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2019.09.16

『京とれいん 雅洛』に乗ってみました

 2011年、阪急京都本線に「衝撃的」なデビューを果たした観光列車『京とれいん』ですが、今年3月、8年越しとなる第2編成『京とれいん 雅洛(きょうとれいん-がらく)』(→阪急電鉄の公式ページ)が登場し、私も営業運転開始から間もない頃に乗車してきましたので、蔵出しレポートといきます。



 実は4月下旬と5月上旬の2回乗車しているのですが、どちらも河原町駅(※来月1日より「京都河原町」駅に改称)からの乗車だったので、まずは河原町駅ホームから。電車は切り欠き式の2号ホームに発着するため、反対側のホーム東端には下の写真のような案内パネルが設置されています。土日祝日ダイヤのみの運行なのは1編成時代と変わりませんが、初代京とれいん(以下、「無印」と記述)と京とれいん 雅洛(以下、「雅洛」と記述)が1時間ごとに交互に運転され、河原町駅基準で10時41分から16時41分まで7回の乗車チャンスがあります。十三駅の上り(京都方面行き)ホームにホームドアが設置されたために、ドア位置の合わない無印充当列車は同駅は通過となり、新規に「快速特急A」という種別が設定されました。第2編成は無印の置き換え用に導入されるのではという噂もありましたが、結果的には阪急最大のジャンクション駅を通過する(実際には運転上の理由により一旦停車を行うとのこと)という、シンプルながらも意外なソリューションによって無印が続投することになったのでした。


Garaku_01


 2号ホームで入線待ち。無印&雅洛が運転される時間帯は1号ホームと3号ホームで特急・準急の発着をこなしているため、2号ホームは無印&雅洛の専用ホームとして使用されます。下の写真は雅洛発車の30分前に撮影したのですが、乗車位置にはもうそれなりの列が出来ていますね。


Garaku_02


 雅洛のフロントマスクです。形式は7000系(7006F)。無印の6300系とは異なり神宝線仕様の編成となります。というわけでデビュー直後の春休み期間には、西宮北口~嵐山間を直通する臨時列車としてさっそく神戸本線への乗り入れが実現しています。


Garaku_03


 車両の紹介に移る前に…… 2度目の乗車では2枚目の写真のように早目にホームで入線待ちをしていたのですが、到着後降車が済んだらいったんドアを閉めて車内整備を行う(…というのは口実で、実際には車内に留まったままでの折り返し乗車を防ぐべく全員降ろすため)というアナウンスがホームに流れていたのも拘わらず、降車が済んだそばからドドドドドドッと車内へなだれ込む他の乗客たち。すぐにアルバイト駅員たちの声掛けによってこれらの人々は降ろされたのですが、これはさすがにオペレーションがまずいのではないかと。同行者とのおしゃべりに夢中でアナウンスが耳に入っていない人も多かったようですし、孫を連れたおじいちゃんおばあちゃんならば何としてでもかわいい孫に良席をゲットさせてあげたい!という熱意も漲っているでしょうし。無印&雅洛は6両編成、対して京都河原町駅2号ホームは7両編成分の長さがあるので、少し前の京阪特急で実施していたように降車のドア扱いの際には半車両分手前に停める⇒ドアを閉めてから正規の停止位置に移動、という感じの措置を取った方がよろしいのではと思われます。今回は手際の悪いアルバイト駅員(本人を非難する意図はありません。あくまでオペレーションの問題)の指示に皆さん粛々と従ってトラブルなく収まりましたが、下手したら喧嘩になりますよ、コレ。なお、梅田駅(※こちらも来月1日より「大阪梅田」駅に改称)では乗車ホームと降車ホームが分離されているので、この駅のような不都合は生じません。


 種別・行先表示器はフルカラーLEDのものに交換されています。種別部分は「快速特急/Rapid Limited Exp.」と「京とれいん雅洛/Kyo-train GARAKU」の交互表示。


Garaku_04


 無印の座席配置は種車時代から引き継ぐ転換クロスシート(1・2・5・6号車)と2+1配置のボックスシート(3・4号車)という2種構成になっていましたが、雅洛の方は[A]1・6号車、[B]3・4号車、[C]2・5号車の3種構成。奇数号車と偶数号車でカラースキームをはじめとする細かい差異があるので6両すべてのインテリアが異なりますが、ここでは座席配置に絞って見ていくことにします。
※初代京とれいんと見比べたい方はこちらこちらからどうぞ。


