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2007.10.06

きのくに小旅行 (1)381系くろしお号

梅雨に入って間もなく、雨が本格化する前にどこかへ出かけようと思った。なんとなく381系くろしおに乗りたかったので、紀勢線方面に決定。日本で二番目に短い鉄道が走る御坊、そして湯浅の町を訪ねることにした。

福知山線快速 川西池田(08:49) → 尼崎(09:00)
東海道線普通 尼崎(09:04) → 新大阪(09:16)

川西池田で道成寺(御坊の一つ向こうの駅。値段は同じ)までの乗車券と、新大阪から御坊までの自由席特急券を購入。3,880円也。なぜ道成寺までなのかは、きっぷを集めるのが好きな方にはお分かりだろう。

ここの窓口は1つしかなく、この日も数人並んでいた。みどりの券売機で買おうとしたが、今回の行程の場合、特急券と一緒に買うと乗車券は新大阪からのものしか発券できないようだ。着駅の方は御坊から先ならどこでもOKなのに…。融通の利かん機械だぎゃ。仕方なく窓口で並んで買ったが、ちょっと焦ったものの何とか予定の電車に間に合った。

福知山線の快速は117系の6両編成。ラッシュのピークを過ぎた時間帯には、この手のイレギュラーな車両がよく使われる。6両だけあってかなりの混雑。

尼崎で乗り換えるが、快速はどれも大阪止まり。普通を待つ。複々線を活かして、息つく間もなく電車がやって来る。大阪で乗客が大量に入れ替わり、くろしお7号の始発駅の新大阪に到着。

紀勢線特急くろしお7号 新大阪(09:30) → 御坊(11:14)

くろしおの発車ホームへ急ぐと、電車はまだ来ていない。2号車の禁煙自由席の乗車口に並ぶ。程なく折り返しとなる電車が入線、大きく裾が絞られた車体は紛れもなく振り子電車そのものだ。一旦扉を閉めた後、慌しく清掃作業が始まる。もう発車時刻まで10分を切っているが、手際の良さに感服。再び扉が開くと、手元の時計は9時27分を指していた。

Kinokuni01_l

Kinokuni02_l

車内はリニューアルがなされていて、座席も窓割りとずれている。窓位置のよい場所を選択、前の席がダクトの配置の関係で1人掛けなので、足元も広い。パッと見簡易リクライニングのようだったが、実際にはフリーストップタイプだった。

Kinokuni03_l
《普通車車内》

Kinokuni04_l
《足もと広々》

電車は新大阪を出ると、東海道線と並行する貨物線を走る。関空特急はるかも通るこのルートは梅田貨物駅手前で単線になり、こちらは行き違い待ちでストップ。阪急の線路をくぐると、都心最後の一等地と言われ、再開発の計画が進む、梅田貨物駅構内を走り抜ける。古びた構内施設と、背後の現代的な高層ビル群があまりにもミスマッチだ。

地上から高架の大阪環状線に急勾配で駆け上がる。しばらく並行して走り、西九条で環状線に合流。USJペイントの派手な車両が停車している横を通過する。普通・快速・特急の入り乱れる環状線を走り、天王寺に到着。座席の埋まり具合はそこそこ。

一段高いホームから発車する阪和線への連絡線を通り(ここも単線)、合流すると列車はスピードを上げる。本格的な車内放送もここで入るが、「2号車は禁煙席です」ではなく、「お煙草の吸える自由席は3号車です」という言い方になっていた。時代の流れで禁煙席主体になったことを実感するが、個人的には喫煙席をまるまる1両あてがうのも勿体無いように思える。いい加減ニコチン中毒患者を甘やかすのもやめにしてほしい。かといって完全に締め出すとなると、良識を持った喫煙者が気の毒だが…。

列車は高架からすぐに地上に下りるが、沿線は高架化工事の真っ最中だ。関西屈指の列車本数を誇る阪和線のこと、開かずの踏み切り解消のためにも一刻も早い完成が望まれる。

特急の割には煮え切らない走りっぷりだったが、鳳を出るといよいよ本領発揮。速度は最高の120km/hに達していそうだ。登り坂の入り口では突き上げるような衝撃を感じる。ところで乗ってみて気づいたのだが、側面の窓は二重構造になっていて、そのせいかふつう列車のすれ違いの時にはバタンと音がするが、この車両ではそれが無い。気密性も高いらしく、トンネルでの耳ツンも気にならなかった。重厚な旧型車両ならではの利点と言えるかもしれない。

県境を抜け和歌山に入ると、メロディーが流れて(「鞠と殿さま」という曲らしい)、自動放送での観光案内が入る。その後も停車駅ごとに案内が入り、旅情を掻き立てる。列車の旅を楽しむなら、やっぱり新幹線よりも在来線だ。

和歌山でかなりの下車。紀州方面への特急であると同時に、新幹線から和歌山県の県都へのリレー列車でもあるのだ。座席はよりどりみどりの状態になる。

和歌山を出て紀勢線に入ると、カーブも増える。ここからが振り子列車の実力の見せ所だ。コンピュータで制御する振り子列車に比べると、自然に働く力だけで傾くこの列車では遠心力を感じるが、進行方向に座っている限りでは特別不快な感覚はない。小さい頃に伯備線の「やくも」に乗った際、喫煙席だった為か酔ってしまった記憶があるが、今回はそんな事はなさそうだ。但し、歩くとなると話は別である。車内販売のお姉さんは、ただでさえ重いワゴンを押すのに難渋していた。

高架駅の海南に停車。到着前の放送では、駅ごとに違ったチャイムが流れるのが面白い。ほんの僅か海が見え、やがてミカン畑がへばりつく山の間を走るようになる。紀勢線も鉄道貨物全盛の時代には、ミカン列車で賑わったのだろう。

箕島、湯浅と過ぎ、新大阪から1時間40分、御坊に到着。まだまだ乗り足りないが、またの機会ということにしておこう。御坊には全ての特急列車が停車し、和歌山方面からの普通列車の折り返しも多い、要衝駅だ。

(2004.06.10)


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