フランス (2-10)イタリー広場にて
イタリー広場は円形の公園で、その周囲が大きなロータリーになっている。公園へは横断歩道を渡ることになるのだが、交通量が多いためになかなか信号が青にならず、いざ中央の“島”に渡るとどことなく街から隔絶されたような感覚に陥ってしまった。雨が上がったばかりの公園には人影は全く見当たらず、噴水だけが閑閑と水柱を上げている。
広場の周囲を見回してみると、南側にはセーヌ右岸の1区・2区辺りでは全く見掛けなかった、高層のアパートやマンションが多いことに気付いた。パリ市は山手線の内側にすっぽり収まる程度の面積に200万人強もの人口を擁しているというのに、一体何処に住民を収容しているのやら・・・?とちょっと不思議に思っていたのだが、ちゃんと人口密集地域もあるのだなぁと納得。
広場から北北西へ緩やかな下り坂となっているゴブラン通り(Avenue des Gobelines)の向こう側には、丘に積み重なる建物の陰からパンテオンが頭を出している。こうして見るとパリの街は結構立体的だ。この通り、まるで祭りの後のようにゴミがそこら中にとっ散らかっていたのだが・・・ なぜだろう?
広場を取り巻く建物の中でも一際目を引く、「Grand Ecran」というモダンなデザインの複合ビル。ショッピングセンター「Italie 2」などが入居しており、東京都庁の設計者としても知られている日本人の建築家、丹下健三氏が手掛けたそうな。
公園をはさんでGrand Ecranと正反対の北側には、対極をなすトラディショナルな外観の13区の区役所が。イタリー広場は1860年のパリ市域拡張前の市境だった場所で、それと呼応するように北側と南側では風景が一変するのが面白い。
Place d'Italie―[M7]→Porte d'Ivry
さてスケジュールも押していることだし、そろそろPorte d'Ivryへ向かうとしよう。7号線は南の末端部で二股に分岐しており、電車の側面には行先を示すランプが設置されているほか、分岐駅のMaison Blancheでは「この電車はMairie d'Ivry(Villejuif Louis Aragon)行きです。お乗り間違えのございませぬよう・・・」という風なアナウンスが入る。昼間は両系統がそれぞれ10分間隔で交互に運転されており、環状運転が始まる前の名古屋市営地下鉄名城線を髣髴とさせた。
Mairie d'Ivry行きで5駅、トラム3号線の始発駅であるPorte d'Ivryに到着。遅れ馳せながら、ここから先は楽しい楽しい「でんしゃのじかん」である。
(2008.04.05)
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