台湾一周の旅2日目 (3)雨の九分(チョウフェン)を散策
それにしても凄い人の数である。このまま基山街の雑踏へ突っ込む気にはとてもなれず、一息つくついでに基山街入り口の食堂で、九分名物の「芋圓(ユィユエン)」を頂くことにする。タロイモの粉と小麦粉を練り合わせた団子で、冷たいシロップやお汁粉に浸して食べる。今日は雨で少々肌寒いので、ホットをチョイス。生姜の風味が効いている。
《豆花芋圓》
しばらく休憩したのち、意を決して基山街に踏み込む。赤提灯がぶら下げられた狭い路地にはびっしりと店が並び、如何にも観光地らしい雰囲気。さながら年末のアメ横といった趣で、流されるままに進んでいく。
延々とお祭り騒ぎは続き、まるで年中縁日が開かれているようである。
ひたすら基山街を進み、小康状態となっていた雨が再び本降りになり出した頃、豎崎路(スーチールー)との交差点に出てくる。バス通りから急な石段が続いており、まさに「千と千尋」の世界そのものではあるが、やっぱり人込みは相変わらず。あの映画では夕暮れ前は人っ子一人いなかったが、この喧騒の中ではとてもタダ食いなど出来まい(笑)。
今や観光客好みの色に塗り立てられたこの町も、ちょっと脇に目を向ければ、かつて金鉱の町として活況を呈した時代の記憶を今に留めている。
町の外れの高台へ。北方向を眺めると、太平洋と入り組んだ海岸線がすぐそばに。この地域は秋から春にかけて季節風の影響で多雨な気候に見舞われるそうだが、今日もその通りに景色は白く煙っている。
再び町の中心部へ足を向けようとした所で、スニーカーの底のゴムが経年劣化で、とうとうビリッと裂けてしまった。スニーカー位なら旅の途中で買い換えてもいいのだが、とりあえずは騙し騙し履き続けることにする。
天気さえ良ければ金鉱町の面影を追い求めるべく、町の隅から隅まで見て回りたいところだが、この雨ではそんな気も失せてしまう。雨に濡れた路地は風情たっぷりなのだが・・・
基山街を戻り、喧騒から逃れるように舊道口バス停から瑞芳へ帰る。次回は平日、提灯に明かりが灯る頃に訪れてみたい。もう12時過ぎだが、昼食は持ち越しとする。
帰りのバスから車窓を眺めていると、対向車線は舊道口を先頭に渋滞中。舊道口はヘアピンカーブになっており、見通しが悪い上に乗降で長時間停車するバスや歩行者が道を塞ぎ(歩道がないので)、車の流れが滞ってしまうのである。スケジュールの都合もあり、混雑を覚悟で日曜日にやって来たが、時間の早いうちに行き来したのは正解だったようだ。
【動画】バスから渋滞中の道路を眺める
[320×240, 30fps, WMV, 1.79MB, 41秒]
瑞芳駅に到着。ここから今日のメインイベント、平渓線に乗車する。
(2007.10.14)
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