香港 (2-3)ツェン湾西~錦上路
九広鉄路(KCR)西鉄線で元朗へ向かう。西鉄線は2003年末に開通した新しい路線。大規模なベッドタウンが遍在しながらも、長らく中心部とを結ぶ軌道系交通機関が存在しなかった新界西地区に漸く開通した待望の路線だ。この記事を書いている現在、KCRとMTRは合併し、新生MTRとして香港の都市鉄道網の一翼を担っている。
5扉の通勤型電車の車内にはロングシートが並び、MTRの車両と全く同じ設備で新鮮味は無いが、一車両につき3ヶ所、天井から液晶モニタが吊り下げられていて、音声付きで番組を流している。一応音声の流れない“サイレンスカー”もあるようだが、日本でやれば間違いなく顰蹙を買いそうで、これもお国柄か。そういえばシンガポールの路線バスでも同じような事をやってたっけ。
延長5kmほどのトンネルで九龍と新界を隔てる山岳地帯を越えると、電車は荒野の中を駆け抜ける。左手には車両基地が見えるが、右手は高い防音壁で遮られていて風景は望めない。それでも新線らしくスピードはかなりのものだ。
ツェン湾西から6分、電車は錦上路(Kam Sheung Road)に到着。本当は次の元朗まで乗り通すつもりだったのだが、突然「催して」きたので急遽ここで途中下車することに。
錦上路駅のピカピカの駅舎には、これまたピカピカのトイレがあってホッと一安心。当初は予定外だったものの、折角途中下車したことだし、駅近くの錦田(Kam Tin)の町を散策してみることにする。
錦上路駅の周辺には建物が少ない・・・というより殆どなく、西鉄線の指令センター(?)とバスターミナル、それに電車の高架線くらいしか目立つ人工物がない。まるで忽然と村の外れに新幹線の駅が出現したかのようで、脳裏に安中榛名というフレーズがちらついた。また、香港の中心部では全然見掛けなかった自転車がここには並んでいる。
何だか神戸市営地下鉄で伊川谷に降りたような感覚にとらわれながら、駅の北西、錦田河(小さな川です)に架かる屋根つきの橋を渡り、錦田の中心部へ足を向けた。
(2006.12.13)
« 香港 (2-2)ツェン湾~ツェン湾西 | トップページ | 香港 (2-4)錦田 »






コメント