フランス (1-8)ルーヴル美術館その2
まずは「古典期以前のギリシャ美術」のコーナーへ。入っていきなりなのだが、一般的な美術館での作品の扱いといえば、ブロック状に整った部屋に配置も計算し尽くされたうえで恭しく飾られている・・・というイメージのはず。しかしここではだだっ広い宮殿に作品が無造作に散りばめられ、「適当に並べておきましたのでどうぞお好きにご覧くださいませ」と突き放されたような、ちょっと美術館の固定観念からは懸け離れた奔放さを感じるのである。そして館内はフラッシュさえ焚かなければ撮影自由、客層も普段は美術館なんかには来なさそうな人が大多数とあっては、何だかテーマパークに近いような騒々しさ。堅苦しさがないというか、静かにゆったりと鑑賞するような雰囲気ではないというか・・・
鑑賞の合間に窓の外を覗いてみると、このように「ああ、ここって美術館である以前に宮殿なんだよなあ」と実感させられるような風景が随所に点在する。
この大部屋を直進するとそのまま1階・2階へ通じる長い階段につながっており、突き当たりには『サモトラケのニケ』が。このあまりに有名な彫像でさえ、階段の踊り場にポンと置かれている不思議。といってもただの踊り場ではなく天窓のある開放的なホールで(下の写真)、今まさに天から舞い降りてきたかのような、なかなかドラマチックな演出がなされている。
あいにく首なしの女神様だが、高さは3m以上にも及ぶ大作であり、その優美なフォルムも相まって確かに鮮烈な印象を残す作品には違いない。
続いて2階・13~15世紀のイタリア絵画のコーナーへ。というより能動的にここを目指していたわけではなく、館内のあちこちにある「モナリザこっち」の案内表示に従ったまでのこと。
そして・・・ とうとうやって来ました、モナ・リザの間。観光客で終日賑わうルーヴル美術館でもこの部屋だけは異様に人口密度が高く、世界各国からこの謎に満ちた名画を一目見ようと(或いはカメラに収めようと)人々が集まり、正に人種の坩堝と化している。
展示物に対して放縦な管理がされているこの美術館でも、モナ・リザは別格。過去に盗難や破損の被害を蒙ったこともあり、絵をすっぽりと覆うガラスのケースで保護されている。遠目で眺めていても仕方がないので、私もズンズンと前に出てお写真を一枚。なにせ絵までの距離が遠いのにフラッシュが使えない(それでも他人のカメラがしょっちゅうお構いなしに光ってましたが)・部屋が薄暗いと悪条件が重なり、最広角で撮らざるを得ずこんな感じに。
こちらはトリミングした等倍の写真。感度の上昇がISO800で収まってくれたとはいえ、やっぱり荒れてますね。
この人だかりでじっくりとモナ・リザ様と見つめ合うわけには行かず(そもそも遠すぎるし)、写真を撮ったその足でそそくさと撤収。むう、これで鑑賞したと言えるのか・・・? まぁ少なくとも話の種にはなるということで、とりあえず見るだけ見ておけって所でしょうかね。
次回もルーヴルから。
(2008.04.04)
« フランス (1-7)ルーヴル美術館その1 | トップページ | フランス (1-9)ルーヴル美術館その3 »
コメント