スルッとKANSAI 3day '03秋 3日目 (1)大阪南港へ
12月12日。今日は朝からいい天気♪ これ幸いにと、支度を整えて出発。今日はあまり遠出せずに近所を周ることにする。落ち穂拾いといったところか。
大阪市営地下鉄四つ橋線 西梅田→住之江公園
ニュートラム 住之江公園 (大阪市交南港ポートタウン線) → 中ふ頭 (OTSニュートラムテクノポート線) → コスモスクエア
梅田まで阪急、そして四つ橋線に乗り換える。が、この乗換えが予想以上に遠い。お互いの駅が、JR大阪駅を挟んで正反対の方向にあるので、まるまる1駅分歩いた感じだ。混雑度は並行する御堂筋線に比べると、相当余裕がある。大国町では同一ホームで御堂筋線との乗換えが可能。知っていれば、梅田であんなに歩くことはなかったのに…。
住之江公園では長ーいエスカレーターで、一気に地下から高架のニュートラム駅まで上がる。車両は記憶にあったそれではなく、新型に置き換わっていた。調べてみると置き換え開始は10年以上も前のこと、まさに灯台下暗しだ。新交通システムへの新型車両導入、という事例は、今の所これだけではないだろうか?
シャトルは臨港地帯をガタガタと走る。ゴムタイヤで走るので、乗り心地は鉄道というよりバスのよう。大きく右にカーブを切り、阪神高速の高架の下に潜ると、やがて左前方にフェリーが停泊しているのが見えてくる。フェリーターミナルを過ぎ、団地が立ち並ぶ中に入っていくと、かつての終点中ふ頭。ここで大阪市交からOTS線に入ると、乗客は激減。それと呼応するように車窓は、奇抜なデザインの建築物がポツポツと建つ、殺風景な埋立地へと変化する。生活の匂いが全くない場所だ。地下へ入り、コスモスクエアに到着。OTSテクノポート線の改札からは結構な人が出てくるが、ニュートラムから降りたのは数人だけだった。
駅を出ると、辺りはまだまだ空き地だらけ。高さ256mの大阪ワールドトレードセンタービルのみが存在感を示す。ここが街として完成するのは、いったい何十年後のことだろうか。反対側へ回り、大阪港に面した遊歩道におりると、対岸には海遊館と天保山の観覧車が。これからあそこまで、海底トンネルを通って行くのだ。風が強く、飛沫がかかる。
OTSテクノポート線 コスモスクエア→大阪港
駅に戻り、生駒行きの電車に乗る。出発するとすぐに、道路を従えて大阪港咲州トンネルに突入。海底トンネルと言ってみた所でただのトンネル、闇を抜けるともう大阪港である。かつて四国からの帰省で何度も利用した(高松大阪間のジェットフォイルが発着)、思い出深い駅だ。
駅から海の方へ向かって歩いていくと、さっき見えた観覧車が目の前に。その側にあるのが、これから“登山”する天保山のある、天保山公園である。
日本で一番高い山は富士山(3,776m)。これは外人でも知っている。では日本で一番低い山は…? 私が小学生の頃の定番の答えは「砂場の山」だったが、公式に認められた山としては、天保山が最も低い。江戸時代に安治川の浚渫(しゅんせつ)によって生まれた山で、その高さは4.5m。ちなみに当時は20mほどあったそうだ。
ところでこの「公式に認められた」という表現だが、実は山の定義というものは、事実上存在しない。一応国土地理院が規定してはいるものの、単に一般に山と呼ばれるものを説明しているに過ぎず、明確な区別はされていない。現状では、都道府県が山だと認めたものが山、ということらしい。
公園に入ると丘が見える。おお、これか!とデジカメに収め、意気揚々と階段を上る。頂上に立ち、制覇したぞーと喜ぶ間もなく目に飛び込んできた注意書きには、こう書かれていた。
「ここは天保山ではありません」
うっ、騙された… これ、知らなきゃ絶対間違えるぞ。本物の天保山はというと、右前方に見える石塔の辺りの地面に三角点が埋まっていて、そこが頂上。さっきの丘よりも低い。天保山山岳会による説明書きがあったが、なんでも登山証明書を発行してくれるらしく、遭難救助隊も存在するそうだ。個人的にこういう洒落は大好き。
さて、ここに来たからにはもう一つ体験しておきたいものがある。ひところより数を減らしたものの、川や運河が縦横に走り、それゆえ水の都と呼ばれる大阪では、今なお市内8ヶ所で渡し船が運航されている。これから乗船する天保山渡船はその代表格だ。
渡し船の乗り場は、天保山のすぐ横にある。頭上を阪神高速の天保山大橋が横切り、くぐもった自動車の走行音がひっきりなしに聞こえることを除けば、時の流れから抜け出したようなひっそりとした空間だ。今の時間は30分毎の運行だが、朝夕は増える。料金は無料。
天保山渡船 天保山渡船場→桜島渡船場
耳鳴りがするほど静かな待合室で寒さをしのいでいると、出航のアナウンスが入る。自転車と一緒に乗り込む人が多いが、その乗客は驚いたことに西洋人が大多数を占める。間違いなく対岸に見えているUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のスタッフだが、あの華やかなパークからは想像もできないような、シュールな光景だ。
わずか3~4分ほどで対岸の桜島に到着。乗務員と客が挨拶を交わしながら降りていく。振り返ると、先ほどまでいた天保山がすぐそこに。ただの林にしか見えない。
桜島側は純然たる工業地帯。船着場を出たところにはUSJへの案内板があるが、完全に浮いている。天保山からはユニバーサルシティポート行きのフェリーが出ており(所要10分、500円)、アクセス手段としての利用価値はまずない。観光ついでに好奇心で乗りに来るのが正解だろう。
天保山渡船場(大阪市ホームページへ)
船着場の前の道を進むと、すぐにUSJの裏手へ出る。オフィスや従業員用の通用門を横目に歩き、JR桜島駅へ。ユニバーサルシティ駅がUSJの玄関なら、こちらは勝手口とでもいえよう。JRではスルッとKANSAIが使えないので、地下鉄中央線との接続駅の、弁天町までの切符を購入。
桜島 (JR桜島線) → 西九条 (大阪環状線) → 弁天町
電車は桜島を出ると人工地盤の下を走り、そのまま覆道から抜け出るような格好でユニバーサルシティに到着。まだこの時間では乗ってくる人は少ないが、反対側のホームは大賑わいだ。楽しんでおいで~。ちなみに私はつい4日前に遊びに来ている(^_^;) 電車は工場地帯を抜け、ごみごみとした下町の中を行く。西九条に着くと、タイミング良く内回り電車がやってきた。桜島線の電車は2面3線のホームの中線に停まるので、環状線との乗り換えは両方向とも非常に楽だ。1駅乗って弁天町。ここからスルッとKANSAIネットワークへ復帰。
(2003.12.12)
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