西日本乗り放題きっぷの旅2007 (4)Road to Hiroshima-yaki
山陽本線普通 柳井(12:32)→岩国(13:05)
柳井駅は寝台特急も停車する主要駅だが、昼行特急は一本も運行されていないので、広島まではひたすら各駅停車での旅路となる。
12時32分発の電車は、時刻表を見ると一部の日を除いて水曜は運休となるらしい。コストのかかる夜間の作業を避け、閑散時間帯の昼間に線路の保守点検を行うためだが、ローカル線のみならずこんな幹線筋にまで合理化の波が押し寄せているとは、鉄道受難の時代を痛切に感じる。
柳井港を出ると、右手に海が近づいてくる。大畠瀬戸を跨いで本州と屋代島をつなぐ、大島大橋のたもとに位置する大畠駅は、山陽本線のハイライトシーンの一つ。
ここから岩国付近までは安芸灘が車窓の友となる。あいにく島影は霞みがちではあるが、開放的な風景に旅情が掻き立てられる。
《柳井港~大畠》
《通津~藤生》
【動画】安芸灘に沿って走る車窓から
[320×240, 30fps, WMV, 1.48MB, 34秒]
やがて海が遠ざかり、工場地帯が目に付くようになると、間もなく岩国。瀬戸内工業地域の一角を担うだけあり、徳山以来の大きな町である。
山陽本線には下関~岡山間を走破する列車をはじめとして、未だ数多くの長距離ランナーが存在するが、この列車は岩国止まりである。
山陽本線普通 岩国(13:12)→広島(13:59)
岩国~広島間には快速列車も運行されているが、接続列車は各駅停車。岩国はもう広島の都市圏内と言って良いものの、まだまだ広島駅までは40分以上を要する。
すれ違う列車の本数も格段に増え、再び海沿いを走るようになると、大野瀬戸越しに厳島(宮島)が姿を見せる。こうして見ると島の、特に南側には手付かずの自然が多く残り、意外と急峻な山容と共に、厳島神社周辺の観光地然とした風景とはまた違ったイメージを喚起させる。
宮島口に到着。時間があれば厳島神社に初詣、などと考えていたのだが、駅前に溢れ返る人々の姿に、そんな甘い考えはいとも容易く吹き飛んでしまった。
宮島口からは広島電鉄宮島線の線路と寄り添いながら進んでいく。前回宮島を訪れた時にもJRを利用したので、広島市内へはJRと比べれば倍以上の時間が掛かるものの、いつかは宮島線も体験してみたいものだ。
13時59分、柳井から1時間半近くかけて、ようやく広島駅に到着。折角「黄門様の印籠」を持っているというのに、これでは18キッパーと大して変わらんではないか(苦笑)。
もうこんな時間なのでお腹はペコペコ。広島駅南口至近のビル内にある、「ひろしま お好み物語 駅前ひろば」へ向かう。
このビルの6Fがまるごとお好み屋が軒を連ねるフロアで、それぞれに個性を競い合い切磋琢磨している。
このようなコンプレックス形態をもつ店舗としては「お好み村」がつとに有名ではあるが、こちらは広島駅のすぐそばという利便性が魅力。店の多さに目移りしてしまうほどだが、熱気渦巻くフロア内を一通り回り、若い店員さんばかりの店を選ぶ。
看板メニューを注文。誤解を生みそうな表現だが、腹が減っている時は何を食べてもうまい! バイタリティ溢れるスタッフも好印象で、これは当たりだね。関西人も大満足です。
店の雰囲気が良くて思わず長居してしまい、気付けばもう3時前。まだ目的が残っているのだが、駅前に発着する路面電車を見たら最後、やっぱり引き寄せられてしまうのが悲しい性である。
多種多様な形式がひっきりなしに出入りする光景に胸をときめかすが、きりがないので名残惜しくも再訪を誓い、駅前を後にする。
次の目的地は瀬野スカイレール。新幹線乗り場を恨めしげに眺めつつ、在来線ホームへと向かった。
(2007.01.01)
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