西日本乗り放題きっぷの旅2007 (5)スカイレールみどり坂線
山陽本線快速シティライナー 広島(15:23)→瀬野(15:36)
15時23分発の上り列車は快速。私の下車駅である瀬野まではノンストップとなる。115系の4両編成で、通称N40更新車と呼ばれるリニューアル工事が施工された車両。アーバンネットワークの新型近郊型電車と同様の転換クロスシートに交換されたのを始めとして、内装も新型車両と遜色のないレベルにまで引き上げられている。もちろん足回りは従来のままなので、一たび走り出せば呆気なく馬脚を露わしてしまうのは致し方ないところではある。
《同型車両。2003年2月28日、小郡(現・新山口)駅で撮影》
車内は座席がさらっと埋まる程度で、進行方向逆向きのボックス席窓側に腰掛ける。
海田市までは都会らしい風景の中を走るが、ここを過ぎると早くも平野が尽き、谷間へ。駅間距離も長くなり、広島から10分足らずにも拘らず、山里のような雰囲気が漂ってくる。次第に高度を上げているのが体感出来る程だ。
15時36分、瀬野に到着。ここから先は本格的な勾配区間で、行く手には険しい山が立ちはだかり、今は行き止まりとなってしまった信越本線の横川駅を髣髴とさせる。
スカイレールみどり坂線 みどり口(15:45)→みどり中央(15:50)
駅周辺の観察は後回しとし、まずはスカイレールに試乗することに。瀬野駅北側の丘の上に広がる住宅地へのアクセス手段として整備された路線で、麓のみどり口駅と瀬野駅はペデストリアンデッキでつながっている。運賃は全線均一で大人150円、子供80円。入り口の自動改札で切符は回収されるので、降車の時はフリーパスとなる。
ホームに上がり、既に待機している車両に乗車する。懸垂式のモノレールのような軌道に、ロープウェーのゴンドラがぶら下がっており、駅間はロープに掴まって走行する(駅構内はリニアモーターによる駆動)、ロープウェーとモノレールの合いの子のようなスタイル。
定員の25名に対して座席は8席。残りは立席となるので、吊り革が設置されている。これはあくまでも都市交通機関の一種なのだが、ロープウェー=観光地やスキー場の乗り物、という既成概念からすると違和感を覚える。
発車すると、いきなり急坂をよじ登る。路線の最急勾配だが、ここを越えると終点までなだらかな坂が続く。整然と一戸建てが広がる住宅地を空から見下ろすのは気分が良い。路線は宅地のレイアウトに合わせてS字状になっており、加えて軌道の継ぎ目を乗り越えるゴトッ、ゴトッという振動が伝わってくるのが、ロープウェーと異なるポイントだ。
約3分で唯一の途中駅、みどり中街駅に到着。スキー場のゴンドラと違い、駅ではピタッと停止する。
左手眼下に国道2号線と山陽本線が通る谷を見下ろしながら更に高度を上げ、みどり口から5分でみどり中央駅に到着。みどり口駅との標高差は160mである。
列車は15分間隔で運転されているので、一本見送って駅周辺を散策してみる。造成中の区画も多いものの、意外と言っては失礼かもしれないが、生活の匂いが大いに伝わってくる。
軌道の下を歩いているとロープがブーンという音を立てて動き出し、程なくしてみどり中央駅からゴンドラが下りてきた。
【動画】みどり中央からみどり中街へ向かう車両
[320×240, 30fps, WMV, 2.96MB, 1分10秒]
正月のまったりとした空気に包まれた住宅地をしばし散歩し、麓から上ってくるゴンドラを出迎えつつ、みどり口駅へ戻る。
スカイレールみどり坂線 みどり中央(16:15)→みどり口(16:19)
帰りも行きと同様に、全員がゆったりと着席出来る程度の乗車率。それでも流石に無人で走るような事は無いようだ。やはりラッシュアワーは混雑するらしく、朝には小学生専用の列車も運転されている。
【動画】みどり中央から麓へ向かうスカイレールの車窓
[320×240, 30fps, WMV, 2.94MB, 1分10秒]
瀬野駅へ戻り、駅周辺を散策。昔ながらの街道沿いらしく、駅周辺にも既存の市街地が広がっているが、それでも広島駅からたったの15~20分でやって来れるとは、にわかに信じ難い光景ではある。
次の上り列車の発車時刻が近づいてきたので、ホームへ。
(2007.01.01)
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