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2008.05.19

ベビーカーを押して電車に乗るのは迷惑か?

Yahoo!を見ていて気になったトピックがあったので。ソースがJ-CASTなので引用はしませんが、テーマは表題の通り。ベビーカーを押して電車に乗ってくるのは迷惑だとか、例え畳んでも場所を取るのだから迷惑なことには変わりないだとか、まぁ如何にも議論噴出しそうな話題です。某小町でも暇人たちが喧々囂々やり合ってますね。

発端となったのは大都市圏の鉄道事業者の共同キャンペーン。ポスターはここ(小田急のサイトにあるPDFファイル)等で閲覧可能ですが、話題となっているのは左下の部分、混雑する車内でベビーカーを折り畳み、子供を抱いて乗車する夫婦の写真。なんか利用客同士のマナー論争に矮小化されているきらいがありますが、みなさんこれを見てどう思います? 私には単なる鉄道会社の責任転嫁にしか思えないのですが。

確かに朝のラッシュ時にベビーカーやトランクケース等の大型荷物を持ち込むのは常軌を逸していると言っても良いですが、日本の都市鉄道って朝から晩まで、たかだか一台二台のベビーカーが乗車に支障をきたすような慢性的な混雑を甘受せざるを得ないほど輸送力が不足しているのでしょうか?私は鉄道にしろバスにしろ全員着席が基本だと考えているので、捌くだけで精一杯の朝ラッシュ時は仕方が無いにしても、輸送力に余裕のある閑散時間帯に立ち客が存在する事には違和感が拭えません。

ベビーカーが邪魔だと言うくらいなのですから、通勤型電車に当て嵌めると乗車率は100%近くでしょうか。100%ならいいじゃん、というのは間違いで、通勤型電車の定員は着席定員ではなく立ち客で吊革が埋まっている状態。一般的には「混雑している」と受け取られるでしょう。適正なキャパシティとはとても言い難く、列車の増結も増発もせずにこんな状態を放置しているのは、鉄道会社の怠慢と言い切っても良いと思います。インドのムンバイのような末期的状況ではあるまいし(YouTubeの動画参照)、啓蒙活動に励む前にやるべきことがあるだろう、と。

全く別の話ですが、横浜市営地下鉄のグリーンラインで「スマイルマナー向上員」を導入するというニュースを耳にした時にも同種の不条理さを感じました。警備員を付けてまで座席の譲り合いを"強要”せずとも、本数なり両数を増やせば真昼間なら間違いなく全員に座席を提供できるのですから。

朝のラッシュ時にあれだけの本数の列車が走っているわけで(路線によっては車両の増結も)、少なくとも物理的には何ら問題は無いわけです。私には増結・増発を躊躇う理由は単なる詰め込み主義に拠るものとしか思えませんね。もとより、我々乗客は果たして人間扱いされているのだろうか、という疑問も頭をもたげるわけで。

そもそも、小さい子供を連れてのお出掛けにはクルマが一番便利なのです。それをわざわざ公共交通機関を利用してくれるのですから実に良いお客さんです。もっと彼女(彼)らを大切に扱うのが筋なのでは。そういえば、どうして車椅子スペースがあるのにベビーカースペースが無いのでしょうね?

主因であるとはいえ鉄道会社ばかり責めてもアンフェアなので、利用者にも一言。確かにマナーの悪い、あるいは無頓着なベビーカー利用者もいるでしょうが、大半のママは遠慮しながら乗車しているのです。そもそも誰にでもかつては子供時代が、そして乳飲み子を抱える親になる時期が存在するわけで、言うならば「お互い様」でしょう。他人に対する思いやりというか想像力というか、理解するのは大して難しい事ではないと思うのですが、論争にまで発展するほどに日本人は冷淡なのでしょうか。ベビーカーを押すお母さんが現れる度に、列車の乗降を手助けする人がワッと群がるドイツを見習いましょう。寛容の精神を!


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