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2017.05.13

17/05/08 (3)観光特急青の交響曲 その3【往路/大阪阿部野橋→吉野(後編)】

 3号車へ戻ってきました。先述のようにシートの配置は進行方向向きの一人掛け・二人掛けシート、そしてボックス状のツイン席・サロン席となっていますが、もう一つ下の写真のように両先頭車の運転室直後に1席ずつ、編成中で2席しかない変り種の区画が存在します(座席のヌシが出掛けているあいだに撮らせて頂きました)。ご覧の通りここだけ座席が外側へ大きく角度をつけてあり、固定テーブルとテーブルランプを設置。本来二人掛け席があるはずの反対側のスペースは機器箱となっていて人の出入りがまったく無いため、編成全体で最もプライベート感の高い空間となっています。


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 尺土・高田市と停まり、大阪阿部野橋から35分で橿原神宮前に到着。悲しいことに早くもここが時間的な中間地点となります。私の隣の二人掛け席からは乗客が降りていき、それと入れ替わりに新たに乗車がありました。基本的に南大阪線内発着の利用が多い吉野特急ではありますが、京都・名古屋・伊勢志摩方面から特急を乗り継いで吉野方面へ向かうパターンもあるので、吉野線内のみの利用も根強い需要があります(それでも行楽シーズン以外はガラガラですが)。料金面でも近鉄特急の場合は複数の系統を乗り継いでも特急料金が通算されますし(※一定の条件を満たす必要あり)、青の交響曲のデラックス料金を追加したところで大人210円。吉野まで40分というほんの短い乗車体験ではあるものの、割高感というのは微塵もないと考えてよいでしょう。重厚でありながら乗車の敷居は限りなく低い、それこそが青の交響曲の最大の魅力です。


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▲橿原神宮前からは吉野線へ


 吉野線へ入ると線路は単線に。南大阪線内も道明寺~古市付近の連続急カーブ区間を筆頭に曲線は少なくないのですが、山間部を通るこの路線はそれとは比べ物にならないほどの急曲線の連続。細かい加減速や交換可能駅でのポイント通過など、列車が前後左右に振られる場面が格段に増えます。最近ではしまかぜや東武の新型特急『リバティ』のように在来線でも全車にフルアクティブサスペンションを導入する車両が登場しはじめましたが、こちらの足回りは40年前のまま。乗り心地に関しては現在の水準に照らして高得点というわけにはいかないかな…といった印象です(軌道の保線状態の影響も大きいとは思いますが)。青の交響曲の場合は沿線の特性から足腰の弱った年配の乗客が多いですし、ラウンジカーから飲食物を持ち帰ったりするのに車内を移動する機会も多いため、列車内の歩行に際して動揺の抑制効果がより切実に求められるところ。ただ、古い車両の改造車である以上は対策は容易ではないので、列車内をうろつく時には普段以上に気をつけてもらうしかないでしょうね。

 南大阪線内の途中停車駅は2駅とそれなりにいいペースで駆け抜けてきましたが、吉野線内は壺阪山~吉野口間で2駅通過するのを除いて1駅通過か連続停車というスローペース。他線の特急と比べても際立って一般列車とのスピード差が少ないということもあり、南大阪線・吉野線内で完結する乗車に限っては全線510円の均一特急料金が採用されています。距離制に当てはめると大阪阿部野橋~吉野間の特急料金は900円になるので、実は他線系統の普通席を下回る料金でこんな豪華な列車に乗せてもらえるんですね。

 薬水駅を通過してしばらく行くと、列車は始発駅以来最初のトンネルへ。車内は飴色の光に包まれてムーディーな雰囲気になります。とはいえ、この先にごく短いトンネルが更に2本あるものの、この雰囲気を味わえるのは走行区間全体でほんの一瞬のこと。現時点では夜間に走行する運用はありませんし、他には冬至前後に上り(吉野→大阪)の最終便にて終盤に日没を迎えた時くらいなものでしょうか。


 福神の手前くらいの車窓。今日の天気は晴れ、最高気温は25度という絶好のお出かけ日和になりました。


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 軽便鉄道がルーツの路線ということで時としてトロッコ列車並みの速度になったりもしつつ、吉野川(和歌山県内では紀の川)の右岸沿いを遡ることしばし。橋を渡って左岸へ移ると、終着駅吉野はもう間もなくです。ちなみに3号車の乗客の多くがパックツアーの団体客。私の真後ろの席もそのツアコンさんでした。一日2往復の青の交響曲のうち、朝大阪発・夕方吉野発の2便については個人客と団体客で65席を奪い合うという状況がしばらく続くことになりそうです。

 11時26分、定刻通り到着。乗ってきた列車は12時34分発の大阪阿部野橋行きとして再び出発していき、一往復の仕業をこなしたのちに我々の乗車する16時04分発の最終便となります。下2枚目の写真で青の交響曲の右に停まっているのは11時34分発の汎用車両で運転する特急、そして左に停まっているのはその3分後に出発する急行。桜シーズンなど臨時列車が増発される日以外は中央寄りの2線のみで発着をこなしているため、右の1番線に列車が停まっている様子は今回初めて目にすることになりました。


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 なお、16200系電車は予備車がないので原則として毎週水曜、検査のための運休日が設けられています。しまかぜの場合は該当日は文字通りの運休となってしまうのですが、こちらは同じダイヤを使って汎用車両による運転を実施。この辺りはしまかぜは既存の特急ダイヤパターンへの「上乗せ」、青の交響曲はダイヤの「一部置き換え」という性格の違いに拠るものと思われます。

 さて、さしもの乗り鉄といえども折角ここまでやって来てトンボ返りという手はありません(同道者もいますし)。桜の季節が終わって静けさを取り戻した吉野の山にて、萌え立つ新緑を楽しんでいくことにしましょう。

※青の交響曲復路編はコチラ→その4


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(2017.05.08)


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