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2008.04.26

青森の旅1日目 (8)リゾートしらかみ・ブナ(十二湖~川部)

5号の乗車率も3号と似たりよったりと言うところ。十二湖出発後、早速誰も居ない展望ラウンジを訪ね、“かぶりつき席”で前面展望を楽しむことにした。

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陸奥岩崎駅付近で大きく左カーブを切ると、漁港と海を挟んで白神山地の盟主・白神岳がうっすらと雪をかぶっている姿を見ることが出来る。

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左手には相変わらずの日本海の絶景が続き、前へ左へと視点移動は忙しい。

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16時29分、深浦駅着。五能線の拠点駅の一つで、定期列車は殆どがこの駅で系統分割されている。ここで当列車は3分停車し、「リゾートしらかみ4号」との行き違いを行う。

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4号の使用編成は2006年に導入された最新の第三編成である「くまげら」だった。これで一応は三兄弟全員にお目にかかれたということになる。

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ここから鰺ヶ沢までは線路が波打ち際すれすれにまで近づく区間が多い。ここでオーシャンビューのソファへと移動する。空は相変わらずの薄曇りで、ぽっかりと穴を空けたように透けて見える太陽が、灰色に沈んだ日本海にうっすらと淡い光を投げかけている。

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私に代わってかぶりつき席に陣取ったのは、十二湖で私と共に乗り込んだおばさん二人組。話を聞いていると(会話は日本語)、欧米人の方の名前はパトリシアさんである。女二人でぶらり温泉めぐり・・・だろうか。

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16時55分頃、千畳敷を通過。1792年(寛政4年)の大地震で海底が隆起して出来た岩棚で、畳が千畳敷けそうだとか、津軽藩の殿様が実際に敷いただとかでこの名前が付いた。大きな駐車場も備えられた沿線きっての観光地だが、残念ながら『リゾートしらかみ』は3号を除いて全列車通過である。

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《千畳敷を車内から撮影》

延々と海沿いを走ってきた列車が内陸に逸れ、次第に民家も増えてくると鰺ヶ沢に到着(17時15分)。弘前で折り返してきた「青池」編成と行き違いを行う。この6号の秋田駅着は約3時間半後の20時42分。道中お気をつけて!

鰺ヶ沢を出ると最後にもう一度海に近づき、80kmに渡って寄り添ってきた日本海ともお別れ。再びかぶりつき席へと移る。

ここからの車窓の友は「津軽富士」の愛称で親しまれている岩木山。五能線の線路は、岩木山の北麓から東麓を遠巻きに囲むように走っている。惜しくも山頂付近には厚い雲がかかっているが、その別称に違わぬ堂々とした山容を誇っていた。

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五能線最大の拠点駅・五所川原を出たあたりで車内を一巡してみると、中間の2号車をまるまる占めるボックス席(いわゆるセミコンパートメント)には、座席をフラットにして足を伸ばしくつろぐ地元民の姿がちらほら。定期列車の本数が限られているので、『リゾートしらかみ』も地域列車としての機能を兼備しているようだ。もっとも、510円(通常期)の指定券が必要ではあるが・・・。

沿線には寒々とした農村風景の合間にリンゴ園が現れるが、これらの木々が白い花を咲かせるのは5月下旬頃。かつては五能線の各駅から、収穫したてのリンゴを満載した貨物列車が全国各地へ向けて旅立っていったのだが、それも今は昔である。

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五能線内最後の停車駅・板柳を出たところで車掌さんが登場し、私に話しかけてきた。というのも、この列車は五能線の終着駅・川部を出ると、一旦青森とは逆方向の弘前へ向かい、13分停車したのちに改めて青森を目指すという運行ルートを取っている。一方川部でこの列車を乗り捨て、青森行きの普通列車に乗り換えると、青森には26分も早い19時06分に到着できる。この車掌さんは親切にも、青森までの乗車券を持っていた私に対し、この事を案内しに来てくれたというわけだ。実のところ私もすっかりこの事を忘れていたので、大いに助かった。「急ぐ旅じゃあごぜぇません」なんて嘯いてみたい所だが、明日からもまた忙しいことだし、夕食もまだなので少しでも早く着いておきたい。有難くご提案を受け入れ、川部で普通列車に乗り換えることにした。

十二湖から約2時間、右手に東能代で別れた奥羽本線の線路が再び接近してくる。18時07分、五能線の終着駅・川部に到着。青森行きの普通列車の発車時刻までには少し時間があるので、一旦駅の外へ出てみることにした。

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《(上3枚)川部駅に到着したリゾートしらかみ・ブナ》

(2007.05.10)



【リゾートしらかみ・ひとくちメモ】
『リゾートしらかみ』は、「青池」「ブナ」「くまげら」いずれも3両編成。両端の1号車と3号車は一般的なリクライニングシートがならぶオープンタイプの座席で、中間の2号車は4人掛けのボックスが8ブース設置されたセミコンパートメント席となっています。セミコンパートメントは番号毎(1~8)にA・B・C・Dが1ボックスで、ボックス単位ではなく1座席毎のばら売りとなっています。このボックス席は、座席を伸ばしてお座敷のようなフラットにすることも可能です。また全席禁煙で、喫煙スペースは2号車に設置されています。

始発から終着まで乗り通すと、2~3回進行方向が変わりますが、五能線内では青森行き(1・5号)および弘前行き(3号)は1号車、秋田行き(2・4・6号)は3号車が先頭車両になるので、オープンタイプの車両を利用する場合で、展望ラウンジでかぶりつきに興じたいという方は覚えておくと良いでしょう。海側となるのは(これ重要)、1・3号車はA席、2号車はA・D席です。2人でオープンタイプを利用する場合はA・B、4人のグループでは連番のA・B席で取るといいでしょう。但し、「ブナ」「くまげら」編成の1号車10番B席は車椅子スペースのため欠番となっています。また、ボックス席で進行方向窓側になるのは、青森/弘前行きはD席、秋田行きはA席です(どちらも海側)。

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