« 台湾一周の旅5日目 (4)南廻線(枋寮~枋山) | トップページ | 台湾一周の旅5日目 (6)台東駅で途中下車 »

2008.02.14

台湾一周の旅5日目 (5)南廻線(枋山~台東)

東へと針路を変えた列車は山間を右へ左へ車輪をきしませつつ、徐々に高度を上げていく。振り子列車のようなスピードは望むべくも無いが、優等列車らしい風格を備えた走りぶりには違いない。

20071017083758

西海岸最後の駅、枋野駅を通過。時刻表には駅として掲載されているが、客扱いを行う列車は一本も無く、実態は信号所である。

更に谷を詰め、中央信号場を過ぎると線路は複線に。すぐに全長8kmの中央トンネルへと吸い込まれていく。ここから古荘駅までは複線化されており、篠ノ井線の明科~西条間(こちらは路盤が複線対応になっているのみで、実際は単線だが)のような雰囲気だ。闇が続く間にトイレへ。

トンネルを抜け、列車は東海岸へ。勾配を下り、古荘駅を通過してしばらく走ると、右手には太平洋が現れる。20分少々の山越えだった。

20071017090136
《大武駅手前にて》

9時ちょうど、東海岸へ出て最初の駅、大武駅に到着。行程も3分の2を消化し、台東まではあと1時間。ここから終点台東まで各駅停車となる。

20071017090248
《大武駅に停車中》

台湾海峡を望む区間は10分弱だったが、太平洋側は知本の手前まで約40分間、延々と海岸沿いを走り続ける。空はすっきりと晴れ渡り、波間がキラキラと輝いている。今年の5月に五能線を訪れた際は天候に恵まれず、どんよりと灰色に沈んだ日本海にがっかりさせられたが、今回は文句無しの晴天。江戸の仇を長崎で・・・である。

20071017090646

20071017091007

20071017091221

20071017092406
《(上4枚)大武~瀧渓~金崙》

海岸沿いの各駅の駅間距離は10km前後と長い。かつては瀧渓~知本の各駅間に三つの駅が存在したが、利用客が僅少だった為に廃止となっている。特に香蘭と三和の両駅は設置から10年を待たずして廃駅となっており、見通しが甘いのでは・・・などと思ってしまった。

20071017092524
《金崙駅》

20071017093342
《金崙~太麻里》

9時35分、太麻里駅に到着。台湾の原住民、排湾族(パイワン)の人々が多く暮らす町である。同じ熱帯に属するとは言え西海岸とはまた違った空気を、窓越しでもひしひしと感じる。

台湾東部最大の温泉郷、知本温泉の玄関口である知本に到着する直前、台東空港へのファイナルアプローチに入っている旅客機と併走する。台東は台北からの陸路でのアクセスは不便なので、航空機の果たす役割は大きい。

この先しばらくは海ともお別れ。列車はラストスパートをかけ、10時ちょうどに台東駅のホームへしずしずと進入した。ホームへ降りると、すぐに機関車が切り離されて退場して行く。駅出口へと消えていく人並みを尻目に、ホームに佇んでしばし長旅の余韻に浸っていた。気温は28度である。

20071017100323
《台東駅ホームにて》

(2007.10.17)


« 台湾一周の旅5日目 (4)南廻線(枋寮~枋山) | トップページ | 台湾一周の旅5日目 (6)台東駅で途中下車 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 台湾一周の旅5日目 (5)南廻線(枋山~台東):

« 台湾一周の旅5日目 (4)南廻線(枋寮~枋山) | トップページ | 台湾一周の旅5日目 (6)台東駅で途中下車 »

スポンサーリンク

Blog内検索

無料ブログはココログ