青森の旅3日目 (5)十和田湖遊覧船
無料ツアーなので遊覧船の運賃は当然各自払い。1400円である。チケットを手に湖岸に佇んでいると、カルデラの外輪山にはまだ残雪があり、湖面を渡ってくる風もひんやりと冷たい。
船着場には既に双胴船が待機している。船名は「第一八甲田」で、定員は781名。頃合いを見て乗船する。室内とオープンデッキがあるが、今日は外で風に吹かれるにはちょっと寒いので、乗船客全員が室内に納まっていた。ちなみにこの船は3階建てで、最上階の客室は別途500円が必要なグリーン室となっているのだが、ぱっと見ても一般室と何処が違うのかさっぱり。案の定利用客はゼロだったが、喧騒を避けたいというニーズに応えているのだろう。
一般室もガラガラの状態で出航。最前列の"展望席”には韓国人の団体が陣取っている。最近は日本の各地で東アジアからの観光客の姿を目にする機会が頓に多くなったが、客離れに悩む旧来の観光地にとっては願ってもない好機だろう。
十和田湖は概ね丸い形をしているが、南岸から中山半島と御倉半島という2つの半島が突き出しており、半島に挟まれた湾状の部分は中ノ湖と呼ばれている。遊覧船は御倉半島の先端をかすめ、中ノ湖の奥部に入り込んだ後、中山半島をぐるっと周って半島の根元の西に位置する休屋へ向かう。所要時間は約50分。
出航後約10分、東湖を横切った船は御倉半島の先端に達し、中ノ湖へ進入していく。
中ノ湖に入ってすぐに左舷側に見えるのが、「千丈幕」と称される断崖絶壁。高さは約200mだとか。
岩の露出した険しい地形が続き、中ノ湖の奥に達すると船は北へ進路を向けるが、ここで双胴船の特性を活かしてその場でくるりと一回転。左と右、どちら側に座っていても平等に風景を楽しめるようにする工夫である。
今度は左手に中山半島が現れる。こちらは御倉半島とは対照的にほとんど高さのない砂州のような地形で、天橋立を髣髴とさせる。
向こう側には雪をまぶした外輪山が見えている。
振り返ると標高690mの御倉山がもこっと盛り上がる、御倉半島の全容が見渡せる。
この後も名所案内のアナウンスがその都度続くのだが、昨夜は何故か明け方まで寝付けなかったこともあり、船の心地よい振動のおかげでうとうと・・・
何とか目をこじ開けながら頑張っているうち、かの有名な乙女の像が見えると、出航以来久々に湖畔に人影が現れた。
湖畔に立ち並ぶホテル群を眺めていると、間もなく休屋の船着き場に到着。下船すると気温が下がっているのか肌寒い。バスへ向けて歩いていると、桟橋の出口付近で例のおばちゃん達が「おかえり~!」と出迎えてくれた。休屋でのんびり観光・・・かと思いきや、昼食を摂ってなかったので、到着してすぐにレストランに直行したとか。風が出てきたこともあり、立ち話もそこそこに待機中のバスへと逃げるように帰ったのだった。
(2007.05.12)
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