おおさか東線・直通快速に乗ってみました
3月15日に開業したおおさか東線。昨日の午後に尼崎に用事があって、途中でたまたまこの日開業だという事を思い出し、時間もぴったりなので尼崎始発の直通快速で初乗りをしてみました。
尼崎-(JR東西線)-京橋-(学研都市線)-放出-(おおさか東線)-久宝寺-(大和路線)-奈良、というルートで運行される直通快速。朝は奈良発尼崎行き、夕方は尼崎発奈良行きの片道運行で、4往復が設定されています。
尼崎発の列車は、土・日・祝日は16時26分から17時56分まで30分間隔で発車しますが、私が今回乗車したのは奈良行きの3本目、尼崎発17時26分の列車です。実はタッチの差で30分前の列車を逃してしまい、少々ホームで待つことになりました。ベンチに座りながら駅を観察していると、向かいのホーム(5・6番線)の端には大量の“カメラマン”が。彼らのお目当てはやはり直通快速なのでしょうか。
がらがらだった7・8番線ホームが徐々に賑わい出し、17時23分、7番線に福知山線の塚口方面から223系電車が入線してきました。昼過ぎに塚口駅を通過した際、側線に電車が留置されているのを確認したので、出番が来るまでは塚口駅で待機しているようです。
新車の香り漂う車内へ。私の乗車した3号車は、尼崎出発時には片手で数えられる程度の乗客しかおらず、車内はしんと静まり返っていました。それもそのはず、2分前に松井山手行きの各駅停車が先行しているんですね。そう言えば加島到着までは随分とゆっくりとした走りっぷりでした。
地下に潜り、最初の駅・加島に停車。直通快速は従来の快速と同様に、JR東西線内は各駅に停車します。開業12年目にして初めてJR東西線へのクロスシート車の乗り入れが実現しましたが、なるほど見慣れた風景もこうやって眺めていると新鮮です。
各駅でぱらぱらと乗客を迎え入れ、北新地駅に到着。夕方なのでホームには家路を急ぐ人々の列が出来ていましたが、学研都市線方面には行かないことがホームで充分通知されていたためか、拍子抜けするほどの少ない乗車。京橋でも同様で、立ち客が現れたのは久宝寺までの区間では京橋~放出のみでした。この立ち客も先客のいるシートを敬遠していただけで、結局座席が全て埋まることは終始ありませんでした。
放出で多くの下車があり再びガラガラになって、いよいよおおさか東線へと踏み出します。おおさか東線の今回の暫定開業区間には5つの途中駅がありますが、直通快速は線内無停車です。また、4往復の直通快速以外は全て各駅停車となっています。車窓にはひたすら東大阪のごみごみとした市街地が続き、取り立てて見所はありませんが、今日は雲一つない快晴。高架からはビルの合間に沈む夕日が眺められ、それはそれは息を呑む美しい夕焼けを楽しむことが出来ました。
今回の開業区間の距離は10km弱なので途中に待避線のある駅はありませんが、先行列車に頭を押さえられる事もなく、小気味良いスピードで駆け抜けて行きます。反面、途中駅は観察する余裕もなくあっという間に飛び去ってしまい、痛し痒しといったところ。新加美駅を除いて島式ホームなのですが、どの駅も幅がかなり狭かったのが印象的でした。
10分も経たないうちに早くも久宝寺到着のアナウンス。私の試乗はここまでです。久宝寺駅のホームに滑り込むと、程なくホーム向かい側に天王寺方面からの各駅停車が到着し、緩急接続が行われます。大和路線の列車群の一員となった列車は再び盛況となり、奈良県へ向けて出発して行きました。
運行初日かつ土曜日でもあり、とりわけおおさか東線内の閑古鳥ぶりが目立っていましたが、果たして出発時刻が1時間30分繰り下がる(尼崎発で17時56分から19時26分まで)平日の入りはどうなるのでしょうか。大阪~奈良間には従来から大阪環状線経由の快速列車が運行されていますが、大阪近郊区間内の選択乗車が可能な普通乗車券はともかく、経路が指定される定期乗車券では、たった4往復の直通列車では移行を促す求心力は皆無と言わざるを得ません。このルートの設定には阪和線の大阪環状線直通列車の増発による線路容量の逼迫化を緩和させる狙いもあるようですが、来年春の阪神なんば線開通の頃には、大阪~奈良間の列車は本格的にJR東西線~おおさか東線経由にシフトしていくでしょうし、今はとりあえず走らせてみましたといった所でしょう。
その他、おおさか東線自体も完全な等間隔ダイヤになっていない((1)久宝寺駅が2面4線しかなく、大和路線の緩急接続の合間を縫って発着しており、(2)また大和路線とおおさか東線の運転サイクルが揃っていない為)とか、既に成熟した市街地に線路を通した所で需要を喚起できるのだろうかとか、気になる点は幾つかありますが、なにはともあれ来年の阪神なんば線開業による競合の開始、そして近い将来の新大阪~鴫野間開通によるおおさか東線全通と、今後の動向が楽しみな路線ではあります。
最後にちょっとだけですが写真と動画をアップしておきます。
《直通快速の方向幕》
《久宝寺駅での緩急接続》
《ホーム先端はマニアでいっぱい(久宝寺駅にて)》
直通快速の車窓動画
放出出発直後~久宝寺到着直前・進行方向右側
[320×240, 30fps, WMV, 18.1MB, 7分13秒]
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