ポルトガルの旅5日目 (5)シントラ・王宮その1
王宮(Palácio Real)の中へ入る前に、まずはレプブリカ広場の真ん中に立ってみる。広場周辺を見回してみると、深く濃い緑の山々に囲まれ、“木の国”日本からやって来た私も感激するほど。バイロンが訪れた当時の様子は知るべくも無いが、「この世のエデン」は現代にも間違いなく息づいている。
広場に面した王宮は、中世から近世にかけてポルトガル王室の夏の離宮として使われていたもの。シントラの文化的景観のひとつとして、後述のペーナ宮殿やムーアの城跡と共に、1995年にユネスコ世界遺産に登録されている。
とんがり屋根の煙突が特徴のこの王宮、外見は地味だが内部は豪華絢爛。大航海時代にこの世の春を謳歌した、ポルトガルの栄華を象徴している。スタッフに撮影の許可を頂いたので(但しフラッシュは焚かない方が良いでしょう)、主な見所をご紹介しましょう。
まずは白鳥の間(Sala dos Cisnes)。天井にはそれぞれ違ったポーズをとる27羽の白鳥が描かれている。
城の中庭からは、この宮殿のシンボルである煙突が目の前に。中庭はイスラム建築の影響を強く受けている(ムデハル様式というらしいです)。
続いてカササギの間(Sala das Pegas)。天井には136羽のカササギが描かれ、それぞれが「POR BEM(ポルトガル語で善意から、の意)」と書かれたリボンをくわえているが、これにはこんな逸話が。
ポルトガル王ジョアン一世(エンリケ航海王子のお父さん)が、この部屋で侍女とキスしていた所を王妃に見つかってしまい、咄嗟に「(本気ではなく)善意でキスしたのだ」と弁解したところ、瞬く間に噂が侍女たちの間で広まってしまう。これにうんざりした王が恐らく当てつけとして「おしゃべり」の意味のカササギにこの言葉をくわえさせ、部屋の天井いっぱいに描かせたという。136というのは侍女の数だと言われており、カムフラージュの意味もあったのかも。果たしてお目当てのコはどれなのでしょう? ・・・といった、如何にも人間臭いエピソードです。
《カササギ。足に掴んでいるバラは王妃の出身家であるランカスター家の紋章》
「人魚の間」の天井にはその名の通り人魚が。私が人魚と言われて最初にイメージするのが「リトル・マーメイド」のアリエルなんですが、コイツらは気色悪いですね。男だし。
「人魚の間」と「ガレオン船の間」の間にある小部屋。
「ガレオン船の間」には帆船が描かれている。
こちらは庭園です。
この続きは次回にて。
(2007.02.17)
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