台湾一周の旅6日目 (6)ちょっとだけ台湾新幹線・後編
券面に記された座席は1号車の3E。2列席の窓側である。当時は全席指定席だったので、たった20分の乗車にも拘わらず、このように座席が指定されていた。台北-桃園間の運賃は、標準廂(普通車)で160元(約600円)となる。
13時30分、台北駅を発車。この列車は終点左営まで各駅に停車する「こだま」タイプの列車で、台北-左営間の所要時間は丁度2時間。その他、板橋・台中のみ停車の速達タイプや、台中から各駅停車となるパターンの列車も設定されているが、途中駅での追い越しは一切無いので、先発列車がそのまま終着駅まで先に到着する。
*2007年10月時点の状況です。現在は追い抜きを行う列車も運転されています。
列車は台北市内の地下トンネルを進んでいく。蛍光灯の流れを見ていると、速度はMRT並みといったところ。ちなみに台北-板橋間にも運賃が設定されており、お値段は40元(150円)。所要時間はたったの7分とはいえ、日本の地下鉄の初乗り運賃以下で新幹線に乗れてしまうのは驚きである。ちなみに2007年11月からは自由席が設定されており、指定席から10%程度の割引となっている。
13時37分、板橋駅に到着。現在のところ全列車が停車する拠点駅であるが、1号車への乗車は殆ど無し。かなりの空席を残して出発する。
しばらくすると列車は市街地の狭間から地上へ躍り出る。速度は100km/h台で、ここまでは言わば助走区間であったが、大漢渓を渡り丘陵地帯を貫くトンネルへ突入すると、いよいよ高速域への加速がスタートする。
トンネルを抜け出ると、景色が目まぐるしい速さで飛んでいる。風景には異国情緒は全く感じられず、まるで東海道新幹線の京都-米原間を走っているようだが、たった20分の乗車、しかも千円未満の運賃で高速鉄道のエッセンスが楽しめてしまうのは得した気分である。
【動画】大漢渓を渡る~高速走行中(板橋-桃園)
[320×240, 30fps, WMV, 2.30MB, 54秒]
息もつかせぬ韋駄天ぶりに心を奪われていると、列車は次第に速度を落とし、地下へと吸い込まれていく。13時50分、高鉄桃園駅に到着。私の隣の人を含めて想像以上の乗客が降り立ち、入れ替わりに空港から到着したとおぼしき人々を乗せて、南へ向けて旅立っていった。
(2007.10.18)
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