 1度目の乗車で陣取った、京都側先頭車の6号車。


Garaku_05


 雅洛への改造にあたって下の写真のように中間の扉が埋められて2ドア化されたため、ここには丸窓が設置され、旧戸袋部分にまたがるように扇のイラストが描かれています。同じ2ドアでも無印の場合は車端に寄せられたイレギュラーな配置なのに対し、こちらは種車と同じ配置なので、十三駅のホームドアでも中間部分を締め切るだけで対処できます(雅洛専用の開扉スイッチがあるそうな)。


Garaku_06


 2・5号車のみは扇ではなくススキとホタルをモチーフ?にしたデザイン。


Garaku_06b


 乗降扉です。ドア窓が雅洛オリジナルのスリット状のものに変更されていたり、鴨居部分にワイドサイズのLCD車内案内装置が取り付けられていたり等々、ここだけでも無印以上に大きく手を加えられていることがよく分かります。


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 (乗降扉が端に寄せられているために)無印には存在しない、車端部の座席。デザインは号車の組み合わせごとに違うものの、6両共通でロングシートが基本となっています。1・6号車には下の写真のようにコーナーソファっぽい部分も。左に見切れているのは一人客用の簡易クロスシートです。


Garaku_08


 無印よりも幅広でしっかりとした造りのパーティション。特別料金不要の列車ながら、最早JR東海の373系を超えてしまっているのでは。さらに暖簾も追加されており、地下駅の京都河原町駅では隣のホームに電車が入線してくる度に、この暖簾が風でふわりと舞っていました。


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 1・6号車のボックスシート。ホワイトバランスが統一されていないのは1回目と2回目で別のカメラで撮影したためなので、ご了承願います。


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 シートは無印のボックスシートとほぼ同仕様ですが、座面及び腰部分のクッションが肉厚で柔らかくなっており、座り心地が目立って改善しているように思われました。


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 その一方で、窓割りについてはロングシート車からの改造のためにいずれの席も壁が邪魔となり、微妙もしくは完全にハズレといったところ。私は8000系の転換クロスシート車で慣れてはいるのですが…。京阪8000系のプレミアムカーも同様の弱点を抱えていますが、こちらは乗車券のみで乗れるので堪忍してや~、ということで。


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 無印ならば真っ先に埋まるボックスシート区画ではありますが、雅洛では松・竹・梅のうち竹コースといったところ。

 では梅コースはといいますと―― こちら↓の2・5号車が該当するかなと。一人分ずつセパレートしてあってスペースも広めなものの、ロングシートですし吊り革もぶら下がっていますし。


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 元中間ドア部分の片側には座席は設置されておらず、このような小さな庭がしつらえられています。水戸岡デザインの車両とは異なりシートの座り心地については一定水準はクリアしているものの、居住性よりも雰囲気重視の号車かな、という印象でした。


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▲2号車「枯山水の庭」

Garaku_16
▲5号車「京町家の坪庭」


 それでは暖簾をくぐって、3・4号車の松コースの方へ。このカットだけを見ると、大江戸温泉物語か何かかと誤認してしまいそうですが。


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 車内全景。左側と右側で座席の配置を変えてあります。


Garaku_25


 2回目の乗車で私が座った、京とれいんシリーズでは初登場となる一人掛けシート。集団見合い式の固定クロスとなっています。1・6号車の直角ボックスシートに対してこちらは背ずりに角度が付いており、クッションについても編成全体で最も上質なものが使われている模様。


Garaku_19


 腰掛けてみると座面がやけに広いな、と感じて、iPhoneの計測アプリで簡易計測してみたところ、新幹線グリーン車を10cm上回る60cmという驚愕の結果に。


Garaku_21


 側窓の下には小さなテーブル、座席背面には小物を掛けられるフックが。リクライニングこそしないものの見た目はバックシェルタイプのシートで、料金不要列車とは思えないほどのゴージャス感があります。実際に測ってはいませんが、シートピッチについてもアッパークラスレベルの余裕ある広さが確保されていました。窓割りが座席と揃っているのも◎。


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 日除けを下ろすとこんな感じです。


Garaku_22b


 反対側はグループ客にとっては最有力候補となるであろう、窓向きに配置されたシート。


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 この区画には1回目の乗車にて、最終区間の淡路-十三-大阪梅田間でちょっとだけ座ってみました。こちらの特徴は窓辺にカウンターテーブルが設置してあることで、阪急史上初となる「大手を振って飲み食いが可能な座席」となっています。実際、私が乗車した時にはビールを持ち込んでいる人もおられましたので。もちろんシートの座り心地に不満はなく……というか、京都丹後鉄道のあかまつが飛び抜けて酷かっただけですが。なお阪急車両の例に漏れず車内にトイレはありませんので、その点のみはご注意のほどを。


