香港 (2-5)元朗にて
錦田から10分少々、再び車窓は田舎から都会の風景へと変わり、元朗(ユンロン)に到着。駅前で降り損ねて一つ先の停留所まで連れて行かれたのはいいとして、今まで何とかもっていた空がとうとう泣き出し始めてしまった。乗り物の車内にいれば少なくとも雨に煩わされることはないが、やっぱり気分はちょっと落ち込む。雨の少ない季節なら尚の事だ。
元朗の目抜き通りである青山公路の両側には年季の入ったビルが並び、雑然としながらも活気を帯びた様子はさながら「ミニ九龍」といったところ。
ここ元朗は西鉄線の開通前から大きく栄えていた街で、香港18区のひとつ・元朗区の中枢である。元朗区の人口は50万人を超えており、もはやベッドタウンどころか一つの都市圏と言っても差し支えがない。つい最近まで中心部からの鉄道路線がなかったのが不思議なくらいだ。
青山公路の中央には二本の線路が走っており、時折単行、或いは2両編成のスマートな路面電車が通り過ぎていく。これがお目当ての九広軽鉄で、1988年の第一期区間の開業を皮切りに、新界西部に緻密な路線網を広げているLRTである。
《同じく歩道橋の上からLRTの車両を見下ろす》
軽鉄の元朗駅は、西鉄の駅に隣接したビルの1階に設置されている。
こちらが駅入り口。中はちょっと薄暗い。
この駅に発着する系統は4種類。今の時間は3系統が運転されており、入り口横に発車案内板が置かれていた。
プラットホームは5つあり、系統別に分かれている。ぱっと見た目は路面電車だが、床の高さは普通の電車並みなのでホームも高い。なんだか江ノ電のよう。
《駅名標(上)と、3番ホームの発車案内板(下)》
軽鉄はヨーロッパの都市交通では主流となっている「信用乗車方式」を採用しており、駅でも車内でも改札はない。乗車券はホーム上の券売機で購入できるが、ここは香港。当然オクトパスカードの利用も可能で、乗車時と降車時にホームの随所に置かれているカードリーダーにタッチする。入場機と出場機がそれぞれ色分けされており、私も入場機にタッチ・・・したはずが、「ピッ」という感じの確認音が鳴ってもいいはずなのに無音。妙なものを感じ取りつつも、「ま、いっか」とそのまま乗り込むことになったのだが、この軽はずみな行動が思わぬハプニングを生むことに・・・
次回は電車に乗車します。
(2006.12.13)
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