香港 (1-9)灣仔にて
フェリーを降り、埠頭の少し東側から九龍を振り返ってみる。香港島とは対照的に高い建物が少なく、100万ドルの夜景どころか1万ドルにも満たない・・・といった所だが、これは1998年に現在の香港国際空港が開港するまで香港の玄関口の役割を担っていた『啓徳空港』が九龍半島の東にあったため、建築物の高さ規制が敷かれていたから。それも撤廃された今、九龍半島側でも高層ビルの建設ラッシュが続いており、九龍と香港島とで夜景の美しさを競い合う日も、そう遠い未来の話ではないのかもしれない。
灣仔は、山側の昔ながらの下町から、海側の高層ビルが林立する近代的なエリアまで、香港の歴史が年輪のように積み重なっている街。遠目で見れば美しいスカイラインの摩天楼も、足元を歩いていると自分がとてつもなくちっぽけな存在に思えてしまう。
香港島の北岸を横断するハーバーハイウェイの一角をなす、「告士打道(クローセスター・ロード)」をまたぐ跨道橋の上へ。ここから海側は60年前には海の中だった場所である。欄干の上にカメラを置きシャッタースピードを落として撮影してみたら、とても綺麗な写真が撮れた。
かつての海岸線を越えて山側へ向かうと、突如としてアジアらしい猥雑な町並みに変貌する。人通りも少なく車ばかりが目立ったビル街から一転、光あふれる雑踏の中へ。
MTR港島線が地下を走るヘネシー・ロードを横断してジョンストン・ロードに出ると、今回の旅の目的の一つといっても過言ではない二階建てのトラムとご対面。さあ、早速乗車してみようか。
(2006.12.12)
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