台湾一周の旅4日目 (7)縦貫線(嘉義~台南)
ここから南へ約60kmの台南へ向かう。時刻表をチェックすると、次の自強号は12時37分発で、まだ30分程度ある。区間車(各駅停車)なら12時20分発のものがあり、優等列車だけでは面白くないので、のんびり各駅停車で向かうことにした。
<2nd>区間2635 嘉義(12:20)→台南(13:32)
高雄行きの区間車は、韓国大宇製のEMU500形電車。1995年に導入が始まるや否や、瞬く間に台湾の電化区間全域に勢力を拡げ、旧型客車を駆逐してしまった。一部のファンには目の敵にされているのかもしれない。
車内はオールロングシートで、やはり景色を楽しむのには不向きだが、冷房車なので空調が効いていて快適。亜熱帯と熱帯に属する台湾では空調の有無が大きなポイントで、冷房車の導入は一般的にサービスアップと受け取られているが、旅行者としてはもう一声、クロスシートを望みたい所だ。
新型電車の割には窓が小さいが、これは冷房効率との兼ね合いだろうか。椅子の下にはヒーターがなく、全くのがらんどう。座席の色も相まって、病院の待合室のようである。
列車は嘉義駅のホームを離れ、極めてゆっくりとスピードを上げていく。出発すると間もなく北回帰線を越えるが、ここから南は正真正銘の熱帯だ。
列車は南国らしく檳榔の林立する平野を一目散に駆けていく。各駅停車だが、駅間距離が長いので小気味良い走りだ。ご丁寧に各駅の駅名板には、隣駅までの距離が記されている。
ところで、とある駅でドアが開くと妙な匂いが車内へ入り込んできたのだが、あれは一体何の匂いだったのだろうか。この辺りには製糖工場が多く、もしかするとその匂いだったのかもしれないが、以前沖縄の波照間島で嗅いだ匂いはこんな感じだったかどうか。もう4年も前の話なので、とても当てにならない記憶ではあるが・・・。
ひょっとしたら台南まで自強号から逃げ切ってくれるのでは、と淡い期待を抱いていたが、隆田という駅であえなく待避線へと入ってしまった。ホームに下りて列車の外観を撮影。構内はとても広く、西側には古い倉庫が並んでいる。
やがてココココ・・・という音が聞こえ、目の前の線路を高雄行きの自強号が駆け抜けて行った。例のプッシュプルタイプかと思いきや、今や少数派となった切妻型のEMU(電車)だった。う~ん、分かっていればこっちにしていたんだけどなぁ。
自強号をやり過ごすと、程なくこちらも発車。決して洗練されているとは言い難い車内に、今風のVVVFサウンドが響く。
時たま台湾高鉄の高架橋が視界に入り、絡み合いつつ進んで行くが、まだまだ運転本数は少ないので、高鉄の車両が猛スピードで通過する場面には一度もお目にかかれなかった。
台南に近付くにつれ徐々に乗客も増えてきたが、8両も繋いでいるので全員がゆったりと座席に腰掛けている。ロングシートは味気無いが、少なくとも詰め込み主義ではないらしいのは評価したいところ。
13時半、自強号だと40分の距離を、嘉義からたっぷり1時間以上掛けて台南に到着。荷物を預かり所に預け、早速台南の町へと繰り出すことにする。
(2007.10.16)
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