西日本乗り放題きっぷの旅2007 (1)大阪~博多~徳山
例年通り、2007-2008年の年末年始にも、『年末・年始西日本乗り放題きっぷ』が発売されるようだ。
詳しくはリンク先を見て頂けると分かるのだが、大晦日から元日にかけて、JR西日本管内が特急・新幹線を含めて乗り放題になる切符。気になるお値段は、
《1日用(1月1日有効)》
普通車用:大人15,000円・子供7,500円、グリーン車用:大人18,000円・子供11,000円
《2日用(12月31日と1月1日有効)》
普通車用:大人24,000円・子供12,000円、グリーン車用:大人29,000円・子供18,000円
・普通車は指定席を利用可能
・乗車当日の購入は出来ない
と、結構元を取るには難しい価格設定。正直お得感は全くと言って良いほど無いのだが、よりによってこの期間設定。お正月のあの気だるい雰囲気が耐えられない私にとって、旅に出よと背中を押されているようなもの。
というわけで、2007年の元日に、このきっぷを使って日帰りの旅に行って来たので、その模様をお伝えしたい。本当は2日間用の方が1日あたりの値段が安いのだが、色々あって1日間用の利用である。
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福知山線・東海道本線普通 川西池田(05:22)→新大阪(05:50)
午前5時過ぎの川西池田駅。静まり返った駅舎内に、発車案内板が熱を発散させる音だけが微かに響いている。
ホームに降り、待合室へ。まだ暖房が入ったばかりで、室内は充分暖まってはいないが、外気に晒されているよりは余程ましである。狭い待合室内は、この時間にも拘らず大荷物を下げた集団でひしめき合っている。
5時22分発の高槻行き普通電車は、新大阪方面へ向かう始発列車。新大阪着は5時50分と、6時発の山陽新幹線の始発列車にぎりぎり間に合うようになっている。
元日の早朝でも世の中は動いてるんだなぁと、そこそこに乗っている車内で物思いに耽ること30分弱、新大阪に到着。10分の乗り継ぎなので少々急ぎ足でホームへ向かう。
ひかり441号 新大阪(06:00)→博多(08:49)
まずは山陽新幹線の始発列車で一気に博多まで。実は山陽新幹線は福山~博多間が未乗で、今回の旅を思い立った理由も、この区間の乗り潰しが目的の一つであった。
ホームへ上がると、500系電車がチューブのようなボディを長々と横たえて発車を待っている。ひかり441号は、普段は700系RailStarで運転されているのだが、元日やお盆といった最繁忙期に限り、輸送力強化の為500系に置き換えられている。
500系がのぞみ以外に使用されるのは極めて珍しいため、ホームのあちこちでフラッシュが光っているが、私はそのまま車内へ。座席に着いてほっとするも、朝食を買い忘れていることに気付く。
6時ちょうどに静々と列車が動き出すと、ホーム上のお弁当売り場には様々な種類の駅弁が並び、すっかり客を迎え入れる準備は万端。指をくわえて見送る。
程なく列車はスピードを上げ、青みがかってきた空の下を駆け抜けていく。私の席は13号車の9番A席で、一応ちょっとでも景色の良い方を、と考え、海側の三列席を確保しているが、終点博多まで、隣のB・C席には誰も座らなかった。13号車全体も、各区画をグループ毎に独り占めしているような状況である。
トンネルを出る度に空の色が変わっていくが、間もなく夜明け。7時頃、岡山~福山間で初日の出を迎えるはずだったものの、あいにく東の空は雲に覆われ、オレンジ色に染まっていくのを見届けるのみであった。
福山を出ると未乗区間に入るが、相変わらずトンネルばかりで面白みの無い車窓。もちろん最初から車窓に期待などしていないのだが、これならば大阪~福岡間は私なら飛行機を選ぶかな。レールスターも恒常的に混雑しているようだし。
そんなわけで、ボーッとしつつ車内の案内板を眺めていたら、思いがけず「ただいま300km/h」の表示が。ひかり441号は最高速度285km/hでダイヤが引かれているはずなので、運転手さんが茶目っ気を見せてくれたのだろうか。
朝早くなので、車内はおやすみモード一色。あちこちから寝息が聞こえる。
新大阪を出て2時間弱、明石海峡以来久々に海が見えてくると、徳山駅に到着(7時56分)。駅周辺の海沿いには、びっしりとコンビナートが立ち並んでおり壮観。夜はさぞや美しく輝く事であろう。
《(上3枚)徳山駅付近の車窓》
新関門トンネルをくぐって九州へと入る。小倉を出ると列車はラストスパートをかけ、筑豊を寸分も衰えぬスピードで疾走していく。JR九州の派手な車両がひっきりなしに行き交う様子が目に付くようになると、もう福岡の中心部だ。
8時49分に終点博多に到着。16両編成だけあって車内は終始空いており、快適な旅路であった。
ひかり452号 博多(08:59)→徳山(09:44)
はるばる福岡までやって来たものの、ここには用は無いので、10分の折り返しで最初の目的地、柳井へ向かう。まずは新幹線で徳山まで行き、そこから在来線に乗り換えて柳井へ、というルートだ。
列車に乗り込む前に、駅構内のお弁当売り場で朝食を仕入れておく。ひかり441号でも車内販売があったのだが、選択肢が無いに等しく、しかも散々食した経験のあるものしか残っていなかった為、ここまで空腹を抱えつつ耐えてきたという訳だ。
今度の列車は700系RailStar。8両編成なので指定席はほぼ満席で、隣のオッサンは正月らしく、朝早くからすっかり出来上がってしまっている。4列シートと言えども隣に座られては、やはり窮屈には違いなく、これなら空いている5列シートの方が返って快適だと考えるのは、私だけではあるまい。
発車するや否や、北九州の名物駅弁「かしわめし」の封を開ける。このかしわめし、全国的には元祖である折尾駅のものが最も有名ではあるが、今や北九州の各地で売られるようになり、様々な業者がしのぎを削って百花繚乱の相を呈している。
今回購入したのはJRサービスネット福岡の「博多特上 かしわめし弁当」、850円也。駅弁のかしわめしを頂くのは初めてなので、他のものと比較は出来ないが、味は悪くは無い。もちろん駅弁なので冷えている上、割高感は否めないのではあるが。それよりも、隣のオッサンの酒臭い息が気になる・・・
「ひかり」でありながら新山口駅を豪快に通過しつつ、博多から45分、徳山駅に到着(9時44分)。ここからは在来線で東進する。
(2007.01.01)
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