台湾一周の旅4日目 (5)阿里山ハイキングその3
まずは姉潭・妹潭を目指す。歩道の途中でカメラマンがアングルに腐心しているのを横目で見ながら通り過ぎる。よくよく見ると川面から湯気が立ち上っており、出来すぎたように絵になる光景を作り出していた。
それにしても、昨日からずっと既視感(デジャヴ)にとらわれ続けているような気がするのだが、やっぱりそうだ。地理的な類似性といい、アクセスの至難さといい、ここは奈良県の大台ケ原にそっくり。
妹潭に到着。穏やかな水面が周囲の森を映し出している。
この時間ではまだまだ日は低く、横から差し込む木漏れ日が美しい。
すぐ隣の姉潭へ。妹潭と対をなす池で、両者には如何にもありがちなこんな伝説が。
ある姉妹が同時に一人の男を愛した。互いに姉妹の絆を傷つけたくはない、しかし愛も捨てられない。どうしようもなく二人それぞれが姉潭・妹潭に身を投げた、というもの。(解説板より)
よくある悲恋物語ですね。余談ですが、タイでは2年前にこんな出来事があったらしい。
『一人の男性が双子姉妹と同時結婚 「どちらも好き」』タイ中部サムトサコーン県の男性がこのほど、双子の姉妹と結婚式を挙げた。タイでは
重婚が認められていないため、婚姻届は出していないが、3人は「けんかになったことは
1度もない。とても幸せです」と話している。新郎は中古品販売業者ウィチャイさん(24)、新婦はスィリターさんとティッパワンさんの
22歳の姉妹。ウィチャイさんは、自宅の前を歩いて高校に通っていた姉妹と知り合い、
両方を好きになり交際を開始。3人でデートを繰り返した。「姉は美しく、妹はかわいい。2人ともやさしい。結婚相手に1人を選ぶことはできない」と、
ウィチャイさんは昨年6月、2人にプロポーズ。「働き者で性格が良い」と、ウィチャイさんを
好きだった姉妹は、この申し出を快諾した。(時事通信・2006年4月29日)
それはさておき、姉潭は妹潭よりもずっと大きく、青空、そして目を刺す程に濃厚な緑の森を鏡のような水面に反射させ、息を呑むような美しさである。
池の真ん中にワンポイントとして設置されている東屋(相思亭)に目をやったところ・・・ もう説明は不要の“彼ら”と4回目の邂逅。お互いに写真を撮り合ったりなんかしたが、結局これが最後の遭遇となった。いつまでもお幸せに!
この東屋のかやぶき屋根からはゆらゆらと湯気が立ち上り、これまた出来過ぎた演出である。
さらに歩道を進み、受鎮宮のそばの公衆トイレへ。このトイレ、非常に清掃が行き届いており、山のトイレ=汚い、といった既成概念を良い意味で裏切ってくれて、いたく感動する(オーバー?)。
《称賛モノの公衆トイレ》
ここには受鎮宮の他に小学校と一軒の食堂があり、生活の香りがちょっぴり人恋しかった心を慰めてくれる。
《阿里山の小学校》
《小さな食堂》
《阿里山名物ワサビのオブジェ》
そしてこちらが受鎮宮。例によってハデハデです。
続いて神木駅を目指す。
空は目も醒めるような鮮烈のブルー。
神木駅に到着。スイッチバック形式の駅で、ホームは2~3両程度しかかからないような細い石積みのものが一面あるだけ。その名の通り、駅の外れにはかつて神木があり、阿里山のシンボルとして親しまれていたのだが、二度の落雷、そして10年程前の集中豪雨により倒壊し、惜しくも切り倒されてしまったという。
一通り巡った所で、あとはホテルへ帰るのみである。
次回へ続きます。
(2007.10.16)
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