北播磨ぶらり旅 (2)北条町を歩く
バスの停留所名にもなっている『アスティアかさい』は、2003年にオープンした、コープこうべをキーテナントとしたショッピングセンターやクリニック、そして図書館や地域交流センターが入居する、新たな街の核となるべく設置された再開発ビルです。北条町駅はかつてこの場所にありましたが、ビルの開業にあたって移設され、こちらも装いを新たに生まれ変わりました。ビルは採光が考慮され、非常に明るく開放感がありますが、テナントの稼働率の方はなかなか順風満帆とは行かないようで、近隣への大型ショッピングモールの進出計画に戦々恐々としている状況です。
そしてこのビルの1Fには加西市の観光案内所も。鉄道やバスでアクセスする観光客はごく少数派なのか、パンフレットを整然と並べて万全の受け入れ態勢を整えるも、やや手持ち無沙汰。私が訪れた際も、加西市の観光名所について事細やかにレクチャーして頂きました。やはり筆頭に上げられるのは兵庫県立フラワーセンター。全国的な知名度は無いものの関西ではかなり著名なレジャースポットで、北条鉄道の車両の形式名にもちゃっかり顔を出しています。但し駅からはかなりの距離がありますが・・・
また、旧石器時代の古墳も多く、山陽と山陰を結ぶ街道の途上にあったことから古くからの交通の要衝として栄え、古刹も多く残る歴史の街でもあります。山ほどの地図やパンフレットをもらい、並々ならぬ熱意を受けて再訪を約束しましたが、これらの見所は市内各所に点在しており、やはり公共交通機関で、とはいかないのが私のスタンス上歯痒い所ではあります。
駅から北へ向かうと、西国街道の古い町並みが残っています。最初に訪れたのが、この街道沿いにある酒見寺(さがみじorさがみでら)。新西国三十三箇所の札所で、どっしりとした楼門が迎えてくれます。朱の塗色が鮮やかな鐘楼や、精緻な文様が施された多宝塔も見応えがあります。地元の小学生がスケッチに勤しんでおり、私が横を通りかかると「こんにちは!」と元気な挨拶をしてくれました。こんな出来事があると、街の印象がぐっとアップしますね。
酒見寺の隣には、1200年の歴史を持つ住吉神社があるのですが、こちらは印象に残っていませんので割愛します。済みません。
酒見寺から小学校を挟んで程近い場所にあるのが羅漢寺、通称北条五百羅漢です。この寺の境内には実に450体を数える石仏が鎮座し、それぞれが人間のあらゆる感情を網羅するかのように違う表情をしており、この中に必ず自分や親兄弟、友人や知人の顔が見つかると言われる程です。
素朴な表情をしたこの石仏達、作られた目的や製作者、そして年代は未だに謎に包まれているそうです。
私のお気に入りが彼。力強さと柔和さを兼ね備えたかのような、精悍な顔つきです。有名人で例えるなら照英さん?
この後は北条の宿を足に任せてそぞろ歩きます。
しばしの散策を終え、駅近くの『すき家』で昼食を摂ったのちは、北条鉄道で粟生へ向かいます。
(2006.05.31)
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