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 車端部はやはりロングシート。妻面には観光情報を提供するLCDが設置されています。


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 さらに外観の写真を貼って。


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 ここからは軽く行程編を。1回目(二人掛けボックス)では次の烏丸から相席となりましたが、2回目は一人でゆっくりと寛ぐことが出来ました。桂を出ると長岡天神・高槻市・茨木市は通過という、無印運転開始から8年が経過してもうすっかり定着した停車パターンで進みます。7年前の初乗車の時には十三で長く停車時間を取ったために先の3駅はそれなりのスピードで通過したのですが、今回は特急の2分後を続行する所定運転ということで該当駅の手前ではきっちり減速。特に長岡天神~高槻市間では新幹線との並走区間というかなり手前の段階でノロノロ運転となっていたのが印象的でした。無印と雅洛では車両の最高速度が異なる(前者110km/h・後者115km/h)のですが、双方とも先行の特急に終始頭を押さえられているので、少なくとも京都本線内においては両者の性能差が影響することはないのでしょう。


 さて、京都本線は何百回も通っている路線なので、暇つぶしに車内のWi-Fiサービスを利用してみることにします。インターネット接続サービスもあるのですが、雅洛では前面展望の放映サービスというものも用意されているので、試しに繋いでみることに。

 下の画像がiOSのスクリーンショット。上から2番目の「Garaku_View_exclusive_use」を選択します。なお、3番目は訪日外国人用、4番目は利用者制限なしのインターネット接続サービスのSSIDとなります。


Garaku_32


 接続が完了したら、インターネットブラウザのアドレス欄に「http://garaku.hankyu.co.jp/」と入力すれば放映が始まる――はずなのですが。


Garaku_33


 だとよ。 まぁ私の経験上、公衆Wi-Fiが安定して接続できる場所なんてホテルくらいなものと割り切ってはいるのですが、とはいえ公式HPでも車内でも積極的にPRしているサービスがまともに使えないというのはがっくり来ますよねぇ……。なお、「HANKYU-TRAIN_FREE_Wi-Fi」経由のインターネット接続サービスについては往路の9300系車内にて「不安定すぎて使用に値しない」ことを確認済みなので、最初から試す気にもなりませんでした。東海道新幹線のフリーWi-Fiもダメダメでしたし、やっぱり乗り物系のWi-Fiサービスはアテにするだけ無駄なのでしょうかね。確かに接続数の制限にすぐに引っかかるのだろうという推測は容易につくのですが。


 1回目は雅洛初乗りとあって終点の大阪梅田まで乗り通したのですが、2回目は固定クロスの体験が目的だったので、宝塚線に乗り換えるために十三で雅洛のお見送り(下の写真)。ご覧の通り、下りホームにはホームドアは設置されていないので無印の方もドア扱いは可能なのですが、やはり上下で停車駅が非対称となるのは旅客案内のうえで煩雑になるという判断でしょうか。


Garaku_34


 というわけで初代の登場から8年の時を経て、顕著なレベルでの正常進化を果たした雅洛編成のご紹介でした。なにしろ完全新規で3種のレイアウトが存在するため、凝ったインテリアも含めて最低でも3回は乗車しないと味わい尽くすことが出来ないのが何とも悩ましい所。とりわけ3・4号車は大阪梅田・京都河原町の両駅で発車30~40分前に並んでいても早くはないほどに人気の高い車両で、このアコモデーションで普通運賃のみ(※大阪梅田~京都河原町間は大人400円)で乗れちゃうの?という驚きがアップデートされた感があります。ただ2・5号車の全席にロングシートが採用されたのは、乗車時間15分の叡電ひえいならばともかく全線で40分以上掛かる京都本線にはちょっと相応しくないように思えましたが。京阪間のライバルといえば同時期にデビューしたJR新快速の「Aシート」があまりにショボい出来のようなので、そちらは本格的に増備が始まって乗りやすくなるまでは試乗はお預けとなりそうですが、こなた京とれいんは無印・雅洛合わせて1時間ヘッドが実現し、混雑する特急の補完列車としての機能もまた大幅に強化された印象です。来年2020年には京阪プレミアムカーの日中完全10分ヘッド運転が始まりますし、沿線住民としては阪急陣営の次なる一手が気になるところですね。


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