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2008.09.16

フランス (2-6)中世市場都市プロヴァンその4

下の町に戻り、ジェネラル・ルクレール広場から東に延びるコルドネリー通り(Rue de la Cordonnerie)を進む。距離は短いがこの街の目抜き通りで、若者の姿も多く快活さに溢れている。

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《コルドネリー通り》

ショーウインドーを覗きながらぶらぶらと歩いていたところ、前から来た女の子二人組が出し抜けに、

「コンニショワ~」

と挨拶してきて唯々苦笑い。いやいや、それはマルセイユのマヌケ署長が間違えて覚えてるだけだから! からかってるのか本気なのかはいざ知らず、よく日本人って分かったねぇ。

コルドネリー通りの突き当たりに建っているのがサン・タユール教会(l'église Saint-Ayoul)。この教会の前庭で初めてプロヴァンの定期市が開かれたそうだ。
(すみません、教会の写真を撮るのを忘れてました)

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《教会前のサン・タユール広場》

シャンパーニュの大市は年6回催されていたが、そのうち2回はプロヴァンが開催地。その会場は5月は上の町のシャテル広場だったが、9月は教会前のサン・タユール広場で行われていた。これは上の町と下の町に平等に利益を分配するというシャンパーニュ伯の慮りだったそうだ。欧州屈指の商業都市として隆盛を極めたこの町も、商人の安全確保から商売上のルールの策定まで事細かに指揮を執った、シャンパーニュ伯の辣腕なくして成り立たなかったわけである。

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《サン・タユール教会正門》

教会のベンチで一休みしていると、先程教会の正面で写真を撮っていた日本人の女性三人組が入ってきた。幾ら世界遺産とはいえ、こんな地味な(もういいって)町でも意外と日本人と遭遇するものだ。ドイツでは一転、世界遺産クラスの町でも日本人どころか東洋人さえ一人も見掛けなかったというのに、やっぱりフランスは日本人に人気があるのだろうか。

教会すぐ横の路地を北へ一歩入ると、高く天を衝いている「ノートルダム・ドゥ・ヴァルの鐘楼(la Tour Notre-Dame-du-Val)」が目に入る。

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一旦コルドネリー通りをジェネラル・ルクレール広場まで戻り、Avenue Alain Peyrefitteを北へ。すぐにサント・クロワ教会(l'église Sainte-Croix)に到達する。内部の見学は出来ないようだったが、正門の精緻な彫刻が目を引いた。

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ひっそりとした裏道をぐねぐねと西に進み、デュルタン川という小川に沿って並ぶ洗濯場へ。なぜここが観光ポイントかというと・・・

『デュルタン川(le Durteint)とヴルジー川(la Voulzie)』
中世時代のプロヴァンの特産品は毛織物。羊毛で作られ、品質の良さ、濃紺色の色彩で評判。デュルタン川の硬水によって“ネール”という青色が出せる。水は染め物師、皮なめし職人や精肉業者といった仕事には欠かせないものであった。(プロヴァン観光ガイドより)

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《(上3枚)デュルタン川の洗濯場》

もちろん洗濯機が普及した現代では使われている形跡はなく、かつては染料で真っ青に染まったであろうこの川も、今では流れを止めたかのように静かに水を湛えているのみである。

次はガルニエ庭園(Jardin Garnier)へ。

この庭園と壮麗な邸宅は、19世紀、富豪ヴィクトル・ガルニエがプロヴァン市に遺贈したもの。13世紀、17世紀の面影を残す。かつては弩の射手の練習場と、女子教育に献身的であった女子修道会の所有地であった。現在も邸宅の左側に礼拝堂の柱廊玄関が残っている。(プロヴァン観光ガイドより)

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《ガルニエ庭園南入口》

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《(上3枚)ガルニエ庭園の風景》

庭園のベンチでは老夫婦が仲良くランチを摂っていたり、池では白鳥と鴨がゆらゆらと遊んでいたりと、市民の憩いの場として穏やかな時間が流れていた。もう少し暖かくなれば園内の花壇には花が咲き乱れるらしいが、春先のこの時季ではチューリップもようやく開花の気配をみせ始めたばかり。それでもまだまだ寒さも残る中、可憐に咲く花もちらほらと。

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そういえばそろそろお昼時。朝あれだけバカ食いしたというのに、5時間も経てばやっぱりお腹が空いてくるものである。

もう少しプロヴァンの町を歩きます。

(2008.04.05)


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