化による効率性の向上を加速させるためのインセンティブを人為的に作り出す、という方法でもって飛躍的な改善は可能なのですが。これは所謂「三ちゃん」の大多数のクビを切る(実際には生活が脅かされることはないのですがロジックを理解するのが困難)、即ち大票田の地方を敵に回すような施策であるので、民主主義が高度に機能している本邦では実現へのハードルは果てしなく高そうではあります。……もはや機が熟すのを悠長に待つような時間はないのですが。

◆――と、ここを訪れた見学者が誰一人として持たないような視座でもって、サスティナブル・葦原中国のあり方を考えてみたのでした。

◆こちらの博物館の目玉となるのが、外宮正殿の側面の4分の1を原寸大で再現した模型。こちらの展示ガイドは一日6回実施されており(10:00から15:00まで1時間おき/所要約10分)、ガイドツアーからシームレスに参加することも可能です。先に見てきたように正殿は何重かの板垣で囲われていて一般の参拝者は接近することが出来ないため(すぐ正面まで来れるのは天皇皇后両陛下のみですが、それでも建物内へは立ち入れないとのこと)、高さ約12メートルというスケールはここでしか体感することは出来ません。これを20年毎に惜しげもなく建て替えてしまうんだもんなぁ~。ただ、古材は廃棄してしまうのではなく、内宮・外宮の他の建造物の修繕に使われたり全国各地の神社の鳥居に流用されるなどといった再利用のシステムが確立されているとのこと。「持続可能な営み」、そして「他所から奪うのではなく持っているものでどうにかする」というのが、1300年前から連綿と続く式年遷宮に一貫するキーワードのようです。

 併せて1時間。文化的・学術的見地からとても解りやすい説明をして下さった学芸員さんに感謝です。仏教やらキリスト教やらイスラムやらは滅びればいいと思っている私ですが(爆)、神道については国家神道の成分を濾過したうえでその奥深さを見直すきっかけとなりました。最後に我々だけ「(ガイドツアーから)引き続いて参加していただき、ありがとうございました」と言われてしまいましたが…。いえいえ、こちらこそ。しかし何でいつも黙ってても目立つんだろー。なにか特殊なオーラ出てる? ワシ(笑)。


**********


 午後3時15分にせんぐう館を出ると、雪のほうはすっかり降り止んでいました。今日は早目にホテルへチェックインしてのんびりするつもりなので、伊勢市駅から再び近鉄に乗って宿泊地の鳥羽へ向かうことにします。

 駅に着いてホームへ出ると、まずは15時33分発の鳥羽行き特急が先発。近鉄が誇るスーパーパスポート・『まわりゃんせ』ならば伊勢志摩エリア内で特急が乗り放題となるのですが、我々が携えているのはそのような高等なチケットではないため、大人しく6分後にやって来る各駅停車を待つことにします。賢島ではなく鳥羽が終着だとはいえ殆ど空気輸送のような状態で出発していく電車を見送っていると、こういった末端区間限定で超短距離用の特急料金の設定があればなぁ…と思ったりもしました(現在は40kmまで510円が最安)。

 その3分後、向かい側のホームに24時間後に乗車することになる京都行きのしまかぜが到着。我々が外宮エリアに滞在している間に賢島から折り返してきた編成となります。前から4両の外観が一両ごとに全く違うということからも、この列車の設備の多彩さが見て取れます。


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近鉄山田線・鳥羽線普通 伊勢市(15:39) → 鳥羽(15:56)


 さらに3分後、賢島行きの普通電車の到着です。形式は1259(1230)系で、ワンマン運転の2両編成。民鉄最大の路線網をもつ近鉄だけに、大都市圏を離れた地方にはこのような運賃箱付きのワンマン列車が走っていたりします(確か東武にはまだ無かったはず)。下校の高校生との混乗となりましたが、3人並んでとはいかなかったものの座席には座ることが出来ました。


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 宇治山田からは線形の良い鳥羽線を軽快に走り抜けていきます。伊勢市から鳥羽までの所要時間は17分。対して先行する特急は14分と、普通とは3分の違いしかありません(朝熊と池の浦に停まらないだけ)。内陸部を通る路線なので海が見えるのは最後の一駅間のみ。この30分ほどの間に天候は急速に回復へと向かい、鳥羽に着いた頃には青空まで広がる有様でありました。

 鳥羽市街近くの「安楽島(あらしま)」という丘陵地の上が温泉街となっており、今晩滞在するホテルもこの一角に位置します。鳥羽駅の1番出口を出ると、温泉街のホテルへの送迎バスがずらーーーーっと並んでいました。その中で一番目立つレトロ調のバスは駅のすぐそばにあるホテルのもので思わず脱力(歩いても3分だそうです)。

 乗車した送迎バスは14:30から18:00まで30分おきに定時出発しており、駅での接続時間は4分と絶妙オブ絶妙。この界隈は11年前に鳥羽からフェリーでセントレア(中部国際空港)へ向かった時に通過したのが最後だったため、久しぶりにバスの車窓から眺める風景が懐かしいですね。ちなみに安楽島は島ではなく、鳥羽市街から眺めると海を隔てているためにそう見えることが地名の由来になっているそう。島っぽくないのに実際に島だという賢島とは真逆のような関係です。

 安楽島へ入った途端に道路は急坂となり、ぐいぐい登って鳥羽駅から10分、海抜100mくらいのところにある『ホテルアルティア鳥羽』に到着です。次回はホテルステイ編。

(2017.01.23)


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