青森の旅1日目 (4)リゾートしらかみ・青池(秋田~十二湖)
東能代までは奥羽本線を辿っていく。最初の停車駅・追分(おいわけ)を出てしばらく走ると、左手には八郎潟の広大な干拓地が広がる。ここは夜行列車で通過したことはあったが、昼間に通るのは初めて。昔教科書で習った場所が実際に目の前に展開しているのはやはり感動する。
ご覧の通り、どうも天気は芳しくないのだが、こればかりは仕方が無い。
似たような景色が続くので、車内で配布されている『五能線の旅』というパンフレットに目を通しておく。列車の設備や運行スケジュールの案内から始まり、リゾートしらかみの各停車駅で開催される観光体験メニューが紹介されているが、これでもかと盛り沢山の内容で、28ページの冊子の情報量は凄まじい。とても一度の訪問で制覇する事は不可能で、リピーター確保の意気に燃えている様子が伺える。
12時04分、五能線の始点である東能代駅に到着。この駅で10分間停車し、列車の進行方向が変わる。多くの乗客が車外に出て、外の空気を吸ったり記念撮影をしたりと、ホームが一瞬華やかな空気に包まれた。
《東能代駅ホームにて。向かい側には能代行きのシャトル列車が停車中》
しばしの小休止の後、いよいよ五能線へと踏み出す。そろそろお昼時なので、秋田駅で購入した駅弁の包みをいそいそと開けた。
「秋田駅とともに百余年」のコピーを謳う老舗、関根屋の『白神浪漫』です。ちなみにこの関根屋、こちらのブログによると始まりは駅前旅館だったそうで。本当は同じく関根屋の『わっぱ舞茸弁当』を狙っていたのだが、秋田駅構内では見つからなかった。
中身はしっかりと味の付いたシメジご飯をメインに帆立の天ぷら、トンブリ(ご飯の上に載っている緑色のつぶつぶ)、そして秋田県の県魚であるハタハタの唐揚げ等と、郷土色たっぷりの弁当だ。駅弁らしく値段の割りに量は少なめだが、味はなかなかのもの。日本の駅弁文化の素晴らしさを体現する秀作だと感じた。
東能代から5分で能代駅に到着。能代市の中心駅で、東能代~能代間を走る定期列車の7割がこの区間のシャトル列車である。
まだ海に出るまでは少し時間があるので、東能代から先頭車となった我が1号車の展望ラウンジを覗いてみた。海側へ向けてソファが設置されており、前面展望が楽しめる腰掛もある。
東八森駅を過ぎてしばらくすると、お待ち兼ねの日本海が左手に現れた。これから鯵ヶ沢駅までの約80kmは、ひたすら海岸線をトレースしていく。
12時42分、あきた白神駅着。『八森いさりび温泉 ハタハタ館』という温泉施設がすぐ傍にあり(4号限定の『晩酌セット』もここで調製している)、女性の観光駅長がお出迎えしてくれるが、気の毒なことに乗降客はゼロ。実はこの駅、JR東日本管内でも1、2を争う利用者の少なさで(Wikipediaによると2006年度の乗車人員は1日平均8人)、『五能線の旅』から伝わる情熱も空回り・・・か。
岩館~大間越間で秋田県と青森県の県境を越える。この辺りはゴツゴツとした岩場が独特の景観を作り出す景勝ポイントで、『リゾートしらかみ』は速度を落としてじっくりと鑑賞させてくれる。
ここは夕陽の名所としても知られているが、今日はこのように薄曇りで、日本海も暗く沈んでしまっている。それでも太平洋とは異なり、演歌の世界よろしく、これはこれでそれなりに絵になるのが救い・・・ではある。
13時07分、十二湖着。3時間後に5号が続行してくるので、それまでの間この駅で途中下車し、十二湖を散策することにする。
(2007.05.10)